リノベのハウツー
2020.06.17
【中古マンション購入】プロならこうする!品質チェックで危険回避
中古マンションの物件品質は、プロの目から見ても複雑なものです。今回は、購入前に知っておくことで危険な物件を回避できる、プロの品質チェック視点をお伝えします!
物件品質を見るポイントは主に3つ
中古マンションの品質を確認するポイントは、主に以下の3つ。
1 老朽化
2 耐震性
3 管理状況
これから一つずつ詳しく解説しますが、この3つに大きく関わるのが「重要事項調査報告書」というものです。
「重要事項調査報告書」とは、簡単に言うとそのマンションの管理に関しての説明書のようなもの。管理会社が発行するもので、「重要事項説明書」とは別の書類です。
代表的な記載項目としては、以下のような内容です。
・調査依頼日
・修繕積立金総額
・管理費、修繕積立金の月額
・管理費、修繕積立金の滞納額
・管理費、修繕積立金の改定予定
・管理組合の借入金の有無
・修繕工事履歴
・管理状態
・大規模修繕改修工事に関する予定
・アスベストや耐震診断の有無
記載事項は様々ですが、上記は特に注意して確認しておきたいところです。積立金の月額は適当か、これから上がる予定はないか、今後いざという時に修繕に使えるお金があるのか、耐震性や空気環境に問題はないかなど、物件購入にあたり必要な判断材料になることは間違いありません。購入前にぜひ確認しておきたい書類です。
確認ポイント1.老朽化
物件は基本的に築年数が古いほうが安く入手できますが、あまり古いと老朽化が気になるところです。しかし、築年数や見た目に惑わされないでください。
もっとも重要なのは、前述した「重要事項調査報告書」に記載されている内容です。修繕工事の履歴、今後の修繕計画、そして修繕積立金の額を確認してみましょう。
築10年で全くメンテナンスしていない物件と、築20年でこまめにメンテナンスしている物件。築10年で修繕積立金がほとんどない物件と、築20年で修繕積立金がしっかり備蓄されている物件。一概にどちらが良いとは言えないことが分かると思います。
きちんと手入れしているRC造マンションは、100年以上住めるとも言われていますので、築年数に関わらずきちんと管理され、メンテナンスされているかが重要なわけです。
また、築20年以上の中古マンションの場合、専有部分となる給排水設備が交換されているかは確認しましょう。これからフルリノベーションをする予定であれば、交換することになるはずです。
2.耐震性
耐震基準について、「旧耐震基準」と「新耐震基準」というワードを聞いたことがあるでしょうか。1924年・関東大震災があった翌年に、世界に先駆けて日本で定められたのが「旧耐震基準」と言われるもの。その後1981年に大きく改正され、「新耐震基準」が生まれました(1981年以降に完成した住宅が全て新耐震基準というわけではないのでご注意を!)。
旧耐震基準では、震度5程度の地震に耐えうる住宅。新耐震基準では、震度6強以上の地震で倒れない住宅を基準としています。もちろん地震には強い方がいいのですが、重要なのは耐震基準だけではありません。災害時には建物の形状や地盤、地形、立地なども大きく関わってきます。
新耐震基準の物件は、旧耐震基準の物件よりも価格が高くなる傾向があるため、費用対効果に関しては自分の価値観やライフスタイルなどを考えたうえで検討すべきです。どうしても心配な場合や、構造上問題があるときは、耐震診断や耐震補強工事が必要になるケースもあります。
3.管理状況
マンションの管理状況は、「マンションは管理を買え」と言われるほど、とても大切なチェックポイントです。管理会社、管理組合など、中古マンション購入時には加入することになります。なかなか見えない部分にどれだけ注力しいているかを確認することが大切です。
管理の確認ポイント
・1の老朽化にもある「給排水設備」のメンテナンス状況
・マンション内外のトラブルなどの管理
・修繕積立金の回収状況
修繕積立金は、「必要な修繕費が賄える額が集金できる仕組みか」確認すると良いでしょう。
また、管理状況確認方法の一つに、マンションの各所を見るというのがあります。ポストやその周辺にチラシが散乱していないか、掲示板に古い情報ばかりが残っていないか、ゴミ置場がキレイに保たれているか、植栽などに気を配っているか、駐車場や駐輪場が整理されているかなどは、自分でチェックすることができる部分です。マンションを見学に行った際に必ず自分の目で確認しておきましょう。
まとめ
中古マンションを購入して憧れのリノベーション!⋯⋯とは言え、中古マンションには見抜けにくい危険が潜んでいるケースがあるのも事実です。
自分一人での判断が心配な方は、プロに相談し、一緒に物件探しから手伝ってもらうのが安心かもしれません。