リノベのハウツー
2018.09.27
中古マンションの住宅設備まわりは要チェック!リノベするにも確認必須!
中古マンションの購入を検討する際「住宅設備は全部新しくするから、今どんなものがついているか、については特に気にする必要はない」とお考えの方、多いのではないでしょうか?
住宅設備とは、一般的に、便器やバスタブ、給湯器やシステムキッチンなどを言います。トイレも新しくするし、お風呂も新しく...といった具合で、確かにあまり既存のものにとらわれる必要はありませんが、注意しないと「え!そうだったの?」と思わぬ誤算が生じてしまう可能性があります。
今回は、中古マンション購入時に「知っていた方が良い」という住宅設備まわりに関する知識についてご紹介します。
目次
1) 一住戸に許される電気の供給量
マンションは建物全体の電気の供給量が決まっているため、個人の勝手な考えで電気容量を好きなだけ増やして使用する、といったことができません。
必要な電気容量は、生活スタイル、入居する人数や家族構成にもよりますが、最近の新築マンションでは、標準で40アンペア、電力会社との契約次第で60アンペアまで上げられる、というケースが一般的です。
築年数が古い中古マンションの場合、30アンペア以下の物件も少なくありません。新築販売当時の販売パンフレットの概要ページに掲載されていることがほとんどですが、そういった資料を事前に確認することができない場合は、不動産会社に確認したり、現地に足を運んだ際に「分電盤」に記載されている数字を確認してみましょう。
この電気容量の不足は、以下の場合に起こり得ますので検討している方は要チェックです。
・既存のガスコンロを、IHクッキングヒーターに変更したい
・新しくキッチンに食洗機を設置したい
・新しく電気式床暖房を導入したい
電気の供給量とは別の視点でのチェックも必要になりますが、エアコンの設置台数も電気の供給量に関係します。既存の住宅設備からスペックを上げて、これらを使用したい、採用したいとお考えの方は頭に入れておきたいポイントですね。
2) ガス給湯器の号数や追い焚き機能の確認
住宅設備のなかでもあまり目に入らないのが「ガス給湯器」です。ガス給湯器は、お湯をつくる住宅設備で共用廊下やベランダに設置されていることがほとんどで、内見の際にチェック漏れにしやすい箇所です。お湯をつくる性能を表すものとして「号数」というものがあります。水温+25度のお湯を1分間に何リットル出せるかの数値になっていて、数値が高い方が高機能の商品となっています。
この号数ですが、例えば既存が16号タイプの場合、24号に取り替えたいと思っても、ガスメーターの容量が足りない可能性があります。ガス給湯器各メーカーから号数の使用目安が丁寧に説明されていますので、ライフスタイルに合わせて検討し、マンションの管理組合へ号数UPがどこまでできるか事前に確認しておくのが良いでしょう。
またお風呂場で使用する「追い焚き機能」ですが、既存のお風呂でついていない場合、追い焚き機能付きの給湯器に交換できない場合がほとんどです。追い焚き機能を使うには「追い焚き管」というものが必要になります。
この追い焚き管ですが、多くの給湯器は室外に設置されているため、外壁に空いた穴(スリーブ)を通る必要がありますので、既存利用している穴がない限り、外壁に穴を開けなくてはなりません。この外壁に穴を開ける「コア抜き」という工事は、多くのマンションで規約上禁止されているため、管理組合に確認しましょう。もし開けられたとしても、どこに開けるべきかといった調査も高額な費用となります。
ライフスタイルをきちんと整理して取捨選択したいポイントですね。
3) 窓の性能が世の中上がってるのに、窓のリフォームはできない?
CMやチラシ等で、断熱効果、結露対策、遮熱効果、防音効果などが期待できる窓の新商品が出ていることをご存知の方もいらっしゃると思いますが、マンションの場合「窓」は「専用使用箇所」と呼ばれる共用部分になり、個人が好き勝手に変更することに制限がかかります。
たとえば、窓ガラスが割れた場合、住人の過失によるものであれば住人の費用負担で既存同等の窓ガラスへの取り替えを行いますが、理由は分からないが割れてしまったという場合、管理組合に相談し状況によっては管理費や管理組合が加入している保険から賄われるケースもあります。共用部分のため、みんなで資産を守ろうということですね。
その窓を性能が良くなるから、という理由でも共用部分の変更になるため、簡単にはできないのです。
そんな事情をくんで、各メーカーから既存の窓を交換しなくても新商品と同じような機能をもたせる手法を展開しています。
今ある窓にもう一枚窓を追加するといった方法が主流で、マンションリフォームでも人気のアイテムとなっています。
「築15年のマンションで駅近だけど目の前に線路があり、音が気になる...でも最近の窓は遮音性に優れているからリノベーションで窓を交換すれば大丈夫かな」といった具合の判断だと思ってたのと違った、となってしまうかもしれません。
マンションの窓リフォームについてきちんと理解した上で、上記のような場合も大丈夫、とリノベーションに挑みたいですね。
4) ディスポーザーがないマンションは後付けできない?
新築マンションにディスポーザーという画期的な設備が多く導入された2009年頃から10年ほど経ち、その便利さを聞く機会も増え、マイホーム購入時には導入を検討したいとお考えの方もいらっしゃると思います。このディスポーザー、マンションにおいては、個々の住居に設置された単体の設備だけではなく、共用部に配された専用の処理槽とのセットで考える必要があり、この専用の処理槽がないマンションにおけるディスポーザーの単体設置は自治体によって賛否がわかれてます。
以前は、新築マンション限定の売りトークだった「ディスポーザーついてます!」ですが、現在は中古マンションの市場にもディスポーザー設置のマンションが出るぐらい流行してから年数がたっていますので、利用したいとお考えの方は設置済みマンションをチェックすると良いですね。
リノベでも気にしたい中古マンションの住宅設備
今回はリノベーションをする場合でも、チェックしておきたい中古マンションの住宅設備まわりについてご紹介しました。リノベーションならなんでもできる!と意気込んでたけど、ちょっとずつ思ってたのと違った結果になってしまった...とならないためにも、上記のような少し踏み込んだ知識を身につけて物件探しに挑んでみてはいかがでしょうか。
すべて良いものを、ではなく、自分たちに合ったものを取捨選択する、というのが1番の理想ですね。今回の記事が物件探しの一助になれば幸いです。