リノベのハウツー
2020.02.09
住宅ローンを借りる前に!よくわかる固定金利と変動金利
住宅ローンの借り入れを検討する際、固定金利と変動金利のどちらにするか、悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、住宅ローンにおける固定金利と変動金利の違いについて徹底解説します。
住宅ローンは人生最大の借金
はじめに、住宅ローンについて学ぶことの重要性について、少しお話ししましょう。
総務省「家計調査報告」によると、二人以上世帯において負債(ローン)を抱えている世帯は、全体の39.0%。その平均負債額は1430万円となっています。
負債の種類別割合も公表されており、調査結果によれば、二人以上の世帯における負債のうち「住宅・土地のための負債」が89.8%です。勤労者世帯だとさらにその割合が高まり、なんと92.7%にも達します。
(出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)−2018年(平成30年)平均結果−(二人以上の世帯)」)
つまり、住宅ローンは全借金のうち9割を占める、人生最大の借金だと言えるでしょう。平均負債額から計算すると、一世帯平均約1,200万円もの住宅ローンを組んでいることになります。
こう考えると、住宅ローンの基礎知識を身につけることが、いかに重要かお分かりいただけるのではないでしょうか。
計算しやすい固定金利
それでは、本題の「固定金利と変動金利の違い」について解説していきます。まずは、固定金利についてです。
全期間一定型と段階金利型
固定金利とは、「借入期間中は金利が変わらないタイプ」のこと。当初決定した金利が最後まで適用されるので、返済額が一定になります。
なお、多くの住宅ローンにおいて「申し込み時の金利」ではなく、「実際に融資が開始された時点での金利」が適用されるので注意が必要です。
(参考:フラット35「住宅ローンの基礎知識 金利の決定時期は?」)
「借入期間中は金利が変わらない」と書きましたが、次に挙げる2つのタイプがあります。
・全期間一定型:当初決定した金利が完済時まで変わらないタイプ。
・段階金利型:一定期間で段階的に適用される金利が変わるタイプ。
ちなみに、固定金利型住宅ローンの代表格「フラット35」は、前者の全期間一定型にあてはまります。
固定金利のメリット
上記のような特徴がある固定金利ですが、メリットを具体的に見ていきましょう。
・返済額が決まっているので、返済計画が立てやすい。
・低金利時に借りれば、金利が上がっても、低金利のまま借り続けられる。
1つ目の返済計画が立てやすいというのは、金銭面の管理があまり得意でないという人には大きなメリットです。
2つ目の点について、2020年現在は超低金利が続いていますので、同じく大きなメリットになり得ます。ただし、金利が急激に上昇することは考えにくく、変動金利を選択した方がお得な可能性もあるので要注意です。
固定金利のデメリット
それでは、反対に固定金利のデメリットも見ていくことにしましょう。
・変動金利に比べて、当初の金利設定が高め。
・高金利時に借りてしまうと、金利が下がっても、高金利のまま借りなければならない。
1つ目の点は、固定金利最大のデメリット。たとえば三井住友銀行では、2020年1月現在で変動金利型が「年0.500%」に対し、超長期固定金利型(10年超〜15年以内)では「年1.63%」と大幅に高くなっています。
(参考:三井住友銀行:住宅ローンの金利)
2つ目の点については、超低金利の現状において、すぐに住宅ローンを借りる予定があれば、そこまで問題にならないでしょう。
金利が比較的低い変動金利
つづいては、変動金利についても解説していきましょう。
市中の金利状況に応じて上下する変動金利
変動金利は、一言で表せば「返済期間中に、市中の金利動向に応じて金利が変動するタイプ」です。
市中金利が下がれば住宅ローンの金利も下がりますし、市中金利が上がれば当然上がります。一般的に、金利の見直しは年2回。金利が変われば返済額も変わりますが、あまり頻繁に返済額が変動すると返済計画に影響するため、返済額の見直しは5年に1回となっています。
変動金利のメリット
それでは、変動金利のメリットとはどのようなものでしょうか。
・固定金利型に比べて、当初の金利が低い。
・高金利時に借りても、市中金利が下がれば返済額が減る。
一番のメリットは、1つ目の貸し出し金利が低いということ。固定金利のデメリットでご紹介した通り、一般的に固定金利より低い金利で融資を受けることができます。
長らく続く超低金利時代にあっては、2つ目のメリットは感じにくいでしょう。
変動金利のデメリット
変動金利のメリットを見てきましたが、反対にデメリットもご紹介します。
・将来の返済額がわからない。
・低金利時に借りた場合、将来的に金利が上がると返済額が増えてしまう。
1つ目のデメリットは、確実な返済計画を立てたいという方にとっては大きな問題です。変動金利は、細かく金銭管理や運用ができる方向けと言えるでしょう。
2つ目については、現状低金利であることを考えると大きなデメリットに感じます。しかし、実際のところ、過去10年を見ても超低金利のまま推移しており、今後数年間は急上昇の可能性は低いと見られているため、実際そこまで大きなデメリットではありません。
まとめ
住宅金融支援機構が公表しているデータによると、全期間固定型を利用している人の割合が14.6%であるのに対し、変動金利型を利用している人が全体の6割に達しています。
(参考:住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査(第2回)」)
これは、超低金利時代が今後しばらく続くと判断し、貸し出し金利の低い変動金利を選択する人が多いためと考えられるでしょう。ただし、いつ金利が上昇するかわかりませんから、長期で借りるならば固定金利の方が安全という見方もあります。
このように、景気などの状況やライフスタイルに応じて、住宅ローンの最善な選択肢は変わってくるのです。皆さんもこの記事の内容を参考にして、自らのスタイルに合った住宅ローンを検討してはいかがでしょうか。