お客様インタビュー
2022.05.06
vol.80【リノベ|インタビュー】テーマは時短&家事ラク、機能とデザインを両立した2LDKにリノベーション
今回ご紹介するSさんファミリー邸はデザイン性と機能性を両立した住まい。見た目の美しさに劣らない家事動線や使いやすさを実現しました。物件探しからリノベーションでこだわった点について伺いました。
■リノベ費用:約1,300万円(購入当時:築18年)
■四人暮らし|85.74m2|3LDK→2LDK
目次
1.お家探しのきっかけ| 自分たちに合う家をつくるならリノベーション
物件購入の経緯を教えてください。
「以前まで住んでいた社宅には住める期間が決まっていて、それまでには家を探そうと思っていました。どうしようかと考えを巡らせている時にリノベーションを知り、その選択もアリだなと。それから調べ始めて、話を聞きに行ったのがリノベ不動産です」
新築はご覧にならなかったのですか?
「最初は見ていました。でも、内見を重ねていくうちに住む側の私たちが物件に合わせないといけないのかと気づいたんです。それなら自分達の暮らしに合わせる間取りにしたいと思って。それからリノベーション一択になりました」
リノベ不動産以外の会社も見ましたか?
「結構前に1社見に行きました。でもそこはワンストップでできなくて。そんな中、出会ったのがリノベ不動産。最初から物件をいろいろと提案してくれたので、そのまま自然とお任せする流れになりました」
物件探しの時点で「こんな暮らしがしたい!」など、理想のライフスタイルやイメージはありましたか?
「一番求めていたのは共働きなのでスムーズに家事ができて時短になること。その一つがファミリークローゼットです。できるだけ洗濯機から近くに配置したいと思っていました。LDKは私が料理中でもコミュニケーションがとれる対面式キッチンにして、リビングは広くしたいなと。テイストはPinterestやインスタを見て好みのイメージを固めていきました」
物件選びの優先順位を教えてください。
「駅近であることは絶対でした。転勤もなくはないので、リセールバリューを考えると駅近がいいなと。あとは広さ。でも、全体のバランスを見て決めようと思っていました」
その中でもこちらの物件は駅近、なのに周辺は落ち着いていてすごく良い立地ですよね。
「はい、見た当日に決めました。すぐに申込書を書きました」
こちらにした決め手は?
「駅近、80平米以上で1階であることです。築浅の物件は広くても70平米台だったし、この辺りでこの広さの物件はなかなかなかったので。子どもたちが遊び回るから1階を希望していて、願ったり叶ったりでした」
2.お家の中の、"好きな場所3つ"
家づくりで描いていたのはスムーズな家事動線とリビングの広さ。これからご紹介するお気に入り3つはご要望を反映した場所です。機能性はもちろん、ギャラリーのように美しいデザインは思わず見惚れてしまいます。どのようにして理想の形を叶えたのかを見ていきましょう。
BEST1【ダイニングキッチン】
「ここはかなりこだわりました。ダイニングテーブルをワークトップにつなげ、食洗機も取り入れたので、食事後の片付けがすぐにできてとってもラクです」
段差がおしゃれですね。
「本当は全部フラットにしてキッチンだけ下げたかったのですが、下にコンクリートがあるからこれ以上掘れないと。なので、キッチン全体の床を上げてキッチンだけ下がる形にしました。その結果、リビングとの段差ができました。子どものことを考えると段差を作ることは悩みましたが、だんだんデザインに愛着が湧いて今はとても気に入っています」
壁もこだわられていますね。
「グレーを基調にしているので木の要素を取り入れたいなと。天井下のブラウンの板は海外のお家のような雰囲気にしたくて取り入れました。最初に木を取り付けて塗装でこの色にしました」
BEST2【玄関】
「玄関は大きな荷物を置けるゆとりが欲しくて広げてもらいました。やっぱり玄関が広いといいですね。帰ってくるのがウキウキするというか。壁に作ったボックス収納はデザイナーさんの提案。毎日履く靴を置けるし、靴を置いた時もディスプレイみたいになって、おしゃれで気に入っています」
以前は玄関を上がるとすぐに廊下でしたが、リノベーションで寝室を狭めてホールを作りました。優雅な雰囲気に一役買っているのが照明とニッチ。シックな色合いを基調にした空間にダウンライトとシューズクロークの間接照明が柔らかに、ニッチがギャラリーのような格調高い雰囲気を演出しています。その雰囲気を壊さず空間にメリハリをつけているのがボックス型収納です。あえてずらして設置したことでこなれた印象を与えます。
BEST3【ワークスペース】
「ここはすごく悩みました。壁付けのほうが場所を取らないけど窓から庭の緑が見えるのを活かしたかったのと、子どもたちの動きを想像すると他の場所で何かしていてもここなら移動しやすいと思ってこの位置にしました。ガラス窓で仕切ったのでちゃんと勉強しているか見られるし、リビングから完全に遮断されていないのでつながりが保てるのがいいですね」
間取り
間取り左:Before | 右:After
間取りで大きく変えたのはLDK。リビングの隣になった和室をなくしてリビングを広げ、ワークスペースを設けました。個室だったキッチンを対面式にして、キッチンがあったスペースをWICに。ゆったり家族団欒できるLDKに生まれ変わりました。
次に変わったのは洗面コーナーです。以前は全面脱衣所だったのを脱衣所のみにして、廊下に洗面コーナーを設けました。
お気に入り3つ以外の場所も見ていきましょう。
3.お部屋ツアーその1|キッズスペース&WIC
「ここはほとんど変えていないです。窓と反対側のコーナーにあったクローゼットをなくして、元のキッチンに作ったWICクローゼットに行けるようにしました。ここをあまり変えなかったのは、将来に応じて変えられるようにしたかったから。今は子どもたちも自分の部屋が欲しいと言わないので、必要になった時に作れるようにあまりいじらないでおこうと思ったんです。
WICの第一条件はハンガー収納。洗濯物の乾燥が終わったらそのまますぐにしまえるようにハンガー収納にしたかったんです。たくさん掛けられるようにハンガーバーは二段にしました。WICは廊下からも入れるので、ウォークスルーでもあります」
お部屋ツアーその2|寝室
「玄関を広げたかったので寝室は狭めました。寝るだけなのでベッドが置ける広さで良かったし、ベッド周りのスペースが無駄と感じて。そのほうが掃除もラクだと思ったんです」
お部屋ツアーその3|洗面コーナー&脱衣所
「基本的にマンションは浴室の隣に洗面台があるじゃないですか。それだと、洗面室に行くまでにドアとかを触ってしまうから帰ってきてすぐに手洗いできるようにしたかったんです。なのでリビング手前の廊下に作りました。水栓もタッチレスです」
「脱衣所があまり広さをとれなかったというのもありますが、別個にしているほうがゆっくりメイクできるから切羽詰らなくていいです。脱衣所はそのまま収納できるようにチェストを置いて壁をくり抜いてタオル置き場を作りました」
お部屋ツアーその4|トイレ
「元はトイレのドアは廊下に面した開き戸だったんです。廊下側だと、廊下に誰かいたら当たってしまうことが多いので位置を変えて引き戸にしました。引き戸にしたのは子どものトイレトレーニングを考えてのもの。トイレトレーニングって開けっぱなしでやることが多くて。内装テーマはシンプル。掃除しやすいようにすっきりさせました」
4.収納で工夫したところ
Sさんファミリー邸の収納の特徴はデッドスペースになりがちな所を有効活用していることです。
(1)キッチン
冷蔵庫の隣にプチパントリーを作りました。キッチン全体の景観を損ねないように隠せるクローズタイプを選択。また、ゴミ箱を置けるスペースをキッチンカウンターの内側に設けています。
(2)WIC
上下にハンガーバーを設置してハンガー収納メインにしています。廊下側からは見えないようにドアを付けましたが、キッズスペースに続く入り口は風通しを良くするためにオープンにしています。
(3)玄関周り
玄関内はシックな雰囲気を乱さないクローズタイプのシューズクローゼット、玄関を上がったところにはランダムにボックス収納を取り付けてディスプレイ感覚で置けるようにしました。
(4)脱衣所
浴室前の壁をくり抜いてタオル置き場を作りました。脱衣所の引き戸を閉めると現れる斬新なアイデアです。
5.コスト・スケジュールの決め方
コストを抑えるためにされた工夫を教えてください。
「コスト面で意識したのは、既存の状態をなるべく残すこと。壁を壊すとお金がかかると聞いたからです。部材は一個ずつメーカーから見積もりを取り寄せて比較検討しました。本当はハイドアにしたかったけど、高くなると聞いたので少し低い既製品にしました。差額が小さくても抑えられるところを抑えていった感じです」
スケジュールまではいかがでしたか?
「着工日までに全て決めたものの、後からやっぱり気になるところが出てきました。スケジュールの範囲内でなんとかできそうなところはお願いしましたが、最終チェックで気になったところがあって。引き渡しが伸びても直して欲しかったのでやり直してもらうことにしました」
6.内装・インテリアのアイディア
内装・インテリアのコツや参考にしたものを教えてください。
Googleの画像検索でひたすら好みの画像を探しましたね。ガチャガチャした感じが苦手なので色は多用せずに絞りました。壁をグレーにするのは結構勇気が必要だったけど、デザイナーさんにアドバイスをいただきながら暗くなりすぎないグレーを選べたので良かったです」
7.家づくりを振り返っての反省点
「壁のつなぎ目の色に合う建材がなかなかなくて。つなぎ目をどこに持ってくるのかも結構悩みました。考えたつもりだけど、もう少し場所をずらせばよかったかなと思うところはありますね。洗面コーナーの壁に張ったパネルも、ちょうど中心に線があって。そこまで考えが及びませんでした。でも気になるところはそれくらいで、今の状態で満足しています。とはいえ、先々にライフスタイルが変わるとまた変えたいところが出てくるかと思うんですけど、その時々に変えればいいかなと思っています」
まとめ
今回のポイントを見ていきましょう。
1、全体のバランス感を見て物件探し
物件探しでは広さや1階であることを条件にしていましたが、転勤する可能性も見据えて立地も重視。とはいえ、全体のバランスを見ながら候補を見ていきました。物件探しはついつい条件が多くなってしまいますが、何かに特化しすぎると視野も狭まってしまうので全体感を見て探すと候補の幅も広がります。
2、大きく変えるところを絞る
今回の事例で一番間取りを変えたのはLDK。他も部分的に変えてはいますが、今すぐ変える必要がないキッズスペースはそのままにしています。壁をなくすことはコストアップにもつながるため、変えたい場所を絞って間取りを考えるとコストバランスを保てますよ。
3、機能性抜群のダイニングキッチン
時短&ラクを叶えるスタイルとして昨今じわじわと人気を集めているのがダイニングテーブル+キッチンカウンター。見た目もすっきりとしておしゃれに見えるスタイリッシュなデザインです。全体の雰囲気を崩さないようにパントリーはクローズタイプにしました。
4、ギャラリーのような玄関
リノベーションで玄関を自分仕様に変える方が増えています。今回の事例では大きな荷物も置けるように玄関を広げて、ニッチを作り格調高い雰囲気を演出。寝室を狭めてゆったりしたホールを作り、ギャラリーのような玄関に仕上げました。
5、窓で仕切って庭も楽しめるワークスペース
リビング内のワークスペースも近年リノベーションで人気のスタイル。庭の緑も楽しめるようにガラス窓で仕切ったことで、空間とのつながりを保てています。黒のフレームによって見た目にもスタイリッシュになりました。
6、清潔をキープする洗面コーナー
帰宅してすぐに手洗いできるように洗面台をリビング前の廊下に設置。動線上にあればストレスなくすぐに使えることに加え、見た目もおしゃれ。こなれた雰囲気も演出できます。
7、デッドスペースを活かした収納
収納はデッドスペースになりがちな所やちょっとしたスペースを活かしました。脱衣所のタオルスペースは壁をくり抜いて作り、WICはハンガー収納ができるようにハンガーバーを付けたことで上下にハンガー収納ができます。思わぬ場所や無駄を有効活用して便利な収納となっています。
以上の7つのポイントで、デザイン性と機能性を両立した住まいとなりました。どれも取り入れたいアイデアばかりでしたね。これからリノベーションをしたい方はぜひ参考にしてみてください。