リノベのハウツー
2021.12.21
スケルトンリノベーション(リフォーム)とは?費用や失敗しないための業者選び、施工の流れを解説
「スケルトンリノベーション(リフォーム)ってなに?」
「スケルトンリノベーションにはどれくらいの費用・工期がかかるの?」
このような疑問お持ちの方もおられるのではないでしょうか。新築の戸建てやマンションを購入するよりも費用を抑え、理想の住まいを手に入れられるスケルトンリノベーション。
今回は、スケルトンリノベーションの、
・メリットデメリット
・向いているケース、向いていないケース
・費用相場
・業者選び
について解説します。
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目次
スケルトンリノベーション(リフォーム)とは?
画像|【リノベ|インタビュー】無駄を排除したインダストリアルスタイル、撮影スタジオ兼住まい
スケルトンリノベーションとは、戸建てやマンションといった住宅の内装(床・壁・天井)や設備、水回りや配管全てを解体して骨組み状態にし、間取りや配管の配置から全てを作り直すリノベーションのことです。骨組み(スケルトン)だけ残すため、スケルトンリノベーションと呼ばれています。
通常のリフォームでは水回りの移動は難しく、間取りを自由に変えることはできないことも多いですが、基本的にスケルトンリノベーションでは自由な間取りで理想の住まいを手に入れられます。
戸建ての場合は建物の基盤である「基礎・梁・柱」を残し、マンションの場合はコンクリートの部分まで解体し、間取りや水回りの移動を行います。
スケルトンリノベーション(リフォーム)と、フルリノベーションの違い
画像|【リノベ|インタビュー】無駄を排除したインダストリアルスタイル、撮影スタジオ兼住まい
スケルトンリノベーションとフルリノベーションという言葉の違いは、工事内容が明確かどうかです。スケルトンリノベーションは住宅を骨組みだけにしてから行うリノベーションです。一方、フルリノベーションはスケルトンにしない場合でも全部屋に内装工事など何かしらの施工を施すとフルリノベーションと言われることもあります。
つまり、フルリノベーションのほうが意味が広く、スケルトンリノベーションもフルリノベーションに含まれるということになります。
ちなみにフルリノベーションはフルリフォーム、スケルトンリノベーションはスケルトンリフォームと呼ばれることもあります。
スケルトンリノベーション(リフォーム)を行うメリット・デメリット
次にスケルトンリノベーションを行うメリットデメリットを紹介します。
スケルトンリノベーション(リフォーム)を行うメリット
スケルトンリノベーションを行う主なメリットは以下の通りです。
・買い替えよりも費用を抑えて理想の家を手に入れられる
・建物の面積や外観を保ったまま家の間取りやデザインを一新できる
・耐震補強や断熱対策、古くなった配線・配管の交換ができる
買い替えよりも費用を抑えて理想の家を手に入れられる
住宅全体をスケルトンリノベーションした場合は、見た目も間取りも新築同様になり、理想の住まいを手に入れられますが、新築購入や建て替えに比べると費用をおさえられるというメリットがあります。
もちろん設備を増やしたり、建物自体が老朽化していて、躯体や基礎、梁や柱が老朽化している場合は費用が高くなる可能性もありますが、基本的には費用をおさえられます。
建物の面積や外観を保ったまま家の間取りやデザインを一新できる
スケルトンリノベーションでは、建物の面積や外観を保ちつつ、内装や間取りは現代のライフスタイルを取り入れた最新のデザインに一新できます。
古い戸建て住宅は現在の建築基準法に合わない建て方をしている場合があります。この場合、建て替えを行うことはできません。ですがスケルトンリノベーションであれば、基礎を残したまま外装・内装を一新できるため、建て替えのできない古い住宅の工事も可能です。
耐震補強や断熱対策、古くなった配線・配管の交換ができる
スケルトンリノベーションでは、住宅の耐震補強や断熱対策、配線や配管を新しいものに交換できます。
例えば、以下のようなケースに役立ちます。
・窓を閉めても寒い風が入ってくる住宅や、底冷えのするマンションに壁・床下・天井のありとあらゆる空間に断熱材を入れる
・基礎にコンクリートを打つ、あるいは柱を補強し耐震補強を行う
このように今ある家の補強をしたり、より性能をあげることができるのもスケルトンリノベーションのメリットです。
スケルトンリノベーション(リフォーム)を行うデメリット
スケルトンリノベーションのデメリットは以下の通りです。
・住みながらの工事が難しく、仮住まいや一時的な引っ越しが発生する
・騒音が発生するため近隣への対応が必要になる
・戸建てやマンションの構造によっては自由に間取りを変更できない場合がある
住みながらの工事が難しく、仮住まいや一時的な引っ越しが発生する
スケルトンリノベーションは一度骨組みだけにしてから工事を行うため、住みながらの工事ができません。仮住まいを契約し、一時的に引っ越ししなければなりません。
騒音が発生するため近隣への対応が必要になる
スケルトンリノベーション内装を取り壊すなど大掛かりな工事になるため、騒音トラブルがつきものです。工事を行う1ヶ月、1週間前からご近所に挨拶しておく必要があります。
戸建てやマンションの構造によっては自由に間取りを変更できない場合がある
戸建てやマンションの構造によっては、間取りを要望通りに変更できない場合があります。マンションを例に挙げると「壁式構造」は壁で建物を支えており、一部の壁を取り壊すと倒壊する恐れがあります。
このように構造によっては自由に間取りを変更できず、スケルトンリノベーションに向いていない物件もあります。
スケルトンリノベーション(リフォーム)すべきか迷ったら
画像|【リノベ|インタビュー】空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
スケルトンリノベーション「魅力的だけど実際にやるとなると悩んでしまう」という方のために、以下を解説します
・スケルトンリノベーション(リフォーム)で価値を実感できる人
・スケルトンリノベーション(リフォーム)に向いているケース・向いていないケース
・スケルトンリノベーション(リフォーム)時に注意すべき物件
スケルトンリノベーションで価値を実感できる人
スケルトンにすべきか、部分リノベーションでも良いのか迷った時は、スケルトンリノベーションで得られる価値について考えてみるのも一つです。
・ライフスタイルに合った、自分のための家で過ごしたい人
・立地を優先して物件状態は問わない、住まいをゼロから作れる人
・長年住んできた大切な家の形はそのまま残し、ライフスタイルの変化に合わせて間取りや部屋の雰囲気を変えたい人
・画一的なマンションの間取りに違和感を感じる人
スケルトンリノベーションは自分好みの住宅、ライフスタイルに合わせた家づくりができるもの。おうち時間が長くなっている今だからこそ、「家にいる時間を大切にしたい」という方は価値を実感できるでしょう。
スケルトンリノベーション(リフォーム)に向いているケース・向いていないケース
スケルトンリノベーションをするにあたっては、建築条件や基礎、柱などの老朽により間取りの変更や工事に制限があるなど、向き不向きがあります。具体的なポイントを見ていきましょう。
<スケルトンリノベーション(リフォーム)に向いているケース>
ー戸建て
・2階建ての住宅の2階を撤去して平屋にしたい
・戸建ての一階部分の使い勝手を良くしたい
・再建築不可の物件で、建立て替えることができない
ーマンション
・ラーメン構造で、間取り変更の制限が少ない物件
・子供が独立したため、暮らしに合わせて間取りを全て変更したい
・長く住む予定がある、もしくは転売の可能性があるが、老朽化が進んでおり配管から全てを新しくする必要がある
2階部分を撤去して平屋にする。子供部屋とリビングをくっつける。ライフスタイルにあわせて配管や配線の配置を変更する。このように工事に制限のない住宅であればスケルトンリノベーションで理想の住まいを手に入れられます。
スケルトンリノベーション(リフォーム)時に注意すべき物件
スケルトンリノベーション時に注意すべき物件は以下の通りです。
ー戸建て
・基礎や柱部分がボロボロの物件
・2×4工法で間取り変更に制限がある
ーマンション
・壁式構造のマンションで間取り変更に制限がある
工事する上で制限がある住宅は間取りを自由に変更できないため、制限がかかる可能性があります。このような住宅はスケルトンリノベーションする際には注意が必要です。
スケルトンリノベーション(リフォーム)の事例で見る費用相場
ここまでスケルトンリノベーションについてを紹介してきましたが、実際にスケルトンリノベーションを行った施工事例をご紹介します。
1,200万円の事例:都心でもゆったりした家を実現
【リノベ|インタビュー】一人暮らし。中古だから叶った都心×角部屋×55m2。緑と光のある暮らし
都心でもゆったりとした家にしたい。そう考えて55m2の広さの部屋をリノベーションした事例です。
中古物件に幅を広げたことで、駅近という好立地の理想の住まいに出会えたと言います。
1,200万円の事例:家族のつながりを感じる開放感を実現
【リノベ|インタビュー】インナーバルコニーで過ごす至福の時。家族がつながる大空間リビング
各所にデザインを散りばめ、開放感をテーマに広々とした空間を演出した事例です。
家族みんなのつながりを感じたい、ということで壁とドアを極力設けない設計にしています。
960万円の事例:日本の物件と感じさせない海外風住宅
【リノベ|インタビュー】広さにとことんこだわって。外国のようなリビングと、光がたっぷり入るインナーテラス。
海外ならではの特徴やアイデアを散りばめたリノベーション事例です。デザインだけではなく、夫婦で自由に使えるスペースや収納の設計にもこだわっています。
スケルトンリノベーション(リフォーム)業者の選び方
スケルトンリノベーションは工事範囲も広いため、業者選びも慎重にいきたいところ。ここでは、業者選びで失敗しないための選び方について解説します。
スケルトンリノベーション(リフォーム)を失敗したくないならリノベーションに精通した業者を選ぶ
業者選びで失敗したくないならリノベーションに精通した業者を選ぶことが成功の道となります。
リフォームが得意な会社、リノベーションが得意な会社があります。スケルトンリノベーションを行う場合、大掛かりな工事が多いため、スポットごとに工事するリフォーム会社よりも家全体の工事を行うリノベーション会社の方が安心です。
また、リノベーション実績から過去の事例や経験をもとに提案してくれるため、理想を実現しやすい仕組みがあります。
スケルトンリノベーション(リフォーム)工事の予算オーバーが気になるなら定額制のある会社
予算オーバーが気になるなら、定額制のある会社を選ぶのも一つです。定額制とはm2あたりで費用が設定されているものです。物件の広さで費用が決まるため、大幅な予算オーバーはありません。ただし、ここで割り出される費用に物件費用は入っていませんので注意が必要です。
物件選びから施工まで予算内で収めたいならワンストップ型のリノベーション会社を選ぶ
物件購入から施工まで予算内で収めたいならワンストップ型のリノベーション会社を選びましょう。
ワンストップ型とは、物件探しからリノベーションの方向性の相談、設計や施工まで一貫している会社のことです。
ワンストップ型であれば、予算の中で物件費用とリノベーション費用をうまく分配してくれるため、予算をコントロールしやすい特徴があります。
また、理想の家を叶えるための、リノベーションのしやすい物件探しも行ってもらえます。リノベーションできる物件(老朽化や構造上リノベーションできない物件ではないか)かどうかを確認してもらえるので、物件選びでも安心して任せることができます。
スケルトンリノベーション(リフォーム)の流れ
物件探しから、スケルトンリノベーションまでの流れについて解説します。
1. 初回ヒアリング
2. 契約
3. ヒアリングを元に物件探し
4. 物件を購入し引き渡しを受ける
5. ローンの事前審査を受ける
6. ローンを借り入れる
7. リノベーションプランを立てる
8. 見積金額を確認する
9. 解体工事を開始する
10. リノベーション工事を開始する
11 工事中の中間確認
12. 最終確認
13. 引き渡し
工事期間は戸建てやマンションの状況にもよりもますが、大体3〜4ヶ月程度かかります。
ワンストップ型を利用しない場合、物件購入は自分で行わなければなりません。この点に関して不安がある場合はワンストップ型のリノベーション会社に依頼しましょう。
また、現在住んでいる自宅をスケルトンリノベーションをする場合は、仮住まいも必要になりますので、その際の引越や家賃なども計画に入れる必要があります。
参考記事:リノベーションの進め方と基本スケジュール
まとめ
新築購入や建て替えよりもリーズナブルに理想の家を手に入れられるスケルトンリノベーション。
インダストリアルやシンプルモダン、北欧風といったテーマ性のあるおしゃれな家だったり、テレワークや趣味に合わせた家、家族の繋がりを感じられる開放的な家を手に入れたい。
そういったライフスタイルを大切にしたいという方は、スケルトンリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。スケルトンリノベーションを行うには専門知識や多くの経験が必要ですし、知識のないまま進めると理想の家を手に入れることができず、後悔してしまう場合もあります。
そうならないためにも、一度スケルトンリノベーションに精通した会社に相談してみてみましょう。