リノベのハウツー
2020.05.16
リフォームとリノベーションの違いとは?メリット・デメリットもご紹介
巷では「リフォーム」と「リノベーション」という語が同じような意味で使われている場面もよく見られます。「違う語なのだから、何かしらの違いがあるはず」とも考えられますが、具体的にこの2つの違いを答えられる人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、リフォームとリノベーションの違い、それぞれの特徴、行う上での留意点を解説していきます。
リフォーム・リノベーションの定義
リフォームとリノベーションは同じような意味で使われている場面がよく見られます。しかし、それぞれの語の意味をきちんと定義付けている機関もあります。
日本の主なリノベーション関連企業が参加している、一般社団法人リノベーション協議会の定義によれば、「リノベーションとは、中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと」とされています。つまり、建物全体の改修を指しているといえます。
これに対してリフォームは、「原状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処」と定義されています。
一般社団法人リノベーション協議会という組織には、多くのリノベーション業者が参加しています。そのため、多くの業者の理解も「リノベーション=大規模改修」「リフォーム=部分改修」となっていると考えられます。
引用:リノベーションとは?
リフォーム、リノベーションの具体例
リフォームは部分的な修復で、元に戻す意味合いであるのに対して、リノベーションは建物の全体にわたる改修です。とはいっても、具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。そこで、リフォーム、リノベーションそれぞれの具体例を紹介します。
リフォームの具体例
リフォームというのは部分的な対処、もしくは原状回復です。例としては、経年劣化で傷んだ壁紙を張り替えたり、床の張り替えなどが挙げられます。畳からフローリングに変える場合も、建物自体に何か手を加えるわけではないのでリフォームの範疇に属していると考えられます。
また、台所の改修の場合でも、システムキッチンの交換程度であればリフォームの範疇です。壁付けキッチンからアイランドキッチンに変更するなど、台所の構造が大きく変わる場合はリノベーション扱いとなります。
リノベーションの具体例
これに対し、リノベーションは全体にわたる改修です。その中でも代表的なのが、間取りの変更です。間取りは部屋と部屋とを分ける、建物の基本構造です。そこを変えるとなると、部分的な原状回復目的の補修の範囲を超えるものとなります。
また、台所の改修の場合でも、配管をいじるレベルとなるとリフォームの範囲におさまりません。新たな部屋を作り出す行為と考えられ、リノベーションに該当します。
また、間取りを変える際、そこに家主のコンセプトが表れているのもリノベーションの特徴です。たとえば、家族向けに細かく仕切られた部屋を思い切り広く作り変える場合、広々とした空間を重視するという家主のコンセプトが部屋から見て取れます。このように、建物に対して施工主の主観が反映されている点もリノベーションの特徴といえます。
リフォーム、リノベーションのメリット・デメリット
リフォーム・リノベーションにはそれぞれメリット・デメリットがあります。どんなメリット・デメリットが考えられるのか、見ていきましょう。
リフォームのメリット・デメリット
リフォームのメリットは手軽にでき、作業時間が短いことが挙げられます。一方でデメリットとしては、部分的な補修にすぎないため、良くも悪くも前の暮らしと同じになってしまうことが考えられます。
リノベーションのメリット・デメリット
リノベーションのメリットは何といっても、建物を抜本的に刷新できる点です。それでいて、新築建て替えに比べると費用も工事期間も少なくて済みます。
しかし、リフォームに比べると費用と工事期間がかかることはデメリットとして挙げられるでしょう。
まとめ
似ているようで異なるリフォームとリノベーション。目的によって、どちらを行えばいいかは変わってきます。それぞれの違いを理解し、ご自身の目的を果たせる方法を選ぶことをおすすめします。