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リノベのハウツー

2022.05.20

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは



新築マンション価格の高騰が続く中、リーズナブルに理想の住まいを手に入れられる中古マンションリノベーションの人気が高まっています。今回は中古マンションのリノベーションで後悔しないために、メリット・デメリットからリノベーション向き物件選びのポイントまで徹底解説。おしゃれなおすすめ事例も紹介しますので、これからリノベーションを検討する方は参考にしてください。

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1. 中古マンションリノベーションがおすすめな理由とは

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

中古マンションリノベーションは、なぜ最近人気なのでしょうか。多くの人におすすめな理由としては次の3点が挙げられます。

・新築よりも物件を安く購入できる
・物件の選択肢が広く、立地のいい物件も多い
・ライフスタイルに合わせて理想の住まいを実現できる

新築マンションを購入したり、築浅の中古マンションを購入したりという従来の選択肢に加え、新たな時代の住まいの形として中古マンションを購入してリノベーションを選ぶ人が増えているのです。

2. 中古マンションリノベーションのメリット

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

現代の暮らし方にマッチしている中古マンションリノベーションですが、数あるメリットについて詳しく見ていきましょう。


新築よりもリーズナブルに理想の住まいを実現できる

中古マンションリノベーション1つ目のメリットは、新築よりもリーズナブルに物件を購入できること。首都圏における2021年9月時点の新築マンション・中古マンションそれぞれの物件価格をまとめると次のようになっています。
 

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

(出典:不動産経済研究所「首都圏 新築マンション市場動向 2021年9月」

どちらも近年の住宅人気の高まりで価格は上昇傾向ですが、明らかに中古マンションのほうがリーズナブルに取得できることがわかります。

物件の選択肢が豊富

都心部や駅近くの好立地はすでに多くの建物が建ち並んでおり、新築物件を建てるような土地が残されていません。好立地な物件を探すとなれば、中古マンションのほうが選択肢が豊富と言えるでしょう。
また、中古マンションも選択肢の幅が広く、購入してそのまま住む場合は、築浅の物件かリフォーム済の物件を選ぶ傾向が強くなってきます。それに対し、リノベーションする前提であれば内装や設備が多少古くなっていても状況に応じて設備ごと交換できるため、さらに選択肢が広がるのです。

資産価値が安定している

下の表は、首都圏で2020年に成約した中古マンションのm2あたり価格をまとめたものです。築25年あたりで下げ止まり、築30年を超えると上昇に転じていることがわかります。つまり、中古マンションは将来的にも資産価値が安定しているということ。リノベーションして付加価値をつければ、資産価値をさらに高く保てるかもしれません。

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

(出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」

自由度高く住まいをデザインできる

新築マンションは、内装や間取りがすでに決まっているものの中から選ぶのが基本です。最新設備や綺麗な内装が魅力ですが、自分好みにカスタマイズできる幅は広くありません。一方、中古マンションをリノベーションすれば、設備や間取りを希望に沿った形で見直せます。自由度高く、ライフスタイルに合った住まいをデザインできるのは大きなメリットです。

3. 中古マンションリノベーションのデメリット

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

多くのメリットがある中古マンションリノベーションですが、当然のことながらデメリットも存在します。事前にチェックしておきたいデメリットも4つ見ていきましょう。

見えない設備が老朽化していることもある

築古の中古マンションは、表層だけでは判断できない水回りの配管や床下・天井裏などが老朽化している可能性があります。内装や設備をリノベーションするだけと思っていたら、思わぬ出費が加わって予算オーバーといった事態にならないよう、購入前に見えない部分もしっかりチェックしておきましょう。

耐震性に不安がある物件も

地震大国・日本で安心して暮らすためには建物の耐震性が重要です。建物の耐震性を定める基準として耐震基準があり、昭和56(1981)年6月から内容が見直されています。一般的に、1981年5月以前に建築確認を受けた建物に適用される基準を「旧耐震基準」、6月以降に建築確認を受けた建物に適用される基準を「新耐震基準」と呼びます。

旧耐震基準では震度5強程度の揺れに耐えられることが求められていたのに対し、新耐震基準では震度6以上の揺れにも耐えられる構造でなければなりません。中古マンションを選ぶ際には、新耐震基準は一つの判断基準になります。判断材料としては、旧耐震物件でも補強対応済の物件があることや、新耐震物件は築年数も浅い分、コストへの影響がある点も覚えておくと良いでしょう。

リノベだけではローン金利が高めになりがち。物件購入とローンを一本化

リノベーションの際に使えるローンは「リフォームローン」と呼ばれ、通常の住宅ローンに比べて担保の関係で金利が高めに設定されています。金利による支出を少しでも抑えるためには、中古マンションの購入費用とリノベーション費用を合わせて、1本の住宅ローン「リノベーション一体型ローン」を組むという方法がおすすめです。

参考記事:リノベーションのローンってどうすれば良い?賢いローンの組み方

中古物件購入とリノベーションを別会社で行う場合のタイムラグ

リノベーションの工事は中古マンションを購入してから行います。リノベーションしなければ物件購入後すぐに住み始めることができますが、中古マンションリノベーションでは工事が完了してからでないと住めない点もデメリットになり得ます。

マンション購入とリノベーションを別会社で契約すると、マンション購入時点でローンが発生するため、工事期間中は現住居と新住居、どちらの費用も負担しなければなりません。
一方、ワンストップ(中古マンション購入とリノベーションを一社で行う)で、リノベーション一体型ローンで、ローン開始のタイミングを調整できる場合、二重で支払う心配も不要になるということをあわせて覚えておきましょう。

4. 中古マンションリノベーションの注意点

中古マンションリノベーションのメリットとして「自由度高く住まいをデザインできること」を挙げましたが、希望すること全てを無条件に叶えられるわけではありません。続いては、中古マンションリノベーションにおける注意点について解説します。

マンションの共用部はリノベーションできない

中古マンションを購入してリノベーションできるのは、玄関より内側の専有部のみです。マンションの出入口、ゴミ置き場、駐車場や駐輪場、メールボックス、エレベーターといった共用部はリノベーションできません。購入前の内覧では、こうした「リノベーションでは変えられない部分」に問題がないかを確認しておきたいところです。

管理規約は必ず確認を

分譲マンションでは、区分所有法に基づいて管理規約を定めなくてはなりません。管理規約とは区分所有者(各戸の住民)が守るべき共通のルールであり、室内で行う工事についてもルールが定められている場合があります。リノベーション工事にあたっては、通常事前に管理組合へ申請する必要があり、管理規約に違反していないかどうかもチェックされるのです。

管理規約の内容によっては希望しているリノベーションができない可能性もあるので、必ず管理規約には目を通しておきましょう。

建物構造と配管には要注意

建物構造もリノベーションでは変更できない部分です。マンションの建物構造には、大きく分けて「ラーメン構造」と「壁式構造」という2つのタイプがあります。それぞれの特徴は次の通りです。

・ラーメン構造
 柱と梁で建物を支える構造。壁を取り払いやすいが、柱や梁が前面に出てきていることが多い。

・壁式構造
 壁で建物を支える構造。取り払えない壁が多いものの、部屋内に柱や梁が出てこないのでスッキリとした部屋になる。

間取り変更を伴うリノベーションを希望する場合、ラーメン構造のマンションが適しているとされます。団地などでよく見られる壁式構造は間取り変更に制約がありますが、柱や梁のない成形のスッキリとした部屋になるという点はメリットです。希望するリノベーションの内容によって、どちらの建物構造がマッチするのか検討するといいでしょう。

建物構造としてもう1つ確認しておきたいのが配管経路。多くのマンションでは、水回りの配管がパイプスペース(PS)に集約されています。排水管は水を流すために、パイプスペースに向かって一定の傾斜をつけた配管を通さなければなりません。パイプスペースの位置は変更できないので、水回りの位置も変更できない可能性があるのです。

5. リノベーション向き中古マンション物件を選ぶ際のポイント

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

ここまで中古マンションリノベーションのメリット・デメリットや注意点を解説してきましたが、リノベーションの成否を大きく左右するのが最初の物件選びです。次に、リノベーションに向いている中古マンション物件を選ぶ際のポイントを解説していきます。

築20年以上の物件は資産価値が安定する

一般的に築年数が経過すればするほど物件価格は低下していきますが、先ほど紹介したとおり、築20〜25年程度で下げ止まる傾向にあります。これは、築20年以上の物件を購入してリノベーションすれば、将来的な価値が下がりにくいということ。反対に築浅の物件を購入してリノベーションすると、住んでいるうちに価値がどんどん低下する可能性があるのです。

エリアの人気度や周辺環境などによって状況は異なるため、一概には言えませんが、築20年以上の物件というのは一つの指標になります。

耐震基準への理解

これも繰り返しになりますが、耐震基準には1981年6月以降に建築確認を受けた建物に適用される「新耐震基準」と、それ以前の建物に適用される「旧耐震基準」があります。旧耐震の物件の中にも耐震補強済や堅朗な造りの躯体のものと、耐震補強未対応のものが混在しているのが現状です。新耐震の物件である以上安心感もありますが、コストも比例します。旧耐震でも新耐震の基準を満たしているものであればコストも抑えつつ安心も得られるというわけです。

狙うはリフォーム前の物件

築年数が古い物件だと「リフォーム済」とうたっている物件が見られます。こうしたリフォーム済物件の価格には、不動産会社によるリフォーム費用が上乗せされている場合がほとんど。つまり、同じ築年数であればリフォームしていない物件の方が割安と考えられるのです。

リノベーションするにあたって現在の部屋の状況はあまり関係ありませんので、できれば価格の安いリフォーム前の中古マンションを狙いましょう。

意外と見落としがちな共用部の管理状況

中古マンションを選ぶ上で見落としがちなのが、共用部の管理状況がどうかという視点。共用部はリノベーションで変えられないので、綺麗に保たれていることを確認することが大切です。加えて、共用部の管理が行き届いている物件は住民の管理意識が高いと考えられます。物件が古くなればなるほど管理の重要度が増しますから、管理状況は忘れずにチェックしたいところです。

建物構造は目指す住まい像で選ぶ

マンションの建物構造は、大きく分けて「ラーメン構造」「壁式構造」の2つがあるとお話しました。壁が取り除きやすいラーメン構造のほうがリノベーション向きと言われることも多いですが、実際には目指す住まい像によって活用方法を選んだほうがいい場合もあります。

ラーメン構造は、壁を取り払って開放的な間取りに変更したい方におすすめ。対する壁式構造は柱や梁が部屋内に出てこないため、家具を自由にレイアウトしたいという方におすすめです。

6. 中古マンションリノベーションの流れ

中古マンションリノベーションは、リノベーションについてプロに相談してから住める状態になるまで3~6ヶ月程度かかるのが平均的。物件選びに時間を要すれば、その分期間も長くなります。中古マンションリノベーションの大まかな流れは次の通りです。

 1. 物件を探す
 2. 物件を購入し引き渡しを受ける
 3. ローンの事前審査を受ける
 4. ローンを借り入れる
 5. リノベーションプランを立てる
 6. 見積金額を確認する
 7. 解体工事を開始する
 8. リノベーション工事を開始する
 9. 工事中の中間確認
 10. 最終確認
 11. 引き渡し

7. 中古マンションリノベーションの費用について知る

ここまでで、中古マンションリノベーションにチャレンジしたくなったという方もいることでしょう。次に、気になる費用についても見ていきます。

リノベーションにかかる費用は3種類

リノベーション費用と一口に言っても、性質によって3種類に分けることができます。

1. 中古マンションの購入費用
中古マンションリノベーションにかかる費用の中で、もっとも大きいのが物件の購入費用。物件価格だけでなく、仲介手数料・登録免許税・不動産取得税・固定資産税といった諸費用もかかってくる点は要注意です。

参考記事:リノベーションにかかる費用の相場と内訳を紹介

2. リノベーション工事費用
リノベーションの設計・施工にかかる費用は、間取り変更や水回りの全面改修といった大規模な改修になると高くなりがちです。今しかできない工事と将来でも可能な工事に分けて施工箇所を限定したり、使用する素材を見直したりすることでコストを調整できる場合もあります。

3. 引越しや建物の維持にかかる費用
リノベーションが完成した後も、住まいに関する費用はかかります。例えば、荷物が多いファミリーでは引越し費用もそれなりにかかるでしょう。生活し始めてからもマンションの管理費・修繕積立金、固定資産税など、定期的な支出があることを忘れてはいけません。

知っておきたいローンのこと

リノベーションで使える「リフォームローン」は、住宅ローンと異なり無担保で借りられる場合が多く、借入可能額は少ないものの借りやすいというメリットがあります。ただし、無担保である分金利が比較的高く、借入期間も短めなのが一般的です。通常のリノベーションでは、中古物件を不動産会社から購入するにあたって住宅ローンを組成。それとは別にリノベーションローンを組むという二重ローンになるため、どうしても月々の負担が重くなりがちです。

リノベーションによるローンの負担を軽くしたい方におすすめなのが、中古物件+リノベーション一社完結型の「ワンストップリノベーション」。住宅購入とリノベーションを一括で行うため、ローンも一本化できます。

参考記事:リノベーションの費用相場&ローン節約の方法って?

8. 中古マンション×リノベーション おすすめ事例と費用

最後に、中古マンションリノベーションの事例を3つ紹介していきます。費用別になっていますので、コストと内容のバランスに注目しながらチェックしてみてください。

フルリノベ(スケルトン)の事例/費用:約1,230万円

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

躯体を除く全てを一旦解体した上で、一から空間を仕上げていくフルリノベーション。費用はかかりますが、理想の住まい作りにとことんこだわりたいという方におすすめです。

こちらの部屋は「広いリビングと、土間とWICを造ること」を条件として、もともと3LDKだった間取りを1LDK+土間+WICに変更。細部に至るまでデザインや素材にとことんこだわった、大満足のリノベーションを実現しました。

事例:vol.68【リノベ|インタビュー】空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」

フルリノベーション(既存壁残し)の事例/費用:約960万円

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

こちらの部屋もフルリノベーションですが、LDKや玄関周辺の壁を除き、元の間取りを生かしているのが特徴。元の間取りと叶えたいスタイルが一致すれば間取り変更の必要はないわけです。水回りの位置もほとんど変更していませんが、レイアウトを変えることで快適性がアップしています。間取り変更にかかる費用を浮かせることで、こだわりたいポイントにとことんフォーカスするのも一つのアイデアです。

事例:vol.62【リノベ|インタビュー】広さにとことんこだわって。外国のようなリビングと、光がたっぷり入るインナーテラス。

プチリノベの事例/費用:約500万円

中古マンションのリノベーション大全!後悔しないために知っておきたいポイントや注意点とは

リフォーム済の中古マンションはリノベーション向きではないと言われますが、あえてリフォーム済物件を選ぶことでリノベーション費用を抑えるという方法もあります。

こちらの事例ではリフォーム済物件の内装を大幅に変更。リビングダイニングは壁・床・照明を変更し、テレビボードとダイニングテーブルを設置しました。リフォーム済物件では最低限の設備が改修されている分、リーズナブルにこだわりを実現できるのです。

事例:vol.61【リノベ|インタビュー】こんなに変わる!?リノベ済物件のすごいプチリノベBefore/After

まとめ

新築マンションや築浅の中古マンションにも魅力はありますが、ライフスタイルに合った理想の住まいを実現する方法として、中古マンションリノベーションは選択肢として有力です。リノベーションを検討するにあたっては正しい知識を身につけるとともに、プロのリノベーション会社に相談してみるといいでしょう。ワンストップリノベーションを手がける会社であれば、不動産についてもリノベーションについても知識があるので、手軽さの面でもオススメです。
 

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