お客様インタビュー
2021.12.21
vol.77【リノベ|インタビュー】キーワードは「抜け感」「フレキシブル」、将来性とゆとりを兼ね備えた贅沢1LDK
今回ご紹介する Jさんファミリー邸は「抜け感」と「フレキシブル」を重点にリノベーションしました。将来の間取り計画が悩ましい小さなお子様がいるご家庭や、模様替えを楽しみたい方に参考になるリノベーションです。物件探しからこだわった点について見ていきましょう。
■リノベ費用:約1,400万円(購入当時:築34年)
■3人暮らし|71.01m2|2LDK→1LDK
目次
1.お家探しのきっかけ| 物件選びの基準は理想のLDKができるかどうか
家を買おうと思ったきっかけは何でしたか。
「妻の妊娠です。子どもが生まれたら前の賃貸では手狭だなと。契約更新の前に引っ越したいと思い、物件を探し始めました」
最初からリノベーションでご検討していましたか?
「そうですね。仕事でインテリアのデザインをしているので、せっかくならリノベーションしようかなと」
リノベ不動産はどういった経緯で見つけたのですか?
「WEBの広告で見つけたので話を聞きに行きました。どこに行こうかとか、この会社でやりたいっていうのは特になくて、フラットな気持ちで最初に行ったのがリノベ不動産。僕自身も設計したくて、伴走できる会社を求めていたんですけど、リノベ不動産はそれができると聞いたのでここにしようと。あと、デザイナーさんと共通の知り合いがいると知って、これもご縁かなって。そんな感じで、すんなり決まりました。ちなみに、この模型は僕が作ったものです」
物件探しのときから「こうしたい!」というイメージなどはありましたか?
「家自体はあまりつくりこまずに、箱のイメージ。後からフレキシブルに変えられるのが当初からの希望でした。あと見晴らしがいい家で暮らしたいと思っていましたね」
物件選びの優先順位を教えてください。
「見晴らしの良さと、抜け感があること。ここはルーフバルコニーがあるのが良かったですね。広さは70m2台のところで、あとできれば駅近。10分以内で探していました」
何件ご覧になって、こちらの物件に決めましたか?
「10件です。広さ、駅近であることを満たしているし、商店街があるから暮らしやすい。あと、ルーフバルコニーがあるのに上に住戸がある物件ってなかなかないので、そこも大きかったです。ルーフバルコニーは大抵、最上階にあって、直接日光に当たる分、断熱上不利な物件もあるそうです。この物件は上に住戸があるので、断熱性能への不安もなく、イイなと思いました」
2.お家の中の、"好きな場所3つ"
Jさんファミリー邸のキーワードである「抜け感」、「フレキシブル」。好きな場所はこの二つを反映しています。また、インテリアデザイナーであるご主人のセンスが光る部分も。どれもマネしたくなるアイデアです。
BEST1【キッチン】
「キッチンは自分でスケッチを起こして、それをデザイナーさんに送って共有しました。デザインはスケッチからほぼ変わっていません。ここが我が家のイメージの源泉。ここから他の部分のイメージも広げていきました。
こだわりはディスプレイ棚。小物や雑貨が好きなので置くスペースはマストでした。棚板は置くものが映えるようにツルツルした質感ではなく、あえてラフな仕上げのものに。キッチン天板はモールテックスと悩みましたが、見栄えの良さとメンテナンス性を考えてステンレスにしました」
収納は背面の造作棚とパントリー。パントリーの位置には元々浴室がありました。浴室を移動し、壁を取り払ったことで行き来できると同時に、ぐるっと回れる動線も叶えました。
BEST2【リビングダイニング】
「先々仕切って間取り変更することも考えて、広さを確保しました。インナーバルコニーも考えたけど、作ってしまうと広さなどが固定されて融通が利かなくなるから無しに。それに、バルコニーもあるから十分だなと。これだけ広いと、その時々にやりたいことやベストなレイアウトが組めるのがいいですね」
BEST3【至る所に散りばめられた真鍮】
「家全体のベースカラーは白・グレー・ナチュラルの3色と決めたので、アクセントで真鍮を取り入れました。真鍮独特の色味や質感で品を添えられるので気に入っています。廊下のライトやリビングの取手などで使っています」
間取り
間取り左:Before | 右:After
洋室をなくしてリビングを広げ、キッチンは全体を見渡せるように壁付から対面式にチェンジ。洗面室と浴室の場所を入れ替えて、キッチンと洗面室の間にパントリーを作ったことで回遊動線が生まれ、移動しやすくなっています。玄関は収納を取り払って幅を広げたので廊下が長くなりました。これによって、洋室(寝室)にはもうひとつ出入口を作ることができました。
他の場所もどのように変わったのか見ていきましょう。
3.お部屋ツアーその1|自転車も置けるスリムな玄関
「本当は玄関から縦に続く土間を作ろうと思っていたんです。寝室の角に窓があるから、抜け感がある土間って面白いなと。ただ、そうすると寝室が狭くなるのでやめました。寝室はのちのちセパレートして子ども部屋を作ろうと思っていたので最終的にこの形に着地。自転車を置きたかったので、そのスペースは確保しました」
お部屋ツアーその2|将来、2部屋にも分けられる寝室
寝室は天井の梁を躯体現しに。広さは当初から変えていません。お子様の成長に合わせて、先々壁で仕切れるように広さはそのままにしました。
写真右は、ご主人のワークスペース。余った建材を活かしてDIYで作ったとのこと!柱がちょうどいい仕切りになって、集中できそうですね。見晴らしもよく、まるでコックピットのような空間になりました。
お部屋ツアーその3|ベースカラーで整えたトイレ
トイレ・洗面室ともにベースカラーで整えて、清潔感ある空間になりました。洗面台は造作です。2段目、3段目をオープンにしてスッキリとした印象です。洗面室の照明は昼白色。他の照明は基本暖色系ですが、奥様がお化粧することを考慮して選んだそう。全体を明るく、鮮明に見せる昼白色は身支度する場所に適しています。
4.収納で工夫したところ
「キッチンカウンターを飾るスペース、壁に造作棚を作ったので、メリハリを考えてリビングはクローズに。大型収納はリビング・寝室どちらも将来間取りを変える可能性を考えて、どうなった場合でも対応できるようにこの位置にしました。いかにも収納という感じにならないように“木の壁”のようなデザインにして、取手も小さいものにしたのがこだわりです」
5.コスト・スケジュールの工夫
「コストを抑えるために寝室はほぼ変えていません。棚板は後から付け足すことができるので数を減らしました。
スケジュールは特に気をつけたことはありませんが、内見時に前の方が住んでいて出られるまで3ヶ月間あって。猶予がある分、物件価格を交渉してもらいました。その間、自分でもいろいろと考えられたので良かったです」
6.内装・インテリアのアイディア
・インテリアの要はベースカラー
「インテリアはベースが大切だと思うので、内装は白・グレー・木のナチュラルカラーの3色で統一しました。小物や雑貨で色を足しています」
・特定のテイストに絞らない
「ベースカラーがシンプルなので、要所要所の素材感を大切にしました。素材の違いでリズムをつけた感じです。テイストはこれと決めたくなかったので、偏らないような内装にしました」
7.家づくりを振り返って思った反省点
「強いて言えば、もっとエリアを検討しても良かったかなと。もちろん、ここも十分気に入っていますが、時間をかければまた違うエリアも候補に入れて、選択肢が広がったかなと思いますね」
まとめ
今回のポイントを見ていきましょう。
1、自分も設計可能な伴走できる会社選び
せっかくリノベーションするなら自分でも設計したい。そういった場合、会社選びでは自分のアイデアも取り入れつつ、さらにブラッシュアップしてくれるかどうかを見ると○。デザイナーとの相性や会社として施主のアイデアを取り入れる柔軟性があるのかを見てみることがおすすめです。
2、全体イメージを形成するアイデアを固める
今回、全体イメージを広げたのがご主人が考えたキッチン。リノベーションは自分仕様にできるとはいえ、最初から全部考えるのは難しいもの。まずは「ここは譲れない」「絶対に叶えたい」といったものを固めてから全体を考えるとスムーズにイメージが広がりますよ。
3、眺望を活かし、フレキシブルに変えられる空間づくり
幼いお子さまのいるご家庭にとって間取りは悩ましいですよね。Jさんファミリー邸は先々変えることを踏まえて、あえて空間を広くとるために一室なくしてリビングを広げました。こうすれば、今は空間をゆったりと使え、必要に応じて部屋を作ることも可能。インテリアも柔軟に変えられるのもメリットです。広さを優先したことで、物件の特性である眺望の良さも味わえる、抜け感ある空間になりました。
4、見えにくいパントリーによって生まれた回遊動線
キッチンと洗面室の間にパントリーを作ったことで、見えにくい場所に物をしまえる収納が完成。さらに、パントリーはどちらからも行けるようにしたことで、ぐるっと回れる回遊動線が生まれました。小回りがきく動線は時短・作業効率も上がって○。キッチン・洗面室を横並びにするレイアウトはリノベーションでも人気です。
5、収納と思わせないテクニック
キッチンカウンターにはディスプレイになる棚を、リビング収納は木をはめ込んだようなデザインと取手のサイズ感にもこだわりました。このようなメリハリをつけると、生活感を感じさせない見た目になります。
6、テイストよりも色で遊ぶ
内装はテイストではなくベースカラーを決めて、素材の質感で楽しむ仕様。特にこれというテイストがない場合や、インテリアで遊びたい方は、自分が置きたい物の色を考慮したベースカラーで内装を整えるといいでしょう。
以上の6つのポイントで、抜け感があるフレキシブルなおうちとなりました。今はゆとりを堪能でき、必要に応じて変えられる空間はまさにイイとこ取り!お子さまがいるご家庭やインテリアを楽しみたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。