お客様インタビュー
2021.04.26
vol.64【リノベ|インタビュー】ギャラリーライクな見せる収納で「脱・生活感」。子育て感を出さないオシャレリノベ
今回ご紹介するのは「デザインありきの収納です」と言い切るFさんファミリー邸。小さなお子さんがいるとは思えないほどの整い方。しまう機能とデザイン性を両立する収納や物を増やさない工夫は参考になるものばかりです。そんなFさんに物件探しからリノベーションまで、こだわったポイントについて伺いました。
■リノベ費用:約1,000万円
■夫婦・子ども一人|73.71m2|3LDK→2LDK+WIC
目次
1.物件探しのきっかけ|ペット可住宅のためにリノベ済から方向転換
お家を買おうと思った経緯を教えてください。
「40歳までに家を買おうと思っていて、38歳から探し始めました。最初はリノベ済物件を探していたのですが、あまりピンとこなかったんですね。みていくうちに『自分でリノベーションしたほうがいいのでは』と思うようになりました」
そうなんですね。「新居ではこんなふうに過ごしたい!」など思い描くライフスタイルはありましたか?
「ライフスタイルというほどなのかはわかりませんが、リビング・ダイニング・キッチンが一体化していてみんなでワイワイできる、一人ぼっちにはならない空間がいいなと思っていました。あと、重視したいと思っていたのは、デザイン性です」
他社はご覧になりましたか?
「リノベ済物件を探していたときは見ましたが、リノベーション会社でちゃんと見たのはリノベ不動産さんだけです。最初からいろいろ物件を見せてくれるなど仕事が早くて。スタッフの方も話しやすいので、もうこちらにお任せしようと決めました」
物件選びの優先順位を教えてください。
「ウサギを飼っているので、ペット可というのが最優先でした。ペット可のリノベ済物件ってすごく限らてしまったんですけど、自分たちでリノベしようと決めたら一気に物件が増えたんです。あとは眺望と日当たりの良さ、そしてエリアの順で重視していました」
物件は何件ご覧になりましたか?
「他社でリノベ済物件は5件、こちらでは9件程見ました」
こちらの物件の決め手は?
「求める条件に当てはまっていたのと、エントランスです。最初は気にしていなかった築年数ですが、たまたま築10数年と新しい物件で、きれいなエントランスと外観に惹かれました。このエリアの近くに兄が住んでいて土地勘もあるし、駅から距離が近いのに静かなところも気に入りました」
2.お家の中の、"好きな場所3つ"を教えてください|BEST1【見せるキッチン】
「目指したのは“見せる”キッチンです。食器が好きなので飾りたくて。ギャラリーのようにしたかったので、あえて余白を作って全体的にすっきりとした空間に仕上げました。使いやすさよりもデザイン重視です。
キッチンはステンレスと決めていました。よくカウンターをパネリングしている事例もありますが、シンプルにしたかったのでそのままにしました」
BEST2【ショップライクな玄関、廊下の飾り棚】
「靴はオープン収納にしようと決めていました。最初は土間もいいなと思っていたけど部屋が狭くなるので悩んでいたところ、デザイナーさんが僕たちの希望をうまく集約してこの形に。土間がなくても余裕ある広さになりました。
廊下の飾り棚は後から提案されました。サーフボードを飾りたいと思っていて、それなら下は飾り棚はどうかと。キャップが大量にあるので、飾ってみたらいい感じにはまりました。こちらもギャラリーぽくなって満足です」
BEST3【3人並べる洗面室】
「大きな洗面鏡とその下の矢羽タイルがポイントです。タイルはかなりこだわって選びました。3人並べるようにしたかったので、少し幅を広げました」
Before | After
<間取り>
左:Before | 右:After
LDKには洋室を取り込み広くし、キッチンは大きく配置を変えてLD全体を見渡せるレイアウトになりました。寝室には新たにWICをつくり、廊下を少し広げてギャラリーにしています。それ以外はもとの間取りを活かしつつ、固定棚やアクセントクロスでデザイン性がある好みの空間に仕上げました。
BEST3以外の空間はどのように変わったのでしょうか?
お部屋ツアーでご紹介します
3.お部屋ツアーその1|開放感にこだわったリビング
リビングのこだわりを教えてください。
「和室をなくして広げて、LDK全体が一体感があるようにオープンな空間にしました」
天井は躯体現しと聞いていましたが、とてもきれいですね。
「グレーで塗装しています。躯体に付いていたポッチがカラフルだったので、塗装してもらったんです。配線もあって目立ってしまうから、それなら塗装しようとなって。塗ったらコンクリートみたいな質感になって気に入っています」
床ははじめから無垢床をご希望でしたか?
「そうですね。自然な風合いにしたいと思っていました。全体的に内装はウッド・ブラック・シルバーでまとめてカッコよくしたくて。なのでダクトレールと照明はブラックでまとめました」
リビングのドアがおしゃれですね。
「これはPinterestで見つけて、デザイナーさんに見せたらメーカーがわかって取り寄せました。ガラスだから閉めてもつながっている感じがするし、廊下のギャラリーも見えるので気に入っています」
ドアは空間の印象を大きく左右するアイテム。このようなガラスドアは抜け感が出て、全体的に広く見えます。
お部屋ツアーその2|PS壁をうまく利用したワークスペース
ワークスペースもはじめからご希望を?
「ここは結果的にできた部分です。この壁は中に配管があり壊せなかったので、後からサイズの合うデスクをオーダーして、ワークスペースにしました」
このように物件によっては設備スペースのための柱型であるPS壁(※PS=パイプスペース、パイプシャフトの略)があるところも。厄介と思いきや、アイデア次第で活かすことができます。変えられない部分も組み込んで、新たな役割を持たせることが可能です。
お部屋ツアーその3|物量を調整できるWIC
WICは最初から希望されていましたか?
「リビングと同じく最初から希望していました。ハンギングで収納したかったので左右にレールを付けました。一目でどこに何があるかわかって時短になるし、区分けしやすいので便利です。ここに収納できなければ処分するっていうルールがあります(笑)。物が溢れなくていいですね」
お部屋ツアーその4|グレー・ブラックでまとめたシックなトイレ
トイレはどのように変えられましたか?
「内装を変えました。リビングのテイストを引き継いでグレーのアクセントクロスにブラックの床で仕上げました。テイストを揃える以外は、そこまでこだわりはなかったです」
4.収納で工夫したところ
収納の工夫点がありましたら教えてください。
「収納はあえて作らないようにしました。収納があると物が増えるので、増やさないために最低限に。物をしまうという観点よりも、いかにオシャレに、ギャラリーのように見せるかを重視。デザイン性ありきで作りました」
5 コスト・スケジュールの決め方
予算内に収めるための工夫などありましたら教えてください。
「床材を調整しました。本当はもう少し幅広なものにしたかったけど高くなるので今のものに。寝室の床材は変えています。統一すると高くなるので、風合いが似ている違うものに変えました。バルコニーも本当はお願いしようとしたけど、予算を抑えるために自分たちでウッドを敷き詰めました。ワークスペースのデスクも造作にしたかったけど結構高いので、入居してから自分で買いました。
スケジュールに関しては特にこれという縛りはなかったです。自分たちのペースで進めていきました」
リノベーションの反省点
振り返ってみて、「もっとこうすれば良かった!」といった反省点はありますか?
「一つはキッチンのタイルです。ラインになるように入れたんですが、こないだタイルを超えて壁に油が跳ねちゃって。拭き取らないといけないから冷蔵庫まで全部タイルにしたほうがよかったかなと。あとは洗面ボウルです。エッジが効いた形にしたのですが、意外に掃除が大変。これは住んでからでないとわからなかったですね」
まとめ
今回のリノベーションのポイントを見ていきましょう。
1、ペット可物件は数が少ないので要注意!
ペット可物件は一般の物件と比べて母数が少なく、リノベ済となるとさらに絞られます。なかなか見つからないときは、Fさんご夫婦のように自分たちでリノベーションをする方向に転換すると選択肢が広がります。最初からリノベーションをする予定でも、やはり母数は少ないので不動産会社と一緒に調べたほうがスムーズに進みます。また、ペット可物件を探す際にはエリアを広げるなど物件に求める条件を緩めると、出会う可能性が高まります。加えて、探す際にはマンション規約の確認が必須です。WEBで「ペット可」と書いてあっても規約では禁止していたり、頭数・体長制限や鳥類は可能でも犬猫不可などの制限があったりします。マンション規約は必ず直接確認してみてください。
2、内装は好きな素材と色で決めると決めやすい
内装で困ったときは素材と色で決めると進めやすくなります。Fさんご夫婦はウッド・ブラック・シルバーをテーマに内装を決めました。土台が決まればアクセントカラーもこの色味に合うものを選べばいいので迷いません。
3、より開放感を引き出すガラスドア
家全体を開放的にしたいときはドアの力を活用しましょう。ガラスドアは抜け感が出てスタイリッシュな印象になり、開けても閉じても向こう側が見えてつながりを感じられます。リビングだけでなく子ども部屋をガラスドアにしてコミュニケーションをとりやすくする方も多いです。
4、PS壁を活かしたワークスペース
物件によってはPS壁があります。壊せないとなると厄介に感じますが、実はアレンジが効いてオリジナルなスペースにできる部分。FさんはPS壁をうまく活用してワークスペースにしました。PS壁によって幅が限られてしまう場合は、デスク以外にも棚を置いてギャラリースペースにしたり、ヨガマットを敷いてヨガを行うスペースにしたりとアイディア次第で活用範囲が広がります。
5、デザイン性重視でゆとりを出したキッチン
キッチンは収納力よりもデザイン重視で作られました。キッチン背面の造作棚はあえて余白を作って、収納というよりもディスプレイの要素を強めました。オシャレなキッチンは毎日の料理が楽しくなりますね。程よい余白がデザイン性を高めるので、物を置くときも自然とキレイに置く習慣が身につきます。
6、置く物で映えスペースになる固定棚
サーフボードを飾りたいというご希望から生まれた廊下の固定棚。廊下に沿って設置した幅広な固定棚はギャラリーのように使えます。いかにも収納という感じにならず、またオープンなので抜け感も出て空間を広く感じさせます。見た目にも楽しめる収納です。
7、物量を調整できる収納
物を増やしたくなければ、収納は必要分だけに留めるのが◯。そして「溢れた物は処分する」といったルールを設けられる収納にするといいでしょう。Fさんご夫婦のWICがまさにそれです。ハンガーレールを取り入れて一目で何があるかわかるようにし、ドアを付けないことで物量がはみ出さないように意識できます。物をあまり増やしたくない方は、あえてWICにドアを付けないのもオススメです。
以上の7つのポイントで、理想の住まいを叶えました。収納をオシャレに、物を増やさない工夫でスタイリッシュなお家が完成します。リノベーションをする方はぜひ参考にしてみてください。