リノベのハウツー
2020.02.03
「MB」メーターボックス、弱点を克服するには!
間取り図を眺めていると、見慣れない略語に戸惑うことがあります。
たとえば「MB」はメーターボックスの略語、ガスや水道、電気のメーターがまとめて収められているスペースのことです。MBはマンションの間取り図によく登場しますが、一戸建てでは見当たらないケースもありますね。
間取り図に登場する・登場しない、ここではMBを二つに分けて、それぞれの特徴やリフォーム・リノベーションでの考え方についてお話します。
目次
間取り図に登場するMB
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マンションの間取り図にあるMBは妙に存在感がある空間です。外部廊下に面していて結構な面積を占めています。「MBを取ってしまえば、効率的な間取りになるんじゃないか?」と思うかもしれません。しかしマンションのMBは「共用部分」。居住者が自由にできる「専有部分」ではありませんので取ってしまうことはもちろん、手を加えることもできません。
非常時にはMBをチェックしよう!
間取り図では存在感があったMBですが、いったん暮らし始めると意識することはなくなります。しかし公共料金の検針時には欠かせませんし、非常時にはMB内にある各メーターを操作しなくてはなりませんから、それぞれの特徴や使い方は覚えておくべきでしょう。
ガスメーター
ガスの使用単位は「立法m」ですから、表示窓に「m3」の表記があるものがガスメーターです。事故防止のために異常を感知すると、ガスの供給を遮断する仕組みになっていますので「レンジが点火しない!」という緊急時にはガスメーターを疑ってみると良さそうです。
メーターが異常を感知したかどうかについては、都市ガス用メーターはLEDの点滅で、プロパンガス用は液晶画面の「ガス止」の表示で判断ができます。ガス会社に連絡を取りガスの供給を復帰させる操作をおこなってください。
水道メーター
MBの下の方についているのが水道メーター。こちらも単位は「立法m」ですがメーターが小さいことと、青いフタが付いてきることから判断が付きます。非常時に使うのは水道メーターのすぐ横についている元栓。室内の水漏れを発見したならば、まずはMBの中にある水道の元栓を閉じてから対策を考えましょう。
電気メーター
電気量を表す「kWh」が書かれた文字盤と使用中に回転する金属板が目印です。非常時に作動するのは室内にあるブレーカーですから、電気メーターに触れることはまずありません。近年は検針が不要なスマートメーターに順次切り替えが進められています。
MBを物置に使うのはNGです
これを読んでおられる中には「MB?毎日の様に使っているよ」という方もいらっしゃるかもしれません。たとえば中に玄関掃除の道具が入っている、こんな使い方は本来はNGです。最初にも書いたとおりMBは共用部分、居住者といえど私用に使ってはいけないのです。
間取りに登場しないMB
MBが見取り図に書かれていないのは、メーターが一箇所に集められていないケースです。一戸建てならばガスメーターと電気メーターは屋外の壁面に、水道メーターは門のそばの地中に設置されており、こちらも日ごろは意識することはないのです。
しかし電気やガスのメーターを意識してしまう場合があるのです。それは外壁のリフォーム・リノベーションをおこなったとき。せっかく外壁を一新したのに、昔ながらのメーターが壁に並んでいるのは何とも興ざめでしょう。
電気メーターを収納するMB
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目立つメーターをスタイリッシュに納めたい、こんな場合にはマンション用とは別の「MB」が必要になります。たとえば電気メーター用パナソニック「WHMボックス」ならば、白、黒、シルバー、ブロンズの4色が用意されていますから、リフォーム後の壁面の色にあわせて選ぶことができます。
メーター類全てを納めるMB
検針とはいえ自宅の敷地に足を踏み入れられるのは、あまり気持ちのよいものではありません。そんな場合に検討したいのがマルエス工業「集合計器ボックス」。メーター類をスッキリとまとめておけるステンレス製のMBで、道路に面したところに設置すれば敷地外からの検針が可能、オシャレな外観も大きな魅力です。
MBを自作するという手もアリ
既存のMBではリフォーム・リノベーション後にマッチしないというケースで、多くの方がおこなっているのが自作です。壁に穴を開けたり、コーキングをほどこすのに抵抗があるならば、メーターとほぼ同じ大きさでMBを作ってしまえば良いでしょう。こうなるとボックスというよりもカバーになるのですが作業自体はそれほど難しくありません。
ただ黙ってMBを取り付けてしまうと、検針の担当者を戸惑わせることも。電力会社などにあらかじめ連絡することが必要でしょう。
まとめ
以上、マンション用と一戸建て、二つのケースでのMBについて見てきました。マンション用のMBについては、共用部分のためどうしようもないのですが、カッコよくできるのが一戸建ての場合。後付けのMBの選択肢は意外とあるとおわかりいただけたと思います。
さらに、MBを自作して南欧調やカントリー調などの外観にし、家屋とマッチする雰囲気にすることもおすすめです。