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2017.09.01
今日の季節 蒙霧升降す(のうむしょうこうす)8/17~8/22
今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。 さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。 その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。 ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。 二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。 ほんの少し、いかがですか。
2017年8月17日〜22日 蒙霧升降す(のうむしょうこうす)
「ふかききりまとう」という読み方もあります。 深い霧が立ちこめる頃です。 お昼間はまだ暑さ厳しくとも、朝晩は過ごしやすくなってきます。 春であれば、霧ではなく霞と呼び方が変わります。
この季節の養生
[media size='100%']@2[/media] 引き続き、漢方では『温燥』の時期ですので、前回にお伝えさせて頂いた養生を続けます。 お盆を過ぎると暑さも落ち着いて来るという感覚を経験的にお持ちの方もいらっしゃるはず。 前回の“寒蟬鳴く”の季節よりも秋にまた少し近づいています。 身体の冷え具合を改めて確かめてみましょう。 冷えているようであれば、アイスクリームやジュースはもちろんのこと、夏野菜も生で頂くのは控えて様子をみてみます。 薬膳では、ネギ・生姜・ニンニク・唐辛子・山椒・胡椒などの刺激的なものも控えるべきとしています。 冷え対策の観点から見ると、これらを避けるのは矛盾しているように見えますよね。 もちろんこれにはちゃんと理由があります。 秋というのは、乾燥により肺を痛めやすい季節です。冷えよりもさらに乾燥に注意を向けます。 上記に挙げた食材たちは全て身体を温め発散作用のあるものです。発散ということは水分を飛ばすということですよね。身体から潤いを奪ってしまうのです。 特に空咳の症状が出ている方は、刺激物は控え、前回にご紹介した食材などで養生しましょう。豆腐や豆乳も肺を潤す作用があります。 この季節ならまだ、よっぽどの冷え性でなければ、身体を温めることに躍起にならなくても大丈夫なはず。冷やさないように気をつけつつ、乾燥対策を心がけたいところです。 いまその対策を怠れば、肌・髪・唇の乾燥、抜け毛、大腸が乾燥して便秘などの症状が現れます。
この季節の豆知識
[media size='100%']@3[/media] 秋の虫と言えばトンボ。 8月から9月にかけては、トンボが描かれた手ぬぐいなどの和雑貨も出回ります。 このトンボ柄、実は“勝虫”と呼ばれる縁起もの。 その言われは諸説あります。 ・トンボは後退せずに前へ前へと飛ぶことから、ひたすら前進したい勝負時に良いとされているというもの ・第21代天皇の雄略天皇(在位456年~479年頃)が、吉野に狩に出かけた際、天皇の腕を刺したアブをトンボがくわえて飛び去った故事から、強い虫、縁起の良い虫ということで勝虫と呼ばれ、兜の前立てや武具に用いられたというもの ・幼虫のときは甲冑のような姿をし、成虫になれば空中で俊敏に動き、獲物を捕らえ、そのまま空を飛びます。その姿の勇ましさから、戦国の世の人々が縁起をかついだというもの 物ごとが思うように進まずめげてしまいそうな時には、トンボ柄で縁起を担ぐのもいいかもしれません。
この季節に楽しみたい草花
[media size='100%']1707/20170727_03d.jpg[/media] 8月〜10月に咲く花 「水引き」。 緑の多い場所にほかの草花たちと一緒に咲いていたりします。 上から見ると赤く下から見ると白い花が、細長い花軸に点々といくつも咲いています。その姿がご祝儀の水引に見立てられて、この花の名前になったと言われています。 花言葉は「慶事」です。 参考文献 ・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版 ・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版 ・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative ・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版 ・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版"