今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年8月23日 処暑(しょしょ)
暑さが少しやわらぐ頃。
まだまだ残暑厳しい時期ですが、朝晩の暑さはしのぎやすく感じる日もこれからは増えてくる頃です。
真夏の厳しさは越えて、秋の気配も感じ始めます。
この日は、台風が発生しやすい“特異日”と言われています。
2017年8月23日〜27日 綿柎開く(わたのはなしべひらく)
綿の実を包む萼(がく)が開く頃。
ふわふわの綿花が現れ、この綿花を摘み、糸を紡ぐのはこの時期です。
この季節の養生
適切な睡眠時間について、現代では7〜8時間ほどがふさわしいと一般的には言われていますよね。22時〜2時のゴールデンタイムに就寝していることが好ましいという説もよく耳にします。
漢方では、この考え方とは少し違っています。
季節に応じて、好ましい睡眠時間も変化すると考えられています。
秋は「早く寝て早く起きる。心を安らかにして、陽気をひそめて過ごすべきである」と中医学の経典的存在の『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物に記されています。
「早く寝て早く起きる」なんて当たり前、と思われるかもしれません。
現代では確かに“1年中”早寝早起きがいいとされています。
しかし漢方では“秋は”早寝早起きがいいとされているのです。
ちなみに夏は「夜は遅く寝て、朝は早く起きる」
そして、昼寝をするのが養生法の1つです。
この季節の豆知識
年齢層が若くなるほど、残念ながらお中元の風習は薄れています。
とはいえ現在でも、ご実家ではお中元の品々が届いたり、ご家族が日頃お世話になっている方々に贈られているのではないでしょうか。
なんとなくそういう時期だからと、やっつけ仕事かのようにお中元の品を選び贈り合っているかのようにも見えなくもないですが、本来は“感謝の気持ち”と“健康を願う気持ち”を表すものです。
お気づきの方も多いでしょうが、お中元の時期はもう終わっています。
関東では、7月初め〜7月15日頃
関西では、8月初め〜8月15日頃
と地域によって時期は違いますが、現在ではそれほど地域差は意識されておらず全国的に7月初め〜8月15日頃に贈り合われているようです。
では、贈っていないお相手からお中元を頂き、
しかも、まだこちらからは贈らせて頂いていない場合はどうすればいいのでしょうか。
のし紙の表書きを“お中元”ではなく“残暑見舞い”とすればいいだけです。
ただし、残暑見舞いが通用するのは今月中です。
お中元を頂いていなくても、日頃お世話になっている方や久しぶりにお会いする方に、残暑見舞いとして気軽な気持ちでちょっとしたプレゼントをお渡しするのもいいかもしれませんね。
この季節に食べたいもの
養生にもつながる話ですが、旬の食材は何でも、その時期の養生にとても良い栄養を持っています。
8月〜10月にかけて旬なのが、すだちです。
特産は徳島県。
果皮の緑色が濃く、香りの良いものを選びましょう。
秋刀魚などのお魚やお肉との相性が抜群で彩りも添えてくれますよね。
すだちに含まれるクエン酸は、夏の疲れを癒してくれます。
薬膳の観点から見ると、今までの魅し暑さで疲れていた胃の調子を改善し食欲や消化力をアップしてくれます。
さらにこれからの乾燥の季節に向けても、効果的な作用を持っています。
乾燥の季節には、肺が弱りやすく、空咳や肌などの乾燥などが気になります。
その肺を潤してくれる作用がかぼすにはあるのです。
栄養学的に見てもビタミンCが豊富なので美肌や風邪対策にいいことが分かります。
まさにこの季節に取り入れたい食材です。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『中医薬膳学』辰巳洋/東洋学術出版
・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社
・公益社団法人徳島県物産協会HPhttp://tokushima-bussan.com/foods/sudachi/
・国立天文台HP https://www.nao.ac.jp"