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2017.09.01
今日の季節 天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)8/28〜9/1
今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。 さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。 その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。 ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。 二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。 ほんの少し、いかがですか。
2017年8月28日〜9月1日 天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
暑さが鎮まり始めてくる頃です。 夏の陽の気が落ち着き、万物があらたまる時期とされています。
この季節の養生
前々回とその前の回に、今は『温燥』の時期だとお伝えいたしました。 『温燥』とは残暑の熱と秋の乾燥した空気が入り混じっている状態のこと。 秋の前半、つまり立秋〜秋分まではこの『温燥』の季節なのです。 食事に関しては以前にご紹介した食材を取り入れて養生しましょう。 さらに加えて、今が旬の梨。 旬な果物だけあってまさに今の季節にうってつけの食材です。 身体の内にこもった余分な熱を取り除き、身体を潤してくれるからです。 肺も潤されるので咳の予防・改善にもつながり、痰を取り除く作用も持っている食材です。見た目にも気になる肌の乾燥にも効果的。 お酒の毒による症状を取り除くこともできるので、お酒好きの方にもオススメです。 そして今の時期、いくら秋とは言え蒸し暑さは残っています。この蒸している状態は、梅雨の頃から毎年3ヶ月ほど続きますが、消化に関わる脾・胃の働きにダメージを与えます。これにより消化不良や便秘の症状が現れている方もぜひ取り入れて頂きたい食材です。 注意すべき点がひとつ。 何にでも言えることですが、食べ過ぎないこと。 梨の場合は食べ過ぎると身体を冷やし過ぎてしまいます。 特に冷え性の方は気をつけましょう。
この季節の豆知識
“野分”と書いて“のわき”と読みます。 この言葉をご存知でしょうか。 “春一番”はどなたでも知っているかと思います。 春に最初に吹く強い南風の名前ですよね。この風が吹くことで春が本格的に訪れたことを感じさせます。 そう、野分も風の名前です。 秋の暴風や台風を表しています。野を分け、草木を吹き分ける荒々しい風の様を表しています。 古い時代には、台風のことを野分と呼んでいたようです。 清少納言も枕草子でこのように記しています。 「野分のまたの日こそ いみじうあわれにおかしけれ」(台風の翌日は、たいそうしみじみ趣き深い)