リノベのハウツー
2018.08.22
「高級感」を演出するリノベーションのポイント
「シンプル・ナチュラル・ウッディ」というのは、リノベーションの得意とするところではありますが、それだけではありません。リノベーションでは、タイルや天然木など本物を使用するのでホテルライクな高級感や、大人の落ち着いたテイストも得意分野の一つとして挙げられます。そこで、今回はリノベーションで高級感を出すポイントを事例ごとに見ていきたいと思います。
目次
【統一感・重厚感】1.広面積の床・壁の素材・色を統一。2.キッチンの重厚感
1.広い面積を占める床・壁の素材を統一する
高級感を演出する際に、最も注意したいポイントが色・素材の統一感です。内装カラーの割合では、床・壁・天井などのベースカラーは70%、家具などのメインカラー25%、アクセントカラー5%で組み立てるといわれています。このベースカラーを揃えると、スッキリとまとまった空間になるため、高級感を演出する際に気を付けたい点です。こちらの事例では、このベースカラーに木材をふんだんに使用していることがより高級感に繋がっているポイントでもあります。また、壁に凹凸をつけることで動きや奥行が出ます。そこに間接照明によって上品な雰囲気を演出している点も、高級感あるお部屋作りの参考にしたいポイントです。
2.キッチンは重厚感のあるものを
重厚感というと、ダークカラーを想像しがちですが、こちらの事例を見ると明るい配色でも重厚感があることがわかります。暗い色にとらわれる必要がないので、床と色を揃えて統一感を出しながら、シンプルながらも厚みのある対面キッチンで重厚感を出しています。リノベーションでは、自然素材を自由に組み合わせることができる点でも空間全体の統一感が出しやすくなります。
(この事例の詳細を見る|リノベ不動産)
【天井を彩る】1.掘り下げ天井 2.間接照明 3.天井に天然木
1.掘り下げ天井
リノベーション時に、天井は注目されることが少ない部位ではあります。だからこそ、天井にアレンジを加えると、独創性が増す場所でもあります。こちらの事例では、マンションリノベーションによくみられる "梁"問題がありました。無くすことができないものです。そこで、既存の梁はそのままに梁以外の部分を掘り下げることで空間に広がりと、奥行きを出しました。天井に凹凸があると平坦な天井に比較して動きがあり、それが高級感を演出するポイントになります。
2.ライティングで奥行きと間接照明効果
掘り下げた部分にライティングで、さらに奥行を感じることができます。空間の広がりを演出するだけでなく、間接照明は直接光が当たらず、壁や天井に跳ね返った光なので柔らかく、空間を上品に見せる効果があります。
3.天井に天然木をあしらう
床材とトーンを合わせて天然木をあしらいます。高級感に大切なのは、この統一感です。床も天井も濃淡のある木材をランダムに張ることで素材感が引き立ち、また幅広の無垢材が落ち着いた印象を与えています。
(この事例の詳細を見る|リノベ不動産)
【壁を彩る】1.壁一面の天然木。2.ライティングのバランス
1.壁一面に天然木を
ホテルの内装で、天然木を使用したデザインに高級感を感じることがあると思いますが、こちらの事例でも壁一面に落ち着いたトーンの天然木をあしらって高級感を演出しています。天然の無垢材なので、その質感が本物というところがポイントです。
また、左右の写真は別の事例なのですが、木の幅によっても受ける印象が異なることがわかります。左の事例の太い幅ではモダンな印象を受け、右の木幅が細い事例ではバーのようなシックな印象になります。どちらも高級感はありつつ、テイストを好みに合わせてデザインできる点がリノベーションの魅力と言えます。
2.間接照明で壁に主役感を
前の事例でも触れましたが、こちらでもライティングによって壁に柔らかく光が当たることで、壁に主役感が生まれます。木材の質感がより鮮明になると高級感がよりアップします。
(写真左:この事例の詳細を見る|リノベ不動産) (写真右:この事例の詳細を見る|リノベ不動産)
【色の統一感】1.グレー・ホワイト・ベージュをベースに配色 2.木部の統一感
1.グレー・ホワイト・ベージュのバランス
ブラックやグレーなどのダークカラーを使うと重厚感が増して高級感を演出しやすくなりますが、ダークカラーなどを使うときに注意したいのが、配色のバランスです。ダークグレーは個性や存在感が強く出るので、色の数を3色以内にするとまとまりやすくなります。この事例ではグレー・ホワイト・ベージュの3色を基本にしています。
またバランスの良い配色は、暗い色を床に近く、天井に近いほうに明るい色を持ってくると言われますが、こちらの事例もキッチンカウンターにダークグレーを配色して全体の印象を引き締めています。この引き締め効果が高級感に繋がっています。
壁もダークグレーを配していますが、こちらは高級感演出というより、室内をモダンに印象付ける効果に繋がっており、このダークグレーの壁がホワイトでも高級感は損なわれません。
2.床・家具の木部の色を統一
木材製品の不揃い感は、高級感を乱す要因となるので、できるだけ揃えたいところです。リノベーションでは床・キッチンに同じ素材を使ってアレンジすることができ、作り付けの家具なども素材や色味の微調整が可能です。こちらの事例ではキッチンと置き家具のトーンを揃えて統一感を出しています。
【オフィス事例】1.素材のこだわり。
1.素材のこだわり
こちらは、マンションをリノベーションし、オフィスとして使用している事例です。壁は天然素材の塗り壁、床材には、希少性が高いと言われているミャンマーチークを採用し寄木風の張り方にするなど、素材やデザインにもこだわっていることが、高級感に繋がっています。
また、高級感演出の代表格であるタイルを、キッチンに施している点もポイント。サイズの大きい長方形タイルは狭い空間だと存在感が出すぎて、逆に高級感を損なう恐れがありますが、この事例のような広さのある空間には、サイズ感がマッチしています。ライトグレーのお色は品もありながら少し無骨な印象がある点も、ホテルのような非日常を思わせる要因に一役買っています。
(この事例の詳細をみる|リノベ不動産)
まとめ
「リノベーションで高級感を演出するポイント」いかがでしたでしょうか?どの事例でも共通しているのは、「統一感」と「素材」であることがわかりました。リノベーションでは、床材・壁・天井や造作家具などの素材をまとめて吟味できるので、統一感のある空間づくりが実現できます。また、一度スケルトンにするリノベーションでは間取りプランそのものをゼロベースから構築することができるので(既存建物の構造などにも依存しますが)、居室の広さや天井の高さもあわせてデザインすることで高級感のある仕様をプランニングすることが可能です。