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リノベのハウツー

2020.08.19

リノベーション始め方・進め方

リノベーション始め方・進め方


リノベーションやリフォームが人気の今、現在は国の方針もあり、良い住まいを長く残して住み続けるという選択肢が増えています。中古物件を購入し、自分たちの好みに合わせたリノベーション・リフォームをして住み続けるというスタイルです。

上手にリノベーションを進めるにはコツがあります。

 1.家族との話し合い
 2.資金計画と工事の依頼先
 3.工事中に施主がやらなけれならないこと

この3つを押さえておくことが、リノベーションを上手に進めるコツです。今回は、リノベーションの「始め方・進め方」についてお伝えします。
 

最初は家族で話し合い

リノベーション始め方・進め方


リノベーションのきっかけはなんであれ、まずは家族で話し合うことが大切です。家族といえども意外と知らなかった想いが出てきたりするものです。

家族での話し合いをする時、以下の3つを明確にしておきましょう。

 ●きっかけ・目的を明確にする
 ●リノベーションした後のシミュレーションをする
 ●好みや希望を可視化して伝えやすくする


きっかけ・目的を明確にする

 ●ライフスタイルの変化
 「転勤・転職」「結婚」「家族が増えた」「ペットを買いたい」

 ●不満
 「手狭になった」「収納が少ない」「汚れが目立ってきた」「使い勝手が悪い」

 ●資産
 「賃貸の家賃」「老後への不安」

リノベーションを考え始めたきっかけがあると思いますので、それらをもとに目的を明確にします。設計中はどうしても意見が分かれたり、あれもこれもと気持ちが揺れやすくなります。そんな時に、目的がはっきりしているとブレにくくなるのです。


リノベーションした後のシミュレーションをする

「どうやって生活シミュレーションすればよいの?」シミュレーションのポイントは3つ。

 ●家族構成の変化を考慮する(子供の巣立ち、親の高齢化、自身の高齢化)
 ●10年後、20年後の使いかたを考える
 ●他の部屋との関連性を考える

10年・20年と住み続けていく住まいに対して、どのようにライフスタイルが変化していくのか考えてみましょう。

子どもがいれば、数年後には独立するかもしれません。親が高齢化したときに同居する可能性があるか、その時仕事はどうなっているか。今後の住み替えの可能性はあるのか。など考えると様々な可能性が出てきます。

そんな時には、年齢軸で考えると良いでしょう。〇歳で子どもが〇人ほしい。でもわからないから、ひとまず広い部屋を一つ用意しておき、子どもの人数に合わせて仕切りを作るようにしよう。親との同居の可能性があるならば、子どもの独立時期と重なることもよくあるケースです。年齢軸で計画を立ててみると、おおよそのライフスタイルをシュミレーションしやすくなります。

ただ、家族構成にしろ、10年後の仕事にしろ、決めた通りには行かないこともあるでしょう。予定は予定と割り切る柔軟さも必要で、シュミレーションはあくまでベストな選択をするためのツールと捉えておくと良いでしょう。


好みや希望を可視化して伝えやすくする

リノベーションを成功させる秘訣は「好きなものを集めて可視化すること」です。

好みをパートナーや業者に伝えるのは想像以上に難しいものです。お二人ともアパレル企業にお勤めの、とあるご夫婦がリノベーションをした際に、「好みが似ている」と言いつつも「お互いにわかっていると思い込むことが危険」と仕事柄からも可視化することを大切にしていました。好みの画像は共有フォルダに入れるなどして認識のズレがないように整えていたのです。さらにはドリームノートを作って設計者との意思疎通までもスムーズだったという事例があります。

その事例はコチラ→
vol.24【リノベ|インタビュー】グリーンが映える、木とモルタルとアイアンの家。アパレルな二人のオシャレDIY。

この方法が正解の全てではありませんが、雑誌や本、インターネットなどから好みの画像を集めておくと、自分の中でも徐々にどのテイストが最も好きなのかということを考えるきっかけにもなりオススメです。
 

資金計画と工事の依頼先

家族で話し合い、意見が出そろったらいよいよ本格的にリノベーション計画は動き出します。次のステップは資金計画と工事の依頼先選びです。

リノベーションは、個々の物件によって状況が全く異なるので、標準という考えが難しい工事です。

中古物件は構造や築年数もまちまちで、それに伴ってどんな施工ができるのかも変わってきます。「全部の壁をとって大空間にしたい」というのも、構造によっては叶わないこともあります。配管の状況によって、キッチンの位置が限られるケース、そもそも配管が劣化しているなど物件により課題が異なるのです。

リノベーションを得意とする会社であれば、そういった様々なケースを想定して事前に確認できることや、解体してみないとわからないことなどのノウハウがあるため、施主としても安心度が高まるでしょう。


工事の依頼先

リノベーションの依頼先は大きく分けて工務店、リフォーム専門店、建築家の3つに分けられます。自分に合っているかを判断するため、それぞれの特徴を知っておきましょう。

依頼先選びはリノベーションの成功を握る大切なポイントです。設計力や技術力と共に、担当者との相性、価値観を共有できるか、信頼できる人なのかも大切なポイントになります。


○工務店、リフォーム専門店の特徴

地域密着型で、小回りが利き、工事後も長くお付き合いができるのがメリットです。工務店は規模の差が大きく、それぞれに特徴があります。相性の良し悪しは判断のポイントです。

リフォームでは「もとの状態に復帰」するために工事を行います。壁紙交換、水回り交換、外装塗装などのそれぞれの分野に特化しているケースが多いのが特徴です。


○リノベーション専門店

リノベーションは「もとの状態から刷新」するために工事を行います。室内をすべて解体しゼロの状態から配置を自由に決めたり、素材にこだわって新しい物を作り出すことも得意とします。


○設計事務所

雑誌にあるようなオシャレな住まい、ライフスタイルや趣味を活かしてリノベーションをしたいなら設計事務所も選択肢になります。

設計事務所や建築家は設計と監理をメインとしていますので、工事店は別に選ぶ必要があります。

参考:リフォーム会社を比較する方法を伝授します


依頼先選びのポイント

リノベーションをする上でいちばん心配なのは「工事がきちんと行われるかどうか」ではないでしょうか。ものすごく高いお金をかけて行う工事です。きちんと工事が行われているか心配になるのもわかります。

依頼先を選ぶポイントは3つ。担当者、工事店の雰囲気、実際の現場です。


○担当者の感性、人柄が自分たちと合うか、信頼できるか

工務店、専門店、設計事務所の担当者の感性、人柄が自分たちと会うかどうか。信頼できるかどうかが判断の基準です。信頼のおける営業は強引に勧めたりはしないそうです。ヒアリングを通してお客様も気づかないようなニーズを一緒に探ったり、具体的な情報を提示したり、納得できるような現地確認を行って、判断はお客様に仰ぐと言います。一生付き合える人かどうかという自分自身の価値観とも照らし合わせてみましょう。


○依頼先の雰囲気はよいか

事務所や展示場で打ち合わせをすることが多くなりますが、お店全体の雰囲気も確認しておきます。室内の清掃状況や、カタログなどの整理整頓が大切です。

また、キッズスペースがあったり、スペースがなくても打ち合わせの際に小さい子供に配慮してくれる、おむつ変えシートを用意してくれる業者は、子育て世代のリノベーションへの理解があると期待できます。

お店の周りにも目を配ってみましょう。資材やゴミが散乱していないか、お店の周りがきれいかどうかは会社としてのスタンスを確認できます。


○現場見学をさせてもらう

工事中の現場を見学させてもらうことは、工事店や職人さんのスタイルを確認するポイントです。

工事中の現場は整理整頓されているか、ゴミは散乱していないか、安全対策がされているかなど。現場がきれいに整理整頓されていれば、管理が行き届いており、施工ミスがおこりにくい環境づくりができていると言えます。


資金計画

リノベーション始め方・進め方


資金計画は2方面から検討しましょう。

1つ目は、「計画しているリノベーションを行うのにいくら必要か」というリノベーションのコスト面です。2つ目は、「リノベーションに必要な資金をどこでどう用意するのか」という資金調達の面です。

資金計画はこの2つ問題を解決することがポイントです。


○計画しているリノベーションを行うのにいくら必要か

リノベーションが難しいのは工事の内容や依頼先によっていくら必要になるかが少しずつ異なること。これは大変難しい問題です。

こんな時は、依頼先に相談します。経験豊富な依頼先であれば、過去の経験から工事金額の目安を提示してくれますし、資金計画作成の手伝いもしてくれます。

参考:リノベーションにかかる費用の相場と内訳を紹介


○リノベーションに必要な資金をどこでどう用意するのか

資金の準備で大切なのは「いくら必要か」と「いつまでに支払うのか」の2点です。

「いくら必要」かは、計画しているリノベーションによります。資金の準備は自己資金か、金融機関から借入の2パターン。金額が大きくなるリノベーションは頭金+借入で資金を準備するパターンが大半です。

もう一つ重要なのが「いつまでに支払うのか」という支払い期限です。これは事前確認が必要です。ローンの組み方も関わってきます。

不動産(中古物件)+リノベーションを、一社でおこなうワンストップ型であればまるっとローンを組み支払いも1本化できます。使えるローンも有利なものが多くあるのが特徴です。

一方、不動産(中古物件)とリノベーションを別々の会社で依頼した場合は、それぞれでローンが発生します。まず不動産ローンの支払いが先に発生し、不動産引き渡し後にリノベーション工事開始となるのが一般的です。その間仮住まいの費用も発生する点も知っておきましょう。
 

施主がやらなければならいこと

施主としての作業も知っておきましょう。


工事前にやらなければならい事

施主にとって、相談から工事着手まで一番大変な時期です。なにをすればよいかを把握して、しっかりと準備して乗り切りましょう。
 
 1.近隣への挨拶、(マンションなら)管理組合への挨拶
 2.打ち合わせの日程調整
 3.工事資金の準備
 4.(住んでいる物件を改修するなら)工事中の仮住まいの手配
 5.(新しく住み替えるなら)工事先の電気、ガス、水道の使用開始届

少なくともここにあげた1~3は工事前に行う必要があります。近隣へのご挨拶は必ず行いましょう。業者が行ってくれるところも多いですが、もともとつきあいのあるご近所であればなおさら、直接ご挨拶に伺うほうが心証が良く、その後のおつきあいもスムーズにいきやすくなるでしょう。


工事中にやらなければいけない事

工事は事前に打ち合わせした設計を元に進められます。しかし、リノベーションには特有のトラブルがつきもの。工事を始めてからわかることも少なくありません。こういった説明も丁寧な業者であれば事前にされますが、知っておくと、スケジュールが立てやすくなりますね。

工事中は何回か現場で打ち合わせが必要になります。工事中は少し余裕をもち、急な打ち合わせにも対応できるように日程調整を行います。

 ●工事中の現場での打ち合わせ
 ●造作棚や家具小物など取り付け位置の打ち合わせ
 ●配管状況による別途打ち合わせ

など


工事後にやらなければならない事

工事後の作業も準備しておくと良いでしょう。

 ●引っ越し(住所移転)
 ●郵便の転送依頼(届け出があった日から1年間有効)
 ●電気、ガス、水道の停止
 ●各種補助金、助成金の申請

工事の様子を見つつ引っ越しの準備をする必要があるのでかなり大変ですね。

ここで注意したいのは、住所移転のタイミングです。補助金の関係で、工事よりも前に住所移転が必要な場合があります。ここは業者とよく打ち合わせが必要です。
 

まとめ

今回はリノベーション計画の進め方をご紹介しました。まずは大きな流れをつかみ、各フェーズにおいて詳細を確認していくようにすると良いでしょう。

リノベーションで一番大切なのは目的の明確化です。ブレない家づくりには欠かせません。リノベーションをどう進めていけばいいかわからない時に参考にしてください。


参考文献
・田園都市建築家の会,世界で一番やさしいリフォーム,エクスナレッジ
・田村 誠邦・甲田 珠子,世界で一番やさしい住宅「企画・マネー・法規」,エクスナレッジ
 

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