リノベのハウツー
2020.07.13
【住宅ローン】35年固定は避けるべき?気になるメリット・デメリットとは?
住宅ローンにはさまざまな種類がありますが、代表的なものの一つが35年固定ローン。中でも「フラット35」は多くの人に利用されています。
そこで今回は、35年固定の住宅ローンについてメリット・デメリットを解説していきます。
35年固定のデメリットは金利と返済期間の長さ!
住宅ローンと言えば35年返済というイメージがある人もいるかもしれませんが、実態はどうなのでしょうか。住宅金融支援機構の調査によると、2018年度の新規貸出において、全体の約7割を変動金利型が占めています。対する全期間固定型の割合は、わずか5.0%に過ぎません。
つまり、35年固定ローンを選択する人は少数派ということ。これには、35年固定ローンが持つデメリットが関係しているのです。
当初の設定金利が高い
1つ目のデメリットが、当初の設定金利が高い点です。
2020年5月時点での金利を比較すると、変動金利の最低利率が年0.399%(ジャパンネット銀行)であるのに対し、フラット35の利率(融資率9割以下)は年1.300%〜2.030%。フラット35の方が、明らかに金利が高いことがわかります。
・参考:Yahooニュース「今月の住宅ローン金利情報(2020年5月)コロナショックと住宅ローン
・参考:フラット35「金利情報」(2020年5月時点)
通常であれば、低金利時代の後には金利の上昇局面が訪れます。借入時に金利が低かったとしても、変動金利では返済期間中に金利が上昇するリスクがあるのです。
しかし、昨今は長らく超低金利時代が継続中。変動金利で借り入れても、金利が上昇するリスクは低いと判断する人が多いため、35年固定ローンを選択する人が少なくなっています。
返済期間が長いので先が見通せない
もう1つのデメリットが、返済期間が長期に渡るということ。
一昔前の終身雇用が一般的だった時代であれば、20代後半〜30代あたりで35年固定ローンを組むというのは安定的でした。なぜなら、年齢を重ねるごとに自然と給料がアップしていき、60〜65歳あたりまではまとまった収入が期待できたからです。
ところが、今はもはやそのような時代ではありません。雇用も社会情勢も不安定要素が多いため、なるべく早くローンを返済したいと考える人が増えています。
35年固定のメリットは安定性にあり!
35年固定ローンが持つデメリットにより、選ぶ人が少なくなっているというお話をしました。ただ、もちろんメリットもあります。
最大のメリットが、安定性があること。35年という長期間に渡って金利が一定な上、元利均等返済を選べば毎月の返済額も変わりません。「不安定要素が多いから、早くローンを返したい人が増えている」ということをご紹介しましたが、むしろ不安定な時代だからこそ、返済計画の立てやすい35年固定ローンが安全という見方もできるでしょう。
また、変動金利では仮に金利が上昇局面に入るようなことがあれば、借り換えなどを柔軟に検討しなければなりません。日常的に金融情報をチェックしている人なら対応できるかもしれませんが、そういった情報に疎い人にはリスクが大きいとも言えます。
リスクを避けたい人や金利情報に疎い人は、35年固定ローンを選ぶメリットが十分にあるのです。
フラット35がおすすめなワケ
続いては、35年固定ローンを実際に借りる上で、どのローンを選ぶのがいいのかという点について考えていきます。
35年固定ローンと言えば、代表的な商品が「フラット35」です。フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している住宅ローン商品。また、金融機関によっては、自社商品として全期間固定型の住宅ローンを取り扱っている場合もあります。
どちらを選ぶべきかというのが悩みどころですが、次に挙げる理由から、フラット35がおすすめと言えるでしょう。
●職業や勤務先に関わらず、比較的審査が通りやすいから。
●保証料や保証人が必要ないから。
●長期固定ローンの中では、比較的金利が低めだから。
●35年もの長期にわたって固定金利の商品が少ないから。
リスクを最低限にしたいという人にとっては、フラット35の安定性は大きな魅力。金利が低い今だからこそ、有効な選択肢と言えるのです。
まとめ
消費増税や新型コロナウイルスの影響などもあり、ますます不安定さを極めている経済情勢。住宅ローンも長年超低金利が続いていますが、今後どのようなリスクが待ち受けているかは、誰も想像がつかない状況です。
不安定な時代だからこそ、35年固定の住宅ローンでリスクヘッジするというのも、一つの考え方と言えるでしょう。以上、今回は35年固定ローンのメリット・デメリットについてご紹介しました。