リノベのハウツー
2020.06.01
二世帯住宅の間取りはどうする?リフォームする際の注意点もご紹介
親が高齢になったり、家族の将来のことを考えたりしたときに、二世帯住宅へのリフォームを検討することもあるかと思います。一言で二世帯住宅と言っても、その形はさまざまです。
今回は、二世帯住宅のメリットやデメリット、その間取りのパターンについてご紹介します。リフォーム前に知っておきたい注意点についても併せてみていきましょう。
二世帯住宅とは
二世帯住宅とは、二世帯が同じ建物内に一緒に住む住宅のことです。一般的には親世帯、子世帯の同居が多いでしょう。
年齢を重ねると親の老後が心配なことも多くなりますが、一緒に住むことでお互いが安心して暮らせます。また、特に共働き家庭などでは、子どもを見てもらえるというメリットもあります。家事の担い手が増えれば、分担して協力できることや光熱費の削減などのメリットも得られます。
一方で、間取りによってはプライバシーが守られず、お互いに嫌な思いをすることも。また、良い関係性を築けていれば比較的楽しく過ごせるかと思いますが、そうでない場合は親子関係がストレスになることもあります。
二世帯住宅の間取り
二世帯住宅の間取りには、大きく分けて3つあります。それぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。
個室以外は共有する間取り
玄関、キッチン、リビングダイニング、洗面所、浴室、トイレなどを共有し、寝室や勉強部屋などの個室を分ける間取りは、家の中のほとんどの場所を二世帯で共有します。家族の人数にもよりますが、朝の支度時間が重なる場合は洗面台やトイレが複数あると便利でしょう。
もともとあった配管などをそのまま使えるため、リフォーム費用は抑えられます。光熱費や生活費の節約効果が大きいのもこのタイプです。また、家事分担もしやすいので、お互い仕事をしている場合でも負担を減らせるでしょう。特に小さい子どもがいる場合は、協力して子育てをしやすいといえます。
ただ、ほとんどの場所を共有しているためプライバシーの確保はしにくくなります。年代が違うと生活リズムが合わなかったり、食の好みが合わなかったりということも考えられます。また、身長差によってキッチンや洗面台などの高さが合わないこともあります。
部分的に共有する間取り
玄関とキッチン、リビングダイニングのみ共有して浴室やトイレなどは別々、玄関のみ共有してキッチンやリビングダイニング、浴室、トイレなどは別々というように、部分的に共有する間取りは、生活スタイルに合わせてどこを共有するか決めましょう。
共有する設備が多ければ多いほど、リフォーム費用は抑えられます。ほどよい距離感ができ、必要以上に気兼ねすることなく生活できるでしょう。共有する部分によっては家事もほどよく分担できます。
ただ、玄関が一緒だと帰宅が遅いときや来客のときに気を遣うこともあるでしょう。プライバシーも完全には守られません。また、将来的には設備の多い広い家が残ることになります。
完全に分離する間取り
建物はひとつですが、玄関やキッチンなどの水回り、食事スペースなどのすべてを別々にする間取りは、同じアパートの隣、もしくは上下に住んでいるような感覚でしょう。近くでお互いが見守れるという安心感があります。
左右で分離する場合は足音や物音が気にならないというメリットがありますが、広い土地が必要です。上下で分離する場合は空間を有効活用できますが、生活音が気になることがあります。水回りの設備を上下で同じ位置にすると、音は軽減されるでしょう。
このタイプは、生活時間の違いを気にすることがなく、プライバシーも守られます。完全に分離しているので、将来的に住まなくなったほうを賃貸として貸し出すことも可能です。
ただ、すべての設備を作る必要があるためリフォーム費用はかさみますし、光熱費の節約といったメリットもなくなるでしょう。また、すぐ近くに住んでいるとはいえ、行き来をしない限り日常的に会話をすることも少なくなります。建物内にお互いが行き来できる扉をつくるなど、コミュニケーションがとれる工夫をするのもよいでしょう。
二世帯住宅にリフォームする際の注意点
二世帯で住むことでにぎやかに楽しく暮らせたり、家事や子育ての分担ができたりとうれしい面もありますが、プライバシーが守られないなどの問題も出てきます。ここでは、リフォームをする前に知っておきたい注意点についてご紹介します。
ライフスタイルなどに合った間取りにする
家族構成やお互いのライフスタイル、さらにお互いの世帯の関係性によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。食事は一緒にとるか、一日のうちどのくらいの時間を共有したいかなど、実際の生活をイメージしてみましょう。
たとえば、メインの浴室やキッチンとは別にシャワー室やサブキッチンを作っておくと、使いやすくなることもあります。
ルールを決める
プライバシーの確保をするために、個室には勝手に入らない、鍵をかけるなどのルールをあらかじめ話し合って決めておきましょう。
また、家事分担ができるというメリットも、誰かに偏ってしまうと負担は大きくなります。関係性が悪くならないように、最初に決めておくと安心です。光熱費の負担の割合をどのようにするかも決めておくとよいでしょう。
まとめ
二世帯住宅には、どこを共有するかによって間取りの選択肢が増え、世帯ごとに分離することもできます。それぞれのライフスタイルや家族構成、関係性を考慮して決めましょう。
二世帯住宅にはメリットもありますがデメリットもあります。長期間家族全員が快適に暮らせるような間取りにして、家族間であらかじめルールを決めておくとトラブルも防げるでしょう。