リノベのハウツー
2020.05.16
アパートをリフォームする上で気を付けたいこと。DIY型賃貸物件についてもご紹介
アパートに何年か住み続けていると、家のいろいろな部分に経年劣化が見られたり、デザインに飽きてしまったりすることもあるでしょう。そんなときはリフォームで手を加えて、気分を一新したいところです。ただし、賃貸物件の場合は退去時に原状回復する必要があるため、簡単に原状回復できないリフォームは難しくなります。
この記事では、アパートをリフォームする際に気を付けたいポイントを紹介していきます。
そもそもアパートはリフォームできるのか
いくら賃料を支払っているとはいえ、アパートの所有権は貸主、すなわち大家さんにあります。そのため、借主は部屋を引き払う際には借りたときの状態で返す必要があります。
なお、「借りた時の状態で返す」と言っても、普通に暮らしていた際に古くなってしまった部分、たとえば経年劣化等は元に戻す必要はなく、大家さんの負担になります。これは民法621条に明記されています。
経年劣化とはいえない部屋の損傷は元に戻す必要がありますが、ここで問題となるのは何をもって「損傷」とするかです。一つの目安としては、部屋の構造を変えてしまうような改造は「損傷」扱いになります。しかし、大家さんにとっては、自腹でリフォームするよりも借主が直してくれたほうが望ましい場合もあります。
そのため、リフォームの際はまず大家さんや管理会社に相談するといいでしょう。アパートリフォームに関するトラブルの多くは「無断で」リフォームした場合です。リフォーム前の確認は大事です。
リフォームを考えているならDIY型賃貸物件がおすすめ
個別に相談すればリフォームできる場合があるとはいえ、リフォームするのにいちいち相談するのは面倒に思えることもあるでしょう。また、相談したからといって自分の希望通りのリフォームができるとは限りません。「いずれはリフォームしたい」と考えている方には、借主がリフォームすることを織り込み済みで賃料が安くなっている「DIY型賃貸物件」がおすすめです。
本来、賃貸物件を修繕したり改装したりする義務は、民法606条1項にあるように貸主にあります。しかし、場合によっては借主がリフォームしたほうがお互いにとって得な場合も出てきます。たとえば、借主にはリフォームするやる気も資金もある一方で、貸主が高齢化や資金難などでリフォームに手を付けられない場合など、借主にリフォームしてもらってその分賃料を安くしたほうが、お互いにとって得となるわけです。これを制度化したのが「DIY型賃貸物件」です。
DIY型賃貸物件の借主側のメリット
DIY型賃貸物件における借主のメリットはさまざまです。
まず、大家さんや管理会社に相談することなく、気兼ねなくリフォームできるという点が挙げられます。
一般的な賃貸物件の場合、どのようなリフォームが可能・不可能か、リフォーム前に貸主に相談するのが無難ですが、話し合いの場面と実際にリフォームを行ってからとで意見が食い違ったりすることも考えられ、トラブルを恐れて「やっぱりやめておくか……」となることもあります。
しかしDIY型賃貸物件の場合、リフォームできる範囲や規模が最初からわかっているので、リフォームする側は安心してリフォームに取り掛かることができるでしょう。また、DIY型賃貸物件では借主負担のリフォームで賃貸物件の価値が上がることを見越しているので比較的賃料が安めです。さらに、借主が退去する際の原状回復義務がないため、トラブルも少なめです。
DIY型賃貸物件の貸主側のメリット
貸主のメリットとしては、自分の賃貸物件を無駄にすることなく活用できる点が挙げられます。貸主としては自分のアパートでもって賃料収入を得たいわけですから、借主がアパートを直してくれるのであれば願ったりかなったりということになります。
原状回復を見越したアパートリフォーム
DIY型賃貸物件を借りて本格的にリフォームするのは難しい場合もあるかと思います。そんなときは、原状回復しやすい範囲内でのリフォームをおすすめします。
たとえば、突っ張り棒を利用して収納スペースを作ったり、キッチンカウンターを設置する代わりに、サイドボードを有効に活用してみたり。これなら家具を設置するだけなので、原状回復も容易です。
ホームセンターなどに足を運んでみるとDIYグッズが豊富に取り揃えられているので、そういったものを見ながら「どんな部屋にしようかな」と考えるのも楽しいはずです。
まとめ
賃貸アパートでも、大家さんにあらかじめ相談したり、DIY型アパートを契約したり、原状回復が可能な範囲でお手頃リフォームをしたり、リフォームできる可能性が十分にあることがおわかりいただけたでしょうか。現在の住まいに合ったやり方で、素敵な自分だけの住まいにしてくださいね。