リノベのハウツー
2020.05.22
住宅ローンを考える〜3000万円を借り入れる場合のシミュレーション
住宅ローンを検討するにあたり、月々の返済額や総返済額がどれくらいになるのかは気になるところですよね。金利タイプや返済方法によって返済額は異なってくるため、何を選べば良いのか迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、住宅ローンの金利タイプや返済方法をおさらいした上で、実際に3000万円を借り入れる場合のシミュレーションをしてみましょう。
金利タイプと返済方法
はじめに住宅ローンの金利タイプと返済方法について、簡単に確認していきます。
住宅ローンの金利タイプ
まず、住宅ローンの金利タイプは「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」の3種類。それぞれの特徴を簡単にまとめると、次の通りです。
●固定金利型:借入期間中の金利が一定になるタイプ。
●変動金利型:市中金利の動向に応じて、借入期間中も金利が変動するタイプ。
●固定金利選択型:当初一定の特約期間は固定金利で、特約期間終了後に改めて固定金利か変動金利かを選択するタイプ。
変動金利型や固定金利選択型は状況によって返済額が変化するため、返済額を正確にシミュレーションできません。今回は、固定金利型でシミュレーションしていきます。
住宅ローンの返済方法
金利タイプと合わせて確認しておきたいのが返済方法。住宅ローンの返済方法としては、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。これも特徴を簡単にまとめると、次の通りです。
●元利均等返済:返済期間を通じて、月々の返済額が一定になる返済方法。
●元金均等返済:月々の返済額のうち、借入額の返済に充てられる元金部分の返済額が一定になる返済方法。
元金均等返済の場合、借入期間が進むほど借入残額に対してかかる利息部分が減っていくので、月々の返済額も小さくなっていくというのが特徴。今回は、それぞれの返済方法についてシミュレーションしていきます。
シミュレーションのやり方
金利タイプと返済方法について確認したところで、本題のシミュレーションです。住宅ローンのシミュレーションをするやり方としては、エクセルの数式を使って自ら計算する方法と、各種金融機関が提供するシミュレーションサイトを利用する方法があります。
エクセルの計算式でシミュレーション
表計算ソフトのエクセルには、元利均等返済・元金均等返済の返済額を計算するための関数が用意されています。使用する関数は以下の通りです。
●PMT関数:元利均等返済における毎月の支払い額を計算する関数。
●IPMT関数:元利均等返済で、特定の月に支払う利息部分を計算する関数。
●PPMT関数:元利均等返済で、特定の月に支払う元金部分を計算する関数。
●ISPMT関数:元金均等返済で、特定の月に支払う利息部分を計算する関数。
元金均等返済の場合、元金部分の月支払額は固定なので、ISPMT関数で利息部分を計算すれば月支払額の合計は計算できます。全ての月について計算した上で合計すれば、総返済額も計算できるというわけです。
この後、この方法で計算したシミュレーション結果をご紹介します。
金融機関のシミュレーションサイトを利用する
最も手軽にシミュレーションするには、各種金融機関のシミュレーションサイトを使用するのが良いでしょう。金融機関によっては、年収・月返済可能額・借入希望額など、さまざまな角度からシミュレーションできるのが魅力です。
・参考:みずほ銀行「住宅ローン返済額シミュレーション」
・参考:楽天銀行「住宅ローンシミュレーション」
・参考:フラット35「クイック・シミュレーション」
シミュレーションその1〜元利均等返済の場合〜
それでは、先ほどご紹介したエクセルを使ったシミュレーション結果について見ていきましょう。今回は、次のような条件で3000万円借り入れることを想定します。
借り入れ条件の想定
●金利:固定金利年1.24%
※フラット35における借入期間35年の場合の金利を採用(2020年3月現在)
●借入期間:35年
元利均等返済のシミュレーション結果
この条件で住宅ローンを借り入れ、元利均等返済で返済する場合のシミュレーション結果が次の通りです。
●月々の返済額:約8.8万円
●総返済額:約3699万円(利息支払額:約699万円)
シミュレーションその2〜元金均等返済の場合〜
続いては、同じ条件で借り入れて、元金均等返済で返済する場合のシミュレーション結果についても確認してみましょう。
元金均等返済のシミュレーション結果<
元金均等返済で返済した場合、元利均等返済のシミュレーション結果とどのような差があるのかに注目してみてくださいね。
●初回の返済額:約10.2万円
●17年目末の返済額:約8.7万円
●35年目末の返済額:約7.1万円
●総返済額:約3649万円(利息支払額:約649万円)
シミュレーション結果を比較して分かること
元利均等返済と元金均等返済のシミュレーション結果を比較すると、次のようなことが分かります。
●初回の支払額は元金均等返済の方が約1.4万円高いが、17年目末以降は元金均等返済の方が安くなる。
●総返済額では、元利均等返済の方が約50万円高くなっている。
当初の経済負担は軽いが総支払額は高い元利均等返済と、当初の経済負担は大きいが最終的な支払額が少ない元金均等返済という性質が、ハッキリと現れていますね。
まとめ
今回は、実際に3000万円の住宅ローンを借り入れる場合、どれくらいの返済額になるのかシミュレーションしてきました。
返済方法をどうするかによって返済額に差が出る、ということを実感できたのではないでしょうか。金利によっても結果は大きく変わりますので、ぜひご自身でもシミュレーションしてみると良いでしょう。