リノベのハウツー
2020.05.20
住宅ローンは固定金利型がいいの?金利と上手に向き合うコツとは?
新築購入でもリノベーションでも住宅ローンを組む際に選択を迫られるのが、変動金利型又は固定金利型による金利の種類の選択です。変動金利型は最も低金利で融資が受けられるものの、金利上昇によるリスクがあります。
一方で固定金利型の場合、金利上昇によるリスクこそないものの、変動金利型よりも高めに金利が設定されていることや、金利の下落による恩恵を受けられないなどのデメリットがあるなど、どちらの金利を選んでもそれぞれ一長一短があります。
たかが0.1%の金利差と言えども、高額な住宅ローンを10年も20年も借りればその差はウン百万円以上にもなりかねない話。そこで今回の記事では、固定金利型の住宅ローンの仕組みを通して、金利と上手に向き合うコツを解説していきます。
固定金利型住宅ローンの種類
固定金利型住宅ローンの特徴は、返済期間の一時期又は全期間において固定された金利が適用されることです。
一律の金利が適用されることで、変動金利型住宅ローンのように金利上昇による煽りを受けることなく、月々の返済金額も常に一定であるため返済計画を立てやすいという利点があります。
その反面、変動金利型よりも金利が高めに設定されているので、変動金利型のほどの優遇が受けられないことや、金利が下落した場合の恩恵も受けられないなどのデメリットもあります。
また、固定金利型住宅ローンには、一定期間金利を固定させる「固定金利特約型」と「全期間固定型」の2種類に分けられます。
「固定金利特約型」とは、変動金利をベースに当初借入から一定期間固定金利が適用できる金利の仕組みで、固定期間には3年や5年といった比較的短い期間から、10年や20年といった比較的長期なものまで様々です。
固定期間内に返済が終わらなかった場合には、固定期間終了後に違う金利タイプを選ぶことができますが、金利が当初借入時より上昇している可能性もあります。
全期間固定型は「フラット35」に代表されるような、すべての返済期間において一律の金利が適用されるタイプです。当初借入時より全返済期間の金利が確定するため、金利変動による影響を一切受けないことや返済計画が立てやすいことが大きな特徴ですが、他のどの金利タイプよりも金利が一段と高めに設定されているのがデメリットでしょう。
近年における固定金利型住宅ローンの動向
固定金利型住宅ローンを含む住宅ローンのすべての金利タイプは、バブルがはじけて大幅に下落して以降、現在に至るまで下落基調が続いています。店頭表示金利については、平成8年よりほぼ横ばいに推移しているものの、金融機関各社とも優遇金利による引き下げが続いたことで、変動金利並みの低い金利で固定金利特約型ローンを売り出している金融機関まで現れました。
また、全期間固定型ローンについても2016年に日本銀行がマイナス金利政策を打ち出した影響もあり、1%台にまで下落するなど最低水準を更新している状況です。
ただし、変動金利についてもここ10数年の間は横ばいで推移していることもあり、最近では当初借入時の金利が最も低い変動金利型住宅ローンを採用する人が半数以上を占めるようになってきています。
また、新築より概して低価格で行えるリノベーションが増えたことで、短期返済向きの変動金利を選ぶ人が増えたとも考えられます。
金利が0%以下になることはまずあり得ないので、長期的に見ても今が最も低水準に当たる時期ではないかと判断されているところです。
固定金利型住宅ローンを借りるメリットとは?
変動金利型ローンを採用する人が増え、一見したところ固定金利型住宅ローンのメリットが薄れてきているかのように見えますが、そうとも言えません。固定金利型住宅ローンを採用した方が有利になる場合もあります。
特にここ最近の住宅ローン金利は0%に近い低水準で推移していますから、将来的には金利の下げ幅が小さくなり上昇局面に転じることも予想できます。その場合は、当初借入金利を固定させた固定金利型の方が結果的に総返済額を抑えられる可能性もあります。
短中期的なら金利にそれほど大きな変動はない局面でも、15年や20年以上にも及ぶ長期スパンにもなると、専門家でさえ金利の動向を的中させるのは至難の業です。このような金利変動のリスクを鑑みると、長期間借入する場合は金利がやや高めであっても現在の金利を固定させた固定金利型住宅ローンを選択する方が得策かもしれません。
また、固定金利型は当初借入時点で適用金利が確定されることもあり、返済計画が立てやすいのも魅力の一つです。返済期間が長期に及ぶようであれば、リスクが少なく返済計画の立てやすい固定金利型を選ぶことも、賢い金利選びの一つと言えます。
まとめ
固定金利型住宅ローンには、一定期間金利を固定させる「固定金利特約型」と「全期間固定型」の2種類があります。
変動金利を選ぶ人が多い昨今ですが、ご自身の返済期間や市況などを十分検討した上で、金利タイプを決めることが上手に金利と付き合うコツと言えます。