リノベのハウツー
2020.04.18
リノベーション向け物件を購入したい!購入前に知っておきたいポイントとは?
最近では住まいを取得するにあたり、中古物件を購入してリノベーションするという人も増えています。その一方で、中古物件を購入するのは不安という人もいるかもしれません。
そこで今回は、リノベーション向け物件を購入する上で、知っておきたいポイントをご紹介していきます。
耐震性は築年数に要注意!
リノベーション向け物件を購入する上で注意したいポイントの一つ目は、耐震性。耐震性を確認する一つの基準として、築年数を見てみると良いでしょう。
マンションの場合は「1981年」に注意
中古マンション購入で注意したいのが、1981年6月以降に建築確認を受けた建物かどうかという点。
1981年6月から、「旧耐震基準」に代わって現行の「新耐震基準」が適用されています。旧耐震基準では震度5強程度の揺れに耐えられる構造が求められていましたが、新耐震基準で求められているのは震度6強〜7程度の揺れにも耐えられる構造。新耐震基準を満たしていない建物は、大地震で倒壊する可能性もあります。
ただし、旧耐震基準=耐震性に問題ありというわけではありません。築古物件の場合、過去に耐震診断や耐震補強を行なっているかどうか確認しましょう。
・参考:R.E.words不動産用語集「新耐震基準」
戸建の場合は「2000年」に注意
中古戸建を購入する場合には、2000年以降の建物かどうかという点に着目しましょう。
新耐震基準の後、2000年にも建築基準法が改正されました。この際、基礎構造や耐震壁の配置に関する基準など、木造住宅の耐震基準が大幅に強化されているのです。これを「2000年基準」と言います。
2016年の熊本地震では、新耐震基準を満たす木造住宅にも大きな被害が出ました。このことからも、2000年基準を満たしているかどうかという点は重要と言えるでしょう。
・参考:防災リテラシー研究所「新・新耐震基準=2000年基準」
見えない設備は見えている?
続いて注意したいのが、見えない設備。
代表的なのが、水回りの給排水配管。築年数が古くなれば、当然配管も老朽化していきます。表面上は綺麗に見えても、配管が古いままだと漏水や悪臭のリスクがあるのです。老朽化している場合には交換が必要ですが、工事に関してはマンションと戸建で事情が異なります。
戸建であればリノベーションと合わせて、床下の配管を確認して交換することも比較的容易でしょう。
一方、マンションでは配管が他の住戸と繋がっているので、1つの部屋の配管を交換しただけではあまり意味がありません。また、築古のマンションでは、配管が階下の天井裏に設置されている場合があります。この場合には、階下の部屋の天井から工事をしなければならず、実施が困難になることも想定されるのです。
構造は変えられない
三つ目の注意点が、建物の構造。リノベーションは建て替えではないため、建物構造を変更することはできません。厄介なことに、構造によってはリノベーションに制限がかかることがあるのです。
マンションは「壁式構造」か「ラーメン構造」か
まず、マンションの構造について解説します。マンションの建物構造には、大きく分けて「壁式構造」と「ラーメン構造」の2つがあります。
●壁式構造:柱や梁を設置せず、壁で建物を支える構造。
●ラーメン構造:や梁を組み合わせた枠によって、建物を支える構造。
ラーメン構造は柱や梁で支えているため、基本的に壁を取り除いても強度に影響しません。一方で、壁式構造は壁が建物を支えているので、取り除けない壁が多い点がネック。間取り変更に制限があるため、リノベーションには向いていないと言われます。
なお、戸建でも鉄筋コンクリート造の場合は、マンションと同様に考えてください。
木造戸建は「木造軸組工法」と「2×4工法」
対する木造戸建については、主に「木造軸組工法(在来工法)」と「2×4(ツーバイフォー)工法」が挙げられます。
●木造軸組工法:柱、梁、筋交いを組み合わせて家を支える工法。
●2×4工法:枠組みに板を張ったパネルを組み合わせて家を支える工法。
木造軸組構法は、柱・梁・筋交いを残せば強度的に問題ないため、比較的自由に間取りを変更可能。2×4工法は壁が建物を支えているため、間取り変更の自由度が低く、リノベーションにはあまり向かないとされます。
・参考:西日本住宅「在来軸組工法」、「2×4工法」
時にはホームインスペクション
ここまで、耐震性・見えない設備・構造という3つの注意点を挙げましたが、素人目で判断できる範囲は限られます。
リノベーションに適切な物件かどうか確認するためには、プロによる住宅診断(ホームインスペクション)を実施するのもオススメです。建物の現状をプロの目で診断してもらい、問題のある箇所は別途修繕を依頼するという流れになります。
費用はかかりますが、ぜひ検討してみると良いでしょう。
まとめ
理想の住まいを作る一つの手段としてリノベーションは有効ですが、建物そのものの構造を変えられるわけではありません。リノベーション向け物件を購入する際には、時にプロの目を借りながら、しっかりと検討する必要があるのです。
以上、今回はリノベーション向け物件を購入するにあたっての注意点をご紹介しました。