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2020.01.24

金利の推移で考える、住宅ローンの借りどきと選び方

金利の推移で考える、住宅ローンの借りどきと選び方

住宅は高額な買い物ですからローンの返済は長期間、少しの金利の差でも返済額には大きな差が出てしまいます。ならば金利は少しでも低い方がいいでしょう。空前の低金利時代といわれている現在ですが、今よりさらに下がったりすることはないのでしょうか?

今回の記事では今までの住宅ローン金利の推移を見ながら、高かった時期とその理由を説明します。また金利が上がる・下がると予想した場合に、それぞれ選ぶべき住宅ローンのタイプを紹介します。

■目次
1.  住宅ローンの金利が高かったのはいつ?
2.  バブル崩壊以降の景気の推移
3.  金利の推移を予測するのは至難の業!
4.  変動と固定、どちらの金利を選ぶべき?
5.  変動金利を安全にする2つのルール
6.  先の見通しが効く固定金利
7.  まとめ

 

住宅ローンの金利が高かったのはいつ?

金利の推移で考える、住宅ローンの借りどきと選び方



※ 主要都市銀行のHP等により集計した金利(中央値)を掲載。なお、変動金利は昭和59年以降、固定金利期間選択型(3年)の金利は平成7年以降、固定金利期間選択型(10年)の金利は平成9年以降のデータを掲載。 ※ このグラフは過去の住宅ローン金利の推移を示したものであり、将来の金利動向を約束あるいは予測するものではありません。
引用元:https://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
住宅金融支援機構が公開している上のグラフでも分かる通り、住宅ローンが高かったのは平成3年です。8.5%となった住宅ローンの金利は急激に下がり、現在も低い水準で推移しています。

なぜ平成3年に住宅ローンの金利が高くなったのか?というと「好景気に歯止めをかけるため」です。平成に入ってからも土地・株を中心とした高値は変わらず、日本はバブル景気にわいていました。

一方で広がったのは不公平感、土地や株は高すぎて簡単には手には入りませんし、すでに持っている人ばかり豊かになっていくのです。
そこで大蔵省は平成2年に「土地関連融資の抑制について」という通達を出して、不動産向け融資を抑えるよう金融機関を指導しました。

日本銀行も各銀行へ貸出す利率、公定歩合を6%にまで急激に引き上げました。結果、住宅ローンも8.5%まで上昇したのです。

バブル崩壊以降の景気の推移

平成2年に取られた政策で行き過ぎていた好景気にストップがかけられました。
しかし困ったのが、今度はいつまでたっても景気が良くならないこと。バブル崩壊以降、失われた20年とも30年とも呼ばれる低成長時代に日本は突入してしまいました。

日本銀行はお金を回すことで景気を回復させようと考えますから供給し続けます。平成6年に金利自由化が完了して以来、公定歩合という言葉は使われなくなりました。

しかし市場にお金を供給し続けることで、企業や個人がお金を借りやすくするという姿勢は変わっていないのです。このことは現在低い水準で推移している住宅ローン金利にも現れています。

金利の推移を予測するのは至難の業!

以上のことからわかるのは、景気が良くなったら住宅ローンの金利が上がり、悪くなったら金利が下がることです。

現在、公定歩合にかわって「短期プライムレート」と「10年物国債の利回り」という2つの指標が、住宅ローンと深い関係を持つようになりました。

前者は住宅ローンの変動金利に、後者は固定金利に影響を与えているのですが、だからといって短期プライムレートや国債の利回りの推移をにらんでいても、住宅ローンがいつ下がるか?はわかるはずがありません。

なぜなら、それぞれの指標は景気により変動するから。景気は物価、為替レートなど様々なものの影響を受けているからです。金融の専門家でも景気の動向などわかるはずがないのです。

変動と固定、どちらの金利を選ぶべき?

はっきりしていることは、現在の住宅ローンは低金利で推移しているということです。

これからも低金利が続くと考えるならば「変動金利」を選べば良いわけですし、これから金利が上がるかもしれないと考えるならば「固定金利」を選べばよいでしょう。

両方を合わせた「固定期間選択型」住宅ローンも用意されています。

変動金利を安全にする2つのルール

金利の低さにひかれて変動金利の住宅ローンを選ぶと返済に苦しむことになる、とはよくいわれていることです。しかし金利の急上昇に備えて「5年ルール」と「125%ルール」が定められていることはご存知でしょうか?

■5年ルール
住宅ローンの金利が変わったからといって、すぐに金利が上がったり下がったりするわけではありません。金利が変動するとはいえ返済額が変動するのは5年単位、5年間はローンの返済額が変わらないのが「5年ルール」です。

■125%ルール
変動金利型の住宅ローンは5年ごとに月々の返済額が見直されます。とはいえ6年目から返済額が2倍や3倍になったりはしません。返済額は上がっても1.25倍までという「125%ルール」が定められているからです。
比較的金利が低い変動金利は魅力的です。国土交通省「平成30年度住宅市場動向調査」によると平成29年に変動金利の住宅ローンを選んだ人は50.7%に及んでいます。

先の見通しが効く固定金利

5年ルールや125%ルールがあるとはいえ、ローンの返済額が上がるのは不安という方が選ぶべきは固定金利です。

上の調査によると全期間固定金利型を選んだ人は18.1%、残りは固定金利と変動金利がいっしょになった固定期間選択型を利用しています。

まとめ

金利の推移で考える、住宅ローンの借りどきと選び方

住宅ローンの金利は景気に合わせて推移してきました。それだけに未来の推移を予想するなど至難の業、もっと安くなるのではないか?などと考えていては、いつまでたっても住宅を手に入れることはできません。
住宅の買い時とはズバリ欲しくなったとき、ローン金利が低くなったときではありません。そしてこれまでの推移を見ても、今の住宅ローンは十分に低いと考えられるのです。それよりもローンの返済のタイプを考えていきましょう。

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