リノベのハウツー
2020.08.15
「マンションは南向きがベスト」は本当?南向き部屋のメリット・デメリットを徹底検証
マンションが建つ方角を考えた時、もっとも人気が高いのは「南向き」の物件です。漠然と「マンションを選ぶなら南向きがベスト」と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、実際には南向きの部屋にもデメリットはあります。
そこで今回は、マンションの南向き物件についてメリット・デメリットを整理してご紹介。方角別に見る部屋の特徴や、南向き物件が向いている人の特徴についてもお伝えしていきます。
日当たりの良さから人気の南向き部屋
まずは、南向きが人気の理由について見ていきましょう。南向きの人気が高いのは、次のようなメリットがあるからなのです。
日照時間が長く、日当たりがいい
南向き最大のメリットが日当たりの良さ。太陽は東から昇って、南の空を通って西に沈みますので、南向きだと一日中日差しが降り注ぎます。他の方角に面した物件に比べ日照時間が長いため、日当たりがとてもいいのです。
日当たりがいいので明るくて暖かい
一日を通して日当たりがいいため、日中はどの時間帯も室内が明るいのもメリット。日差しが出ていれば電気要らずです。また、冬場でも日差しがたっぷりで暖かいのも嬉しいところ。
意外かもしれませんが、南向きは夏場も快適と言われています。なぜなら、夏になると太陽の南中高度が高くなるため、部屋の内部まで日差しが入り込まないから。このように一年を通して過ごしやすいというのは、南向きならではの魅力と言えます。
外干しの洗濯物が乾きやすい
洗濯物を外干しするにも、南向きはもってこいの環境です。朝から夕方まで日差しが期待できるので、例え洗濯する時間が遅くなってしまっても、比較的乾きやすいと考えられます。
湿気が溜まりにくく、カビが繁殖しづらい
暗い部屋は湿気が溜まりがち。湿気を放置すると、至るところにカビが生えてしまい、室内環境が悪化してしまいます。その点、南向きは日差しによって湿気が緩和されるので、湿度の低い環境を保てるのです。
日当たりの良さが招く南向きならではのデメリット
ここまで南向きのメリットについて解説してきましたが、日当たりの良さは、状況によってデメリットにもなり得るのです。続いては、南向きならではのデメリットについてご紹介していきます。
物件価格や賃料が高くなりやすい
繰り返しになりますが、南向きはもっとも人気が高い物件。そのため、他の方角向きの部屋に比べて、物件価格や賃料が割高になる傾向が見られます。
床・壁やインテリアが傷みやすい
日照時間が長い分、日の当たる範囲の床・壁やカーテンなどのインテリアが傷みやすい点はデメリット。まれに床や壁にひび割れが入ってしまうこともあるので、遮光カーテンや紫外線カットフィルムを用いるなどの対策がおすすめです。
周囲に建物が建つとメリットが消滅する危険がある
これは元も子もない話なのですが、高層階に住んでいる場合を除いて、周辺に建物が建ってしまえば日差しが遮られ、南向きとしてのメリットはほぼなくなってしまいます。南向き物件の購入を検討しているなら、南側敷地に建物の建設予定がないかどうか、しっかり確認しておきましょう。
方角別に見るマンションの部屋の特徴
南向きのメリット・デメリットについて見てきましたが、部屋が向いている方角によって異なる特徴があるのです。ここでは、南向き以外の部屋について、方角別にその特徴をまとめてお伝えします。
南向きに次いで人気の「東向き」
南向きの次に人気なのが「東向き」の部屋。太陽が昇る方向を向いているため、朝起きる時にたっぷりと日差しが差し込むという点が魅力です。ただし、午後は日差しがほとんど入らないというデメリットもあります。
西日が差し込む「西向き」
「西向き」の部屋は西日が強く差し込むため、あまり人気がありません。特に夏場は西日のせいで暑くなりやすく、電気代が高くなりがちです。一方で、夕焼けを楽しめるというメリットもあります。
もっとも敬遠されがちな「北向き」
一日を通して日当たりが悪く、もっとも敬遠されがちなのが「北向き」の部屋。夏場は比較的涼しいですが、冬場はどうしても寒くなりやすく、おまけに洗濯物が乾きにくいというデメリットもあります。その分、購入価格や家賃は安価になる傾向があるため、日当たりを気にしない人であればお得感があるかもしれません。
南向き部屋がおすすめなのはこんな人
方角別の部屋の特徴について見てきたところで、最後に南向きがどのような人に向いているのかご紹介します。南向きの部屋が向いていると考えられるのは、次のような特徴に当てはまる人です。
・日中家にいる時間が長い人
・小さな子どもと一緒に暮らしている人
・ベランダやバルコニーでガーデニングをしている人
・物件を購入し、将来的に売却を考えている人
定年退職後のシニア層や小さな子供がいるファミリー、在宅ワークをしている人など、家にいる時間が長い人は南向きがおすすめ。南向きは植物がよく育つので、ガーデニングが好きな人も向いています。
南向きは人気が高いということを踏まえると、将来的に売却しやすいとも捉えられます。よって、物件売却を視野に入れている人も南向きが向いていると言えるのです。
逆に、共働き世帯のような日中ほとんど家にいない人や、夜仕事に出かける人などは、南向き以外で探すのもいいでしょう。
まとめ
日当たりの良さから人気の南向き物件ですが、メリットもあればデメリットもある、ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。一般的にメリットである日当たりの良さも、人によってはデメリットにもなり得ます。
一般論で南向きを選ぶのではなく、ライフスタイルや好みに合わせて、適した方角の物件を選ぶことが大切なのです。
以上、今回は南向き物件のメリット・デメリットや、方角ごとの部屋の特徴について解説しました。