リノベのハウツー
2020.04.13
リノベーション済みの賃貸マンションを借りる前に〜物件のここをチェックせよ!
新築に比べて安価にもかかわらず、内装がきれいで魅力的なリノベーション済みの賃貸マンション。お得に理想の部屋を借りられる可能性もありますが、同時に注意すべきポイントもあります。
そこで今回は、リノベーション済みの賃貸マンションを借りる際、チェックしておきたい注意点をご紹介しましょう。
築年数と耐震性
リノベーション済みの賃貸マンションを検討する上で、最も注意しなければならないのが、築年数と耐震性です。なぜなら、リノベーションにより部屋の内装はきれいになっていても、建物の構造は建設当時のままという場合があるからです。
築年数を考える際、一つの基準になるのが1981年6月という時期です。これ以降に建築確認を受けたマンションは「新耐震基準」を満たしていると考えられます。新耐震基準では、震度6強〜7程度の揺れでも耐えられることが求められており、現時点でも耐震性を有していると判断できるのです。
一方で、1981年5月以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」です。旧耐震基準は、震度5強程度の揺れで倒壊しないことが求められていたため、震度6以上の大地震が発生した場合の耐震性については保証されていません。
(参考:R.E.words不動産用語集「新耐震基準」)
ただし、1981年5月以前に建設された建物でも、過去に耐震診断を受けていれば事情は異なります。耐震診断の結果、新耐震基準に相当する耐震性を有することが証明されていれば問題ありません。また、耐震補強工事を実施している物件も同様です。
こうしたことから、1981年5月以前に建設されており、耐震診断を受けた実績がない中古マンションは要注意と言えるでしょう。
メンテナンスの状況
居室部分がリノベーションされていても、エントランスや廊下などの共用部は未改装という中古マンションも多いはずです。そのため、共用部のメンテナンスが適切にされているかどうかはチェックする必要があります。
共用部は、住人が家賃とともに支払う管理費などを原資として、メンテナンスされています。もし共用部が清潔に保たれていないのであれば、そのマンションの管理体制は機能していない可能性があります。また、住人たちの美化意識が低いことも考えられます。
エントランスや廊下がきれいに保たれているか、メールボックスやゴミ捨て場が整理整頓されているかなど、内見の際に合わせて確認しておくと良いでしょう。
また、意外と見落としがちなのがセキュリティ面です。最近のマンションではオートロックや防犯カメラなどがついている物件も多いですが、築古の中古マンションは防犯設備が乏しい場合も多いです。内見時には、防犯対策がなされているかどうかもチェックしておきましょう。
見えない設備の状況
リノベーションで表面上はきれいになっていても、見えない部分の設備がメンテナンスされているかは別問題です。見えない部分で、特に注意したいポイントをご紹介します。
防音性に問題はないか
建物自体は築古のマンションですから、構造上、防音性に乏しい可能性があります。隣の部屋の生活音はもちろんのこと、上下階から発せられる音も結構気になるものです。
リノベーションの際に間取り変更が行われている場合は、特に注意が必要です。間取り変更によって上下階と水回りの場所が変わっていると、思わないところで、生活音が気になる場合もあります。
内見時に自分の耳で状況を確認するのと合わせて、過去に騒音問題が発生していないかどうか、管理人や不動産会社に問い合わせてみると良いでしょう。
配管に問題はないか
もう一点、見えない設備で注意が必要なのが給排水管の老朽化です。
給排水管の一般的な寿命は30〜40年程度。本来設置から15年程度で調査の必要が生じ、腐食などが発見されれば交換しなければなりません。老朽化したまま放置していると、漏水や悪臭など深刻な問題に発展する可能性があるので注意です。
(参考:大京穴吹建設「給水管・排水管改修工事」)
内装がリノベーションされていても、給排水管は交換されていないということもあります。見た目だけでは判断がつかない部分なので、これも管理人や不動産会社に問い合わせることをオススメします。
まとめ
リノベーション済み賃貸物件は表面上きれいに見えても、あくまでも中古マンションです。新築と同じ目線で見ていると、欠陥を見逃してしまう危険性があります。後悔しないためにも、ここでご紹介したチェックポイントを意識して内見すると良いでしょう。
以上、今回はリノベーション済み賃貸マンションを借りる際に注意すべきポイントをご紹介しました。