リノベのハウツー
2020.04.17
低金利時代に選ぶべき住宅ローンとは?住宅ローンを組む上で抑えたいポイント
長らく続く低金利時代。住宅ローンが借りやすくなっているとは言え、どのような住宅ローンを選ぶべきなのか悩んでしまいます。
そこで今回は、金利タイプと返済方法それぞれについて、低金利時代に選ぶべき住宅ローンのポイントをご紹介していきます。
低金利だと住宅ローンは組みやすい?
まず大前提として、低金利時代に住宅ローンを借り入れることの意味についてお話ししておきましょう。
金利が低ければ、住宅ローンを借り入れても返済額が少なくて済みますから、借り手側からすればハードルが下がります。この点からすれば、住宅ローンは組みやすい状況と言えるでしょう。
一方で、住宅ローンは長期間に渡って借り入れることが多く、金額も大きいものです。2〜3年の金利予想だけで判断するのは、非常にリスクが大きいのも事実です。「低金利だから住宅ローンを組んでも大丈夫」という考え方は危険です。将来的に金利が再び上昇する可能性も見据えて、余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。
変動金利と固定金利はどちらがお得?
低金利時代においても、住宅ローンを組む際には慎重な検討が必要だということをご紹介しました。それでは、まず金利タイプの選択について解説していきます。
短期で見れば変動金利がお得
短期の住宅ローンを組むのであれば、固定金利よりも変動金利の方がお得です。なぜならば、固定金利に比べて変動金利の方が、当初金利の設定が低めだからです。
具体的に見てみると、三井住友銀行が提供する住宅ローンにおいて、固定金利の利率は融資期間10年超〜15年以内で年1.63%。対する変動金利の利率は年0.525%〜0.725%(いずれも2020年2月時点)となっており、明らかに変動金利の利率が低いです。
(参考:三井住友銀行「金利―住宅ローン(新規)」)
変動金利は、金利が上昇すれば支払い額が増えるというリスクがある分、当初金利が低めに設定されています。ただ、変動金利の基準となっている短期プライムレートという数値は、2009年から2020年現在まで10年以上変動がありません。
(参考:日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」)
つまり、過去10年以上に渡って金利がほとんど変動していないということであり、変動金利のリスクが少なかったということを意味しています。今後数年はこうした状況が続くと考えられるため、短期でローンを組むなら、お得になる可能性が高い変動金利を検討するのもオススメです。
長期借り入れの場合は目先ばかりで判断しないこと
続いて、長期で住宅ローンを組む場合にはどちらを選ぶべきなのでしょうか。
これは意見が分かれるところですが、リスクヘッジという側面から考えると固定金利を選ぶのが無難です。確かに現在の金利水準を考慮すれば、変動金利の方がお得です。しかし、20年・30年といったスパンで考えると金利が上昇する可能性は十分にあります。
金利上昇リスクがあることは、過去の金利を見れば一目瞭然。先ほどご紹介した、日本銀行による短期プライムレートの推移を見てみると、2009年から現在までの数値が1.475%、20年前の2000年中盤で1.500%です。これだけ見ると安定しているように見えますが、30年前の1990年は最高8.25%まで上昇しています。
30年前はバブル期真っただ中なので極端な数値ではありますが、長期で借り入れる場合には、金利が大きく変動するリスクを考慮しなくてはなりません。
返済方法はどうすべき?
次に、低金利時代において返済方法(元利均等返済・元金均等返済)はどのように選べば良いのか考えてみましょう。
結論から言うと、返済方法に関しては金利水準によって判断すべきではありません。
将来的な金利上昇リスクを考えた場合、「低金利である今のうちに、なるべく多く返済した方が良い」と考えるのがセオリーです。こうして考えると、当初の支払い額が大きく、徐々に返済額が減少していく元金均等返済が向いているようには感じるかもしれません。
ただ、元金均等返済は当初の支払い額が大きいですから、現時点で経済的な余裕のない場合は向いていないのです。さらに、経済的に余裕があれば、元利均等返済にして繰り上げ返済するという選択肢もあります。繰り上げ返済すれば借入期間が短くなりますから、元金均等返済よりも総支払い額が小さくなる可能性もあるのです。
以上から、元利均等返済・元金均等返済のどちらを選ぶかは、金利水準と言うよりも、自身のライフプランや経済状況に応じて考えた方が良いと言えるでしょう。
まとめ
低金利時代は住宅ローンが借りやすいと言われますが、リスクがないというわけではありません。長いスパンで見れば金利が上昇する危険性もあり、慎重に判断しなくてはならないことに変わりはないのです。
また、金利が低いうちに無理してローンを組んでしまうと、生活に影響を及ぼしかねません。住宅ローンを借り入れる際には、金利水準だけでなく、自身の生活の状況や予測とも合わせて検討する必要があります。
以上、今回は低金利時代における住宅ローンの選び方についてご紹介してきました。