リノベのハウツー
2020.03.21
変動金利が人気と言うけれど…住宅ローンは結局変動と固定どっちが良いの?
住宅ローンを借りる際、変動金利にするか固定金利にするかは悩みどころですよね。2020年現在では、変動金利が人気です。
そこで今回は、変動金利の人気が高まっている理由を解説。変動金利と固定金利、どちらを選ぶのが良いのか考えていきたいと思います。
変動金利が人気の理由
まずは、2020年現在で変動金利が人気な理由について考えていきましょう。
変動金利を選択する人が全体の6割
変動金利が人気ということを裏付けるデータがあります。住宅金融支援機構は年2回「民間住宅ローン利用者の実態調査」を実施しており、ローン利用者が選択した金利タイプも調査しています。
2018年第1回調査では、全期間固定型の利用者が全体の17.7%なのに対し、変動型を選択した人は57.0%。2018年第2回調査では全期間固定型が14.6%に止まる一方、変動型は60.3%にも上っています。
つまり、住宅ローンを借りる人の約6割が変動金利を利用しているということです。
変動金利と固定金利の特徴
それでは、本題である「なぜ変動金利を選択する人が多いのか」という点に迫っていきます。前提として、変動金利・固定金利それぞれの特徴を理解しておきましょう。
変動金利は市中金利の動向によって、返済期間中の金利が変動するタイプ。高金利時に借り入れても、借入期間中に金利が下がれば返済額が減少するのがメリットです。一般的に、低金利時に借り入れると、将来金利上昇が見込まれるため、返済額が増えてしまう可能性があると言われます。
対する固定金利は、借り入れ開始時に完済までの金利が固定されるタイプ。低金利時に借り入れた場合、将来金利が上昇しても返済額が増えないというメリットがあります。
(参考:goo住宅・不動産「固定金利と変動金利のメリット・デメリット」
超低金利なのに変動金利がお得とされる理由
両者を比較すると、超低金利と言われる現代においては、本来固定金利を選択するというのがセオリーのように感じます。
しかし、低金利時に固定金利を選択した方が良いと言われる理由は、将来金利上昇が予想されるから。裏を返せば、将来も低金利であれば、低金利時でも変動金利を選択した方がお得と言えるのです。
そもそも変動金利は固定金利に比べて、当初の設定金利が低め。三井住友銀行の貸し出し金利を例にとると、2020年2月時点で変動金利型の適用金利が年0.500%であるのに対し、超長期固定金利型(10年超〜15年以内)は年1.63%。変動金利における適用金利の低さが目立ちます。
変動金利の大半は銀行が定める「短期プライムレート」に連動しています。日本銀行発表の「長・短期プライムレート(主要行)の推移」によると、短期プライムレートの最頻値(最も多くの銀行が採用した数値)は、2009年1月から実に10年以上変化がありません。
要するに、10年以上超低金利の状態が続いているため、急激な金利上昇は今後も考えにくいと判断し、当初の適用金利が低い変動金利を選ぶ人が多いのです。
超低金利時代はいつまで続くのか
そうなると、今後いつまで超低金利時代が続くのかというのが問題。
完全に見通すのは難しいですが、少なくとも今後2〜3年は、急激な金利上昇は考えにくいと言えるでしょう。
なぜならば、景気回復に伴って金利が上昇するというのがセオリーだからです。2020年2月に発表された2019年10〜12月期GDP速報値はマイナス6.3%(年率換算)と大幅な減少になっており、景気は減速傾向。そのため、金利がすぐに上昇するとは考えづらいのです。
(参考:日本経済新聞「10〜12月期GDP、年率6.3%減 5四半期ぶりマイナス」(2020年2月17日))
変動金利が向いている人とそうでない人
超低金利時代が継続となれば、お得な変動金利一択と考える人もいるかもしれません。しかし、実際には変動金利が向いている人とそうでない人がいます。
こんな人は変動金利向き
超低金利時代が数年は継続する見込みとは言え、住宅ローンは長期に渡って返済するもの。将来的な金利上昇の可能性は否定できません。そこで、変動金利は次のような人が向いていると言えるでしょう。
・経済情報を常にチェックしている人。
・仕入れた経済情報を元にして、ローン借り換えも柔軟に検討できる人。
・家計管理を臨機応変にできる人。
こんな人は固定金利も検討!
一方で、次に挙げる特徴が当てはまる人は、固定金利型も並行して検討した方が良いでしょう。
・経済情報に疎く、金利やローンに関する知識に乏しい人。
・家計管理が苦手で、できる限り返済額を一定にしたい人。
まとめ
今回は、変動金利が人気な理由と、変動金利・固定金利どちらを選ぶべきか、という点について解説してきました。
返済が長期に及ぶ住宅ローンにおいては、10年後・20年後の金利も影響してきます。ただ、そこまで先の状況は見通すことが難しく、変動金利で借り入れた場合には柔軟な対応が必要になるのです。
こうした特徴を踏まえ、自身に合った金利タイプを検討してみてはいかがでしょうか。