リノベのハウツー
2019.12.28
住宅購入時の気になるギモン〜頭金って?どれくらい必要?
マイホームの購入を考える時、多くの人が直面する住宅ローンに関する問題。
特に頭を悩ませるのが「頭金」です。
住宅ローンを組む場合、頭金を用意することにより、借入金が少なくなります。
今回はそんな頭金の基本や相場などについて、徹底的に解説していきましょう。
頭金とは?
まずは基本を知るために、頭金がどのようなものなのかを見ていきます。
頭金はローンに頼らない自己資金
多くの人にとって、住宅は人生最大の買い物です。
住宅の購入時、購入価格全てを住宅ローンでまかなうのではなく、一部を自己資金によって支払うことがあります。この自己資金が頭金となります。
頭金とは、「住宅価格(代金)」から「住宅ローン借入額」を引いた部分の金額をいいます。例えば、3000万円の住宅を住宅ローン2500万円借りて買う場合、頭金は500万円となります。つまり頭金は、住宅価格(代金)のうち、手持ちの現金や親からの資金援助など、住宅ローン借入以外の方法で手配するお金です。頭金の支払いは、売買契約から引き渡しまでの間に行います。(SUUMO住宅用語大辞典「頭金(アタマキン)の意味・解説」)
購入代金とは別に、不動産会社への手数料や保証金などの支払いも発生しますが、これらを現金で支払っても頭金には含まれません。
頭金を用意する理由
どうせ住宅ローンを組むのだから、購入価格の全てをローンでまかなうという考え方もあるでしょう。
それでは、なぜ多くの人が頭金を用意するのでしょうか。主な理由は3つあります。
◆将来のローン返済額が減らせるから。
購入時に頭金で一部を支払えば、当然、借入金額を減らすことができます。
これにより、元金に対してかかる利子の支払い額も減り、総支払い額をより圧縮できます。
◆頭金を用意できるかどうかが、ローン審査に影響を与えるから。
「頭金ゼロでも借入可能」というローンも増えていますが、頭金が用意できる人=計画的にお金を運用できる人と判断されます。そのため、頭金が用意できない人は審査で不利になる可能性があります。
◆頭金の額によって金利が変わるから。
住宅ローンでもっとも一般的な「フラット35」の場合、住宅の購入価格に占める借入額の割合(融資率)が9割以下か9割超かにより、金利が変化します。当然、融資率9割以下のほうが金利は低めです。実際、2019年12月時点の金利の範囲は、融資率9割超で年1.470%〜2.130%に対し、9割以下は年1.210%〜年1.870%です。(フラット35「金利情報」
このように、頭金を用意して融資率を低くすることで、金利を低く抑えられます。
一般的に必要な頭金は購入価格の2割
頭金とは何か、そしてなぜ用意するのか、おわかりいただけたと思います。
それでは、実際どれくらいの頭金を用意すれば良いのでしょうか。気になる一般的な目安をご紹介していきましょう。
このグラフから、自己資金比率が20%未満という人が全体の7割に達していることがわかります。2018年の平均値は18.8%で「2001年の調査以降初めて、20%を下回った」(調査結果より引用)のです。
2016年・2017年の平均値は20.5%ですから、近年は自己資金=頭金の水準が下がっているといえるでしょう。(リクルート住まいカンパニー「2018年首都圏新築マンション契約者動向調査 自己資金比率とローン借入額」)
かつての高金利時代には、頭金を2割用意することが銀行の融資基準となっていることが多く、これが一つの基準として語られていました。
ただ、先ほどの調査結果からも明らかな通り、現在では2割未満で購入する人も増えています。超低金利時代のため、ローンを組みやすいことが大きな要因でしょう。
頭金を多く用意するメリット、デメリット
頭金は2割が一般的ですが、超低金利の現代では、2割未満で購入する人も増えていることをお伝えしました。
とは言え、頭金ゼロで購入するのは、リスクがあるように感じるかもしれません。
そこで、頭金を多く用意する場合のメリットとデメリットの両面を考えてみましょう。
頭金を多く用意するメリット
まず、しっかりと貯金して頭金を多めに用意するメリットを見てみます。
◆ローンの総額が小さくなって、将来のリスクを低減できる。
頭金を用意する最大のメリットは、借金を小さくできることです。
将来何があるかわかりません。頭金の用意は、リスクに対しての備えになります。
◆ローンを借りやすくなる。
頭金を用意できる人=経済的に信頼のある人と評価されます。
審査が通りやすくなり、有利な条件での借入が可能になる場合もあるでしょう。
頭金を多く用意するデメリット
しかし、頭金をとにかくたくさん用意すれば良いというものでもありません。
なぜなら当然デメリットもあるからです。
◆生活資金の余裕がなくなる。
頭金を用意するということは、手持ちの現金を消費するということになります。
貯蓄が大きく減ることになるため、いざという時に対応できなくなるリスクもあります。
頭金を支払う時は、ある程度の生活資金を手元に残しておく必要があるでしょう。
◆頭金を貯蓄している間に、住宅価格や金利水準が上昇するリスクがある。
これは、低金利時代の現代だからこそのリスクです。
過去最低水準と言われる金利は、今後これ以上低下する可能性は低いと言われています。むしろ、徐々に上がっていくという見込みも多いため、頭金を用意する間に必要資金が増えるリスクがあります。
まとめ
住宅購入にあたり、どれくらい用意するべきか迷う頭金ですが、多く用意すればいいというわけではない、ということもおわかりいただけたのではないでしょうか。
大切なことは、自分の生活に無理のない範囲で住宅購入を検討することです。記事の内容を参考に、ぜひ自身に合った資金計画を立ててみてください。