リノベのハウツー
2017.09.01
知っておくと役立つ。リノベーションとリフォームはどう違うのか
リノベーションとリフォームはどう違うのでしょうか。同じような意味で使っている人も少なくないようですが、厳密には両者が意味するものは違います。それぞれの意味が正しく理解すると、なるほどと納得するのではないかと思います。リノベーションもリフォームも、建築関係の用語としては広く使われている言葉なので、正しい意味を理解したいものです。
“リノベーションとは”
リノベーションとは英語の「renovation」をそのまま日本語にした言葉ですが、「革新」とか「刷新」、「修復」という意味があります。つまり、現状よりももっと良い状態にするという意味があり、いわゆる機能回復や元の状態に戻すことを目的としているリフォームと大きく異なる点です。 リノベーションはプラスαの新たな機能や価値を向上させることを目的としているため、それが住宅の場合は既存の建物に大規模な工事を行うことで、新築のときよりも機能性はもちろん、デザイン性なども含めてさらに向上させ、価値を高めたりすることを言います。 例えば耐久性や耐震性を向上させるために壁の補修を行ったり、仕切りの壁をなくして広々としたリビングを作ったりするのはリノベーションに該当します。また最近は古いマンションや戸建てを大規模にリノベーションして、新築以上の価値を持たせて格安で販売する不動産物件も増えています。
“リフォームとは”
リフォーム(reform)も英語で、「悪い状態からの改良」を意味している言葉です。これを建築用語として使う場合、経年劣化などで壊れていたり、汚れていたり、老朽化したりしているところを修復し、元の状態に戻すことを言います。つまり、単純に壊れた部分も直したり、汚れた部分を綺麗にしたり、老朽化した部分を新しいものに買い替えたりすることがリフォームです。 リフォームはマイナスの状態(壊れたり、汚れたり)のものをゼロの状態に戻すための機能の回復なので、それ以上の大きな規模になるとリノベーションの概念になるのですが、厳密にはそこまで区別せず、外観がすっかり変わってしまうようなことがなければリフォームの範疇に含めてしまうことも多いようです。 なお賃貸マンションやアパートでは、入居者が退居するときには入居したときの状態に戻す原状回復が求められますが、これもリフォームに相当します。
“ふたつの大きな違いとは”
リノベーションとリフォームとの大きな違いは、機能性と規模において顕著な差が現れます。機能性においてはリフォームが不具合や故障などマイナスの状態となっているものを元のゼロの状態に戻す、いわゆる機能回復を目的としているのに対して、リノベーションはゼロ以上の状態つまりプラスαの新たな機能や価値を向上させることを意味しています。そのためリノベーションでは、見た目の印象や仕上がり具合も大きく変わることが多く、まるで新築に生まれ変わったような感じになります。 当然両者は工事の規模が全く異なってきます。極端に言えば、リノベーションは家の土台と柱だけを残し、あとはすっかり変わってしまうこともありますが、リフォームではそのようなことはありません。例えばシステムキッチンやユニットバスの入れ替えやリフォーム、間取りや水道管、排水管の変更などはリノベーションです。 リノベーションは外観を変えたり、間取りを変えたりなど元の状態よりも機能性やデザイン性を向上させることを目的としており、規模が大きくなるのが特徴です。それに対してリフォームは壊れたり、汚れたりした部分を修理し、元のじょうたいに戻すことを目的としていますので、リノベーションと比べると規模は小さくなります。"