リノベのハウツー
2020.05.08
フラット35Sのローンをシュミレーションしよう
長期固定金利型のフラット35には、「フラット35S」という商品もあります。
しかし、どんな商品かわからない方も多いと思うので、今回は「フラット35S」とはどのような商品なのかご紹介しつつ、そのメリット・デメリットについても解説していきます。
そして、イメージをつかむためにもフラット35Sをシミュレーションしてみましょう。
フラット35Sとは
「フラット35S」についてご紹介する前に、簡単に「フラット35」について解説をします。
そもそもフラット35とは
フラット35とは、住宅ローンの一種で、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して作った、長期固定金利型の住宅ローンです。
フラット35は、返済期間がすべて固定金利となっていて、借入時の金利が全期間で適用されます。
そのため、借入時に返済総額が確定し、返済計画も立てやすいのが特徴です。
フラット35Sとは
それでは、フラット35Sとはどのような商品なのでしょうか。
フラット35Sは、フラット35の利用者が耐震性や省エネルギー性の優れた住宅を取得する際に、フラット35 の金利を一定期間下げてもらえる制度です。
対象となる住宅の基準は、以下4分野のうち1つを満たす必要があります。
*バリアフリーに優れた住宅かどうか
*省エネルギー性に優れた住宅かどうか
*耐震性に優れた住宅かどうか
*耐久性・可変性に優れた住宅かどうか
フラット35Sの2つのプラン
フラット35Sには、2つのプランがあります。
借入から10年間、フラット35の金利を下げる「金利Aプラン」、借入から5年間フラット35の金利を下げる「金利Bプラン」の2つです。
「金利Aプラン」の方が「金利Bプラン」よりも、高性能な住宅の取得を求められます。
フラット35Sのメリット・デメリット
それでは次に、フラット35Sを利用することでどんなメリットを享受でき、どんなデメリットが生じるのでしょうか。
フラット35Sのメリット
*総返済額や毎月の返済額がさらに軽減される
フラット35 の金利からさらに引き下げられた金利が適用されるので、総返済額や毎月の返済額が安くなります。
*全期間固定金利型である
民間銀行の住宅ローンの場合、当初固定金利型などを適用しており、当初固定期間が終了すれば、変動金利型で住宅ローンを返済していく必要があります。
そのため、金利の上昇リスクがあります。
しかし、フラット35Sの場合、全期間固定金利型のフラット35 がベースになっているため、借入時の金利で全期間固定されます。
また、さらに金利が優遇されるので、金利の上昇リスクがないばかりか、借入時の金利よりも、引き下げられた金利で、住宅ローンの借入ができるのです。
*フラット35Sが適用できると認められれば、住宅の価値も高い
フラット35Sが適用できる住宅は、先ほどもお伝えした通り、「省エネルギー性」、「耐震性」、「バリアフリー性」、「耐久性・可変性」のどれかに優れていると認められた住宅ということになります。
そのため、その住宅は資産価値が高いと言えます。
万が一売却することになっても住宅の品質がフラット35Sによって保証されているため、高く売却できるかもしれません。
*一定期間の返済額が少なくなる
フラット35Sの場合、当初5年、当初10年間分の金利が引き下げられます。
そのため、当初期間分の返済額を抑えることができ、お得です。
フラット35Sのデメリット
*フラット35Sに対応した物件が少ない
フラット35Sに対応している物件は日本全国でも少ないので、なかなか見つからない可能性の方が高いと言えます。
*物件価格は高額になりやすい
フラット35Sを適用するための条件を満たそうとすると、品質の良い住宅を購入する、もしくは建設する必要があります。
品質の良い住宅、すなわち、高額な住宅なので、金利が下がったとしても、住宅価格が高すぎるのでは、あまり意味がありません。
いかに安く、条件を満たすような住宅を建設する、購入するかが重要なポイントです。
フラット35Sをシュミレーションしてみよう
それでは、次にフラット35Sを適用したときのシミュレーションをしてみましょう。
【試算例】
・借入金額:3,000万円
・借入期間:30年
・元利均等返済
・ボーナス返済なし
・借入金利 年1.06%
このような場合、フラット35Sでは、以下のような計算になります。
*フラット35Sの金利Aプラン
・当初10年間は金利0.81%、毎月の返済額は9.4万円
・以後11〜30年目は金利1.06%、毎月の返済額は9.7万円
総額は3,436万円
*フラット35Sの金利Bプラン
・当初5年間は金利0.81%、毎月の返済額は9.4万円
・6〜30年目は金利1.06% 毎月の返済額は9.7万円
総額は3,467万円
(出典:フラット35 「ファイナンシャルプランナーが解説「【フラット35】Sを活用しよう」」
まとめ
今回は、フラット35Sについてご紹介し、メリットやデメリットの解説をしました。
また、フラット35Sのシミュレーションでは、実際の金額に当てはめてみたので、イメージをつかめたかと思います。
フラット35Sは、適用されるためのハードルがかなり高いので、よく計画を立てておきましょう。