リノベのハウツー
2019.12.18
パラペットとは?パラペットのメリットやデメリットとメンテナンス方法を詳しく紹介
雨・雪・紫外線・煙・ホコリなどを防いでくれる屋根は、建物の中でも重要な部分です。
今回は、そんな屋根をサポートする役割を持っている「パラペット」についてまとめました。パラペットの基本情報や手入れ方法について詳しく紹介します。
パラペットとは
パラペットとは屋根やバルコニーの周辺に設置した低い立ち上がり部分の壁のことで、屋根の防水に関する重要な役割を持っています。
屋根には「陸屋根」という傾斜がない平面状のタイプがあります。陸屋根のメリットは、「屋根の上を有効に活用できる」「清掃がしやすい」などです。一方、傾斜がないので「雨が降ったときに排水がしにくい」というデメリットもあります。雨水が外壁を伝うと「雨だれの汚れが残ってしまう」という問題も生じるでしょう。
そういった際にパラペットを屋根の外側に取り付ければ、雨水や汚水を排水溝に流せます。排水溝に流れ落ちた雨水や汚水は排水口に流れるので、平面の屋根でも雨水をきれいに流すことができるのです。
パラペットの高さ
パラペットの高さに決まりはありませんが、雨水を流すという役割を果たすためには最低でも600mmは必要でしょう。陸屋根にもわずかな勾配がついているので、水上と水下ではパラペットの高さがわずかに異なります。
パラペットのメリット
パラペットには4つのメリットがあります。
デザイン性がある
パラペットを取り付けることで屋根の傾斜を自由に決めることが可能です。シャープでスッキリとしたデザインの屋根にできます。
プライバシーを守る
屋上に洗濯物を干すとき、屋根が平面なら外から屋根が見えなくなります。そうすることで、プライバシーを守ることが可能です。
外壁をきれいに保つことができる
パラペットがあることで、屋根に降った雨水を排水口に流すことができます。雨が外壁に流れることがないので、時間が経過してもきれいな状態を保てるのです。
落下防止の効果がある
パラペットを設置しておくことで、落下防止の効果にも期待できます。屋根で作業をするときや屋根の点検をするときなども安心でしょう。
パラペットのデメリット
パラペットにはメリットだけではなくデメリットもあるので注意が必要です。主なデメリットとしては、以下の4つがあります。
雨漏りを起こす可能性がある
パラペットの頂点には、雨漏りを防ぐためのカバーを取り付けます。それでもパラペットとカバーには隙間があるので、隙間を伝って雨水が浸入する可能性に注意が必要です。雨水の浸入によってパラペットが侵食してしまうと、雨漏りを起こしやすくなります。特に横から降りかかる雨や豪雨の場合は、雨水が浸入しやすくなるので注意しましょう。
外気を取り込むのが難しくなる
パラペットの頂点にはカバーが設置されており雨漏りを防いでいますが、パラペットを覆っていることで外壁との間を塞いでしまうので通気をシャットアウトしてしまいます。そのため、カビが発生したり木材が腐ってしまったりするデメリットがあります。
排水口が詰まりやすい
パラペットには排水口が設置されています。雨水や汚水を流すには便利ですが、風が強い日などはゴミや落ち葉などが屋根に残ることがあるので排水口の詰まりに気を付けなければなりません。パラペットを設置した場合には、排水口の定期的な掃除が必要でしょう。
コストがかかる
パラペットは屋根とは別に設置するため、通常の屋根の取り付けと比較すると費用がかかります。パラペットが劣化した場合には修理も必要になるので、通常の屋根の修理に比べて費用がかかる可能性があるでしょう。
パラペットが劣化した場合の対処法
パラペットが劣化した場合には、メンテナンスや修理が必要です。主な方法としては、以下の2つがあります。
コーキングする
劣化による雨漏りを防ぐためにはコーキングが大切です。コーキングとは目地材などを使って隙間を埋めることで、雨漏りがしやすい場所やパラペットと防水層の間をコーキングします。
防水シートを修復する
長い期間設置していると、防水シートの部分が劣化してキズや穴などができてしまいます。早い段階で防水シートを修復して水の浸入を防ぎましょう。
まとめ
パラペットとは、屋根やバルコニーの周辺に設置した低い立ち上がり部分の壁のことです。平面の屋根に設置することで、雨水や汚水を排水口に流すことができます。「プライバシーを守る」というメリットがある一方で、「雨漏りを起こす可能性がある」「コストがかかる」というデメリットもあります。
パラペットを設置するときには、メリットとデメリットを十分に検討してから決定するとよいでしょう。