リノベのハウツー
2020.10.03
【快適?眩しい?】西向きの家の日当たりを考える
日本の不動産市場において、不動の人気を誇るのは南向きの住宅です。
しかし帰宅後の快適さや暖かさで評価するなら、ちょっと不人気な西向きの部屋も実はおすすめなのです。今回は西向きの家にフォーカスをあて、本当に不便なのか、過ごしやすくするためにはどういった工夫が必要なのか、リフォームのアイデアなどを解説していきます。
目次
在宅時間と日当たりで考える西向きの家
日本の住宅の場合、日当たりや部屋の内部に差し込む光を重視するため、南向きの部屋の人気が高いです。確かに、太陽光は日中を通してほぼ南から差し込みます。
ただ、日中は通勤などで家をあける方もい多いのではないでしょうか。お子さんがいらっしゃっても、共働きの場合は、日中家族が過ごすのは自宅外というケースも多く聞かれます。そんな際は無理に南向きの部屋にこだわる必要はないでしょう。
実際、午後から日当たりがよくなるのは西向きの家です。ただし、西向きの部屋には不人気の原因である「西日」という強烈なファクターが存在します。
日当たりが西向きの家のメリットとデメリット
メリット
まず、西向きの家のメリットをご紹介しましょう。
「午後の日当たりが良く、冬場も暖かい」
本格的に日が差し込むのは午後から夕方にかけてなので、遅い起床の人は洗濯をやり始めるのが午後からでも十分乾きます。朝はゆっくり休みたいというタイプの人は、西向きの物件が合うのではないでしょうか。
「夕日が楽しめる」
南や東向きからの部屋からは朝日が望めますが、キレイな夕日を楽しむことができるのは西向き物件ならではのメリットといえます。日中外に出ている方でしたら、帰宅後の楽しみがあるのは嬉しいところです。
デメリット
続いて、デメリットです。
日の入り前の強烈な直射日光である西日と、日中建物や地面などに蓄積された熱の影響で、夕方以降部屋の中の気温が上昇してしまう点の2つが挙げられます。
特に夏場は部屋の中にが熱でこもりがちになります。日光の当たり方によっては家具も日焼けしてしまいます。そこで登場するのが「オーニング」や「ブラインド」。こういったものを設置することで、強い直射日光や、こもりがちな熱に対し有効な対策を打つことができます。
日当たりが西向きの家の西日対策事例
オーニング導入事例
ブラインド導入事例
日当たりが西向きで西日が気になったら
対策
上記の写真のように、オーニングやブラインドの設置は効果的です。
あわせて遮光・遮熱効果の高いカーテンを西向きの窓に取り付けると、外からの熱を遮断できます。通常のカーテンよりも割高ではありますが、冷房効率が良くなる分、エアコンなどの光熱費を抑えられます。
窓に取り付けられる紫外線カットフィルムもあります。これは、見た目は透明で目立たないのですが、光を室内に入りにくくする効果があります。ホームセンターなどで気軽に購入できます。
複層ガラスにするのも対策の一つです。複層ガラスとは、複数枚のガラスを重ねその間を真空状態にした中間層を設ける構造で、断熱性能を高めることができます。
西向き物件のポイント
日当りを重視して賃貸物件を選ぶ人は少なくありませんが、南向きが良いというイメージが先行してしまいがちです。確かに、西日とそれに伴う室温上昇は西向き物件のデメリットです。しかし、すべての物件で不快な気温まで上がるかといえば、そうでもないのが実際のところ。積極的に除外してしまうのはもったいないです。
西向き物件だからといって見る前にやめておこうではなく、実際に現地に出向いて日当たりや周囲の環境も含めて判断してみましょう。
夏が好きな人と冬が好きな人がいるのと同様、夏が苦手な人と冬が苦手な人はいます。冬の寒さが苦手な人にはうってつけの西向きの家。夏場には少し対策を施すことでとても過ごしやすくなります。
また人気がそこまでないため安く借りられるのもメリットの1つ。気に入った物件があったら、不動産会社に連絡してみましょう。
日当たりを変えるリフォームの相場
オーニングやひさしを設置する:15万円から40万円程度
ブラインド設置:3万円から8万円程度
内窓の設置:8万円から30万円程度
複層ガラスへの交換:8万円から15万円程度(サッシ交換の場合は別途費用が掛かります)
遮光カーテン:2枚入りで3000円から5000円程度
紫外線カットフィルム:1ロール(180-200cm)2,000円から8,000円程度
こうしたリフォームは自宅の雰囲気をがらりと変えるものです。発注する際には、ぜひ評判やクチコミをチェックしたうえで信頼できるリフォーム業者に依頼しましょう。
また簡易ブラインドの設置や、よしずの立てかけなど、個人で対応可能なDIYもあります。こういったものを利用すれば、圧倒的に費用を安く仕上げることができます。
まとめ
今回は日当たりのいい西向きの家について解説しました。
人気のない西向きのお部屋や物件ですが、家で過ごすのが夕方以降の方の場合、夏以外は暖房をあまり使わずとも暖かく過ごせるメリットがあります。西日に関しても、すべてのお部屋が悪影響を被るわけではありません。不快な場合には、夏場の日光と熱への対策を取ることができれば、快適に日々を過ごせるでしょう。
すでに西向きの家に住んでいて、不満を感じている場合は上記の対策を参考にしてみてください。いま家を探されている方は、西向きの家でも立地など好印象を持たれている場合には、積極的に内覧に参加してみてください。
参考文献
・紫外線カットフィルムの効果
(出典:リンテックコマース https://www.lintec-c.com/product/glass/rt05.html)
・複層ガラスの断熱効果(出典:窓工房)
・複層ガラスの施工工事費用(出典:ガラスの生活救急車)
・オーニング設置施工事例(出典:ガーデンプラス)
・ブラインド設置工事費用目安(出典:匠工房)
・内窓設置工事費用目安(出典:エクスショップ)
・遮光カーテン費用(出典:カーテンズ)
・各リフォームにかかる費用の目安(出典:家仲間コム)