今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年8月10日〜17日 菊花開く(きっかひらく)
“きくのはなひらく”とも読みます。
その文字通り、菊の花が咲き始める頃です。
この季節の養生
前々回よりお伝えしておりますアロマテラピーを味方にした外からの乾燥肌対策について。今回はそのラスト、キャリアオイルについてです。
まずはキャリアオイルが必要な理由です。
エッセンシャルオイルを直接お肌につけるのは刺激が強いので、希釈するためにもキャリアオイルを使用します。エッセンシャルオイルの濃度は基本的には1%にするように分量を調節します。
また、いきなり顔や全身に塗るのではなく、目立たない箇所などにほんのすこしだけ塗ってみてパッチテストを行うようにしましょう。
人によっては肌に合わないエッセンシャルオイルもあるので、パッチテストは必ず行います。
また、キャリアオイル自体にもビタミンなどの成分が含まれているので、香りを欲しない時などはキャリアオイルだけでもお使い頂けます。
種類によって成分が違いますので、その時のお肌に合わせて使い分けたりブレンドしたりしてお使いください。
それでは、キャリアオイルの種類をご紹介していきます。
♥︎ホホバオイル
どの肌質の人にもオススメです。
酸化・変質しにくいため比較的長期保存が可能で扱いやすいです。
ネイティブアメリカンが肌や髪のケアだけでなく傷の治療にまで使用していたのだとか。
保湿作用と皮脂分泌のバランスをとる作用に優れています。
♥︎マカデミアナッツオイル
さらっと肌馴染みがよく、ほぼ無色・無臭で酸化しにくく使いやすいオイルです。
人間の皮脂にも含まれるパルミトレイン酸が20%入っています。これは加齢とともに減少するのでアンチエイジングにも効果的なオイルです。
♥︎スイートアーモンドオイル
ビタミンA・B1・B2・B6・Eを含んでおり、その中でも多く含んでいるビタミンAは皮膚を柔軟にし、しっとりと保護してくれます。使用感はやや重めですが、かさついた肘やかかとにもオススメできるオイルです。
皮膚の炎症や痒みを静める作用もあります。
♥︎ココナッツオイル
ラウリン酸など飽和脂肪酸が90%を占めているので非常に酸化しにくいオイルです。紫外線から肌や髪を守ってくれるので日焼けのケアにもお使い頂けます。
♥︎オリーブオイル
肌への浸透性に優れ、肌を柔軟にします。
食用のオイルでも抗酸化作用に優れているのでアンチエイジングに有効的なオイルです。
♥︎アボカドオイル
未精製のものは香りが強く、使用感が重いので、他のオイルに10〜20%ほどブレンンドして使用するのが一般的です。ビタミンやミネラルなど栄養豊富。
乾燥だけでなく衰えを感じるお肌にもぜひ。
♥︎セサミオイル
アーユルヴェーダでもよく使用されるセサミオイル(白色のクセのないタイプのもの)。
血行を促進し、体を温めます。セサモールとビタミンEの成分により抗酸化作用もあります。冷えや肌のくすみ、アンチエイジングに。
この季節の豆知識
いまの季節は『菊花開く』ですね。
旧暦の9月9日は“重陽の節句”で、別名を“菊の節句”と呼ばれています。
新暦では毎年今頃が旧暦9月9日に当たりますが、今年は10月28日がその日となります。重陽の節句自体についてはまたその頃に詳しく触れていきましょう。
ただ、そろそろ各地で「菊まつり」が催し始められる頃でもあります。
お近くで開催される日程を確認してみてはいかがでしょうか。
花火や山車が中心の賑やかで熱気のあるものとはまた違う、由緒あるお祭りを楽しむ時を過ごすのも趣があるものです。
この季節にさらに知りたい花
今では仏壇やお墓にお供えするイメージの強い『菊』の花の歴史を少し遡りましょう。
日本での菊の始まりは、奈良時代。中国から“薬用”として伝わりました。菊は血行不良にいいとされており、寒くなり始める頃に咲く菊は体の不調に使われていました。
花を愛でる対象となったのは、平安時代になってからのこと。
そのことを表すかのように、「万葉集」では菊の歌は詠まれていないようですが、「古今和歌集」や「源氏物語」では詠まれています。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社
・『アロマ組み合わせ手帖』吉川千明・エルボリストリ/地球丸
・『アロマテラピー学習帖』マザーズオフィスアロマテラピーの学校/技術評論社"