今日の季節
日本には、1年を4に分けた四季があります。
さらに24に分けた二十四節気があり、さらに72に分けた七十二候があります。ほぼ5日周期で季節は移ろいでいるのです。
その変化に私たちは気づかずに生きているのかもしれません。
ところが身体と心はそのかすかな変化を感じとり、気づかぬうちにその環境の変化に対応してくれています。
二十四節気と七十二候に心を寄せる時間。
ほんの少し、いかがですか。
2017年8月18日〜22日 蟋蟀戸に在り(きりぎりすとにあり)
キリギリスが戸口で鳴く頃です。
この季節の養生
まさに今が旬といえば柿。
「柿が色づくと医者が青くなる」といわれるほど栄養たっぷりの果物です。
ビタミンCを多く含んでいるので、これからの寒い季節に特に気をつけたい風邪の予防に最適です。
また、タンニンも含まれています。このタンニンとビタミンCはお酒の酔いを覚ます働きもするので二日酔いの時などには試してみてはいかがでしょうか。
薬膳的にみても“解酒毒(げしゅどく)”といって二日酔いや酒の飲み過ぎにいいとされています。
他にも、肺を痛めやすいこの季節に有効的な働きを持っています。
その代表的なものが“潤肺(じゅんぱい)”です。
文字のごとく肺を潤す働きをするという意味です。また、“生津(しょうしん)”といい肺だけでなく体全体への水分も補う働きも持っています。
他にも、咳を止めたり胃を健康な状態に整える働きもします。
便秘の予防・改善にも効果的な食材ですが、タンニンは摂りすぎると便秘になることもあるそうです。
そして、体を冷やす作用を持っています。
体にいい栄養を豊富に持っていますが、体の声を聞きながら食べ過ぎには気をつけましょう。
この季節の豆知識
秋の、すがすがしいほどに青空が広がったお天気の良い日を“秋晴れ”と言いますよね。この言葉は広く一般的に使われていますが、この時期に限った晴れの日の呼び名があるのをご存知でしたでしょうか。
前回、今は菊の花が咲く頃とお伝えしました。
その菊の花が咲いている時期によく晴れた日のことを“菊晴れ(きくばれ)”と呼びます。
普段の会話の中で実際に見聞きする呼び名ではないかもしれませんが、同じ晴れでも限られた期間にだけ当てはまる呼び名があることもまた、季節のある日本らしい風情を感じられます。
この季節にお参りしたい神様
神無月である10月は、日本中の神様が出雲大社へ集う月です。
そんな中で、出雲へ出向かない神様が恵比寿(恵比須)様。
言わずと知れた、七福神の一神で商売繁盛の神様です。
10月20日は『恵比寿講』です。
“講”というのは“集まる”という意味を持っています。
恵比寿様を留守神様としてお祀りするとも言われていますが、商売繁盛を祈願したお祭りとしての方が広く知られているかもしれません。
恵比寿様は商売繁盛だけでなく、漁村では豊漁をもたらす神として、農村では田の神として信仰されている存在でもあります。
関東では10月20日に『恵比寿講』としてお祭りが行われますが、関西では『十日戎』といって1月10日に行われます。
関東では、東京の「日本橋宝田恵比寿講」が有名どころ。関西では、兵庫の「西宮神社」や大阪の「今宮戎神社」が有名どころです。
地域によっては12月8日に行われるところもあります。
参考文献
・『日本人が大切にしたいうつくしい暮らし』井戸理恵子/かんき出版
・『日本の七十二候を楽しむ〜旧暦のある暮らし〜』白井明大/東邦出版
・『大切にしたいにほんのたしなみ』広田千悦子/Softbank Creative
・『和の暦』堀川波/朝日新聞出版
・『性味表大辞典』竹内郁子/青雲社
・『薬膳素材時点』辰巳洋/源草社"