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リノベのハウツー

2018.09.20

リノベーションの施工業者泣かせストーリー ~施工管理技士がお届けする実体験「R壁編」~

リノベーションの施工業者泣かせストーリー ~施工管理技士がお届けする実体験「R壁編」~

皆さんは現在の住宅空間に満足していますか?住宅は、家族構成・年齢の変化に合わせて変化するべきです。
しかし、なにもせずに住宅は変化しません。生き物ではないですからね。
我々、施工管理技士は依頼者の要望に対して「設計者」「施工業者」と協力して実現することを職業としていますが、施工業者泣かせの内容が多いこともあります。
今回は、そんな施工業者泣かせの実体験の中から「R壁」について解説していきます。
施工日数や施工費用の比較もしていきたいと思いますので、リノベーションをお考えの方の参考になればと思います。

1. R壁とは

建築用語で「Rをかける」や「Rがかかった」のような表現をしますが、これは「曲がっている」ということを意味しています。つまりR壁とは「曲がった壁」という意味になります。
施工時には、曲がり具合を表現するのに円の半径が10mの場合、「10R」と表記したりします。
曲線の壁を想像すると、自然と柔らかいイメージをしてしまうものです。このイメージを住居空間に取り入れることで内部空間が一段と良くなります。
玄関にR壁を設ければ、緩やかにお客様を室内に誘導することが出来、外壁面にR壁を設ければ、光の入り具合が窓ごとで変化して居室空間に変化を持たせられます。このような演出は、建築雑誌などでたくさん掲載されているのでリノベーション前にたくさん見ておきましょう。

今回は、戸建に作るR壁に限定してご紹介致します。

2. 業者泣かせのリノベーション(R壁の施工)

リノベーションの施工業者泣かせストーリー ~施工管理技士がお届けする実体験「R壁編」~ リノベーションの施工業者泣かせストーリー ~施工管理技士がお届けする実体験「R壁編」~

都内での施工事例で「小さな住宅空間に変化を持たせたい」「テレビでよく見るR型ってできますか」という要望から洋室と寝室の壁をコンクリートのR型にする工事を請け負いました。

R壁の施工に関して設計段階では容易ですが、施工側からしたら「鉄筋工」「型枠工」の手間が増えます。
鉄筋と型枠は通常「直線」です。これをR型にする場合、鉄筋も型枠も「このR角度で加工してください」と要望を出し、加工物として搬入・取り付けを行います。

この際に問題となるのが「かぶり」です。
添付図のように鉄筋と型枠にはコンクリートが流れるように隙間が必要でこれを「かぶり」と言いますが、このかぶりを確保する為には、型枠工と鉄筋工が同じR角度で材料を加工する必要があるので通常よりも難しい工事になるのです。

では、鉄筋と型枠との「かぶり」が無くなってしまうとどうなってしまうのか、、、壁が出来上がったのに壁面から鉄筋が丸見え・・・なんてことになってしまうんですね。
我々施工側はこれが怖くてR型のコンクリート壁には細心の注意を払います。
 

3. R壁と直線壁の施工費用や期間に違いはある?

型枠は㎡単価、鉄筋はt単価が多いですが、直線よりもRの方がどちらも高くなります。
しかし、1か所、2か所の壁の施工でしたらそこまで費用・期間に違いはありませんのでご安心ください。

4. R壁にした際の空間構成(家具配置等)も一緒に検討しておく

R壁はお洒落で空間に変化を持たせられますが、空間に無駄が生まれることもあります。
それは、家具が基本的に四角だからです。Rと四角ではどう配置しても隙間が生まれてしまうのでなるべくR壁には家具を配置しないような空間構成をするとベストです。
建築の基本が四角なのは、効率が良く、家具の配置や動線が簡単だからですが、そういったメリット・デメリットも設計段階でしっかり聞いておきましょう。
設計者・施工管理者はこういったメリット・デメリットを熟知していますので、各家ごとでの最善の提案をしてくれます。

5. R壁はただの壁にあらず

R壁の面に家具を配置しない工夫をしましょうと先ほど言いましたが、隙間ができること以外にも理由があります。R壁は空間を象徴する「インテリア」としても役割も担うからです。
R壁の面に家具を置きたい、照明を付けたい・・・などの希望があるなら埋め込んでしまえばいいのです。

「壁」というのは自分の趣味がにじみ出るものです。
過去の壁工事の依頼では

・本棚や照明を埋め込みたい
・テレビを備え付けにしたい
・R壁にR型の窓を付けたい

などの要望があり、それらも設計段階で検討しておけば、より自分らしい空間構成ができます。

最近では、埋め込み家具が流行っており、壁に窪みを作って無駄な家具の無いスッキリとした空間が好まれる傾向もあるので「自分だけのR壁」を作る際に検討してみてはいかがでしょうか。

6.まとめ

リノベーションの施工業者泣かせのストーリー「R壁編」はいかがでしたでしょうか。
R壁の施工には設計段階からの検討事項は増えてしまいますが、発注者の方と綿密な打ち合わせを行って一つの「インテリア」として住まいに変化を持たせられるR壁には魅力がたくさんあります。
施工業者泣かせなリノベーションは、その分我々施工業者にとっても思い出になりますし、住まう方にとっては世界に一つのものとなるのです。
リノベーションをご検討の際にはR壁を是非、ご検討してみてはいかがでしょうか。

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