お客様インタビュー
2020.03.26
vol.41【リノベ|インタビュー】「リノベ済物件✕再リノベ」って最強!?部分残しとリノベのBefore/After
この記事の内容は…
■30代夫婦、子ども小学校低学年
■リノベ済の物件を、自分たち好みに再リノベ!BEFOR/AFTER
■広くした場所と広見せのテクニック
「再リノベのポイント(既存の何を残すか)」と、「こだわったこと&こだわらなかったこと」、「今の暮らし」についてお伺いしました。
目次
もとの物件も、リノベ済みだけど…|キッチンBEFORE
リノベーション済の物件を購入したOさん。立地は良い。広さも良い。なにより眺望が良い。物件そのものは良い。しかし…
「なんとなく暗かったんです」と、Oさん。もとのキッチンはセミクローズで、一部開口がありましたが、リビングとの一体感は感じられない造りでした。またキッチンは新しいものの、背面のカップボードが大きく、通路が狭いという状況。
一方で、Oさんの希望は
<LDK>
・陽当たりの良さを活かした明るい部屋
・リビングを広く開放的に
・子どもはリビング学習できるのが良い
・キッチンは明るく広いのが良い
・無垢フローリング
・洋服が大好きなのでウォークインクローゼットをリビングに
そこで、キッチン設備を残して、キッチン前面の壁だけでなく背面の壁も壊すことにしました。
キッチンを広く|解体の様子
キッチン前面、背面の壁を取り払います。梁に合わせた木枠も出てきますが、こちらも全て解体します。
もともと入っていたキッチンは新しく、しかも作業動線が良いと言われているL字型。そのまま活かすことにしました。
キッチンAfter|明るく開放的に
そして、理想だった明るく開放的なキッチンが実現しました。
壁を取り払った前面は、木材のカウンターを造作。
「2人とも帰ったら、待ちきれずにここで立ったまま晩酌しちゃったりもするんです」と奥様。
背面も広げて、冷蔵庫がぴったり収まる奥行きを確保しています。
奥行きが広がったキッチンは、人がすれ違える通路に。
奥様は「L字型のキッチンがあたかも、もとからこのデザインだったかのように見えるのも本当に嬉しい」と言います。
また、通路側のカウンター広い天板下には、ダストボックスがぴったり収まっています。
キッチンのさりげないオシャレのポイント
こちらのキッチンのさりげないオシャレのポイントは、
1.無垢のカウンター✕白タイルのカフェ感
2.ホワイトの有孔ボード
奥様の「かわいい感じ・遊びゴコロがある感じが好きです」というテーマにぴったりなインテリアになっています。
この有効ボードはトレンドアイテムの一つ。壁掛け収納とデザイン性を兼ね揃えているので、玄関や廊下などの限られたスペースにも人気があります。
リビングの作り方|空間を広く見せるポイント
キッチンから見ると、窓から明るい光が差し込み、開放的な空間を感じることができます。
天井が途切れることなくフラットに繋がっています。
Oさんのもう一つの希望だったWICはソファの後ろ部分に。壁を天井まで渡さず、天井をつなげています。これが、リビング空間を広く見せるポイント。生成りの壁は実は下地ですが、「ゆくゆくは塗り壁にしたいけど、今はこの状態も悪くないので楽しみたい」とのこと。
リビングBEFORE
「眺望も素晴らしく、陽当たりも良いはずだけど、どこか薄暗い印象だった」とOさん。この仕切っている壁を取り壊して広いLDKと、WICにしました。
念願のWICはご主人好みの「シンプル」な空間に
洋服が好きというお二人。生活の中心になるリビングからすぐにアクセスできるようにWICはLDKに隣接する場所に計画。
個室のように囲われたこのWICはご主人好みの「かっこよくシンプル」を追求した空間になりました。棚やL字は直線的に、細く黒くすることでシンプルに。
正面のスイッチがついているコンクリート部は、躯体そのもの。躯体現しの粗々しさがインテリアショップのようで、このまま残すことにしたそう。
一方で白壁の上部の梁部分もコンクリートのようですが、実はモルタル仕上げ。下地が残る部分にはこのように別の方法で、仕上げています。
玄関土間|BEFORE/AFTER
こちらも叶えたかったことの一つ、玄関土間です。
「もとの玄関は入ったらすぐ、四角いところしかなくて、本当に狭くて暗かったんです」とOさん。両サイドの居室を可能な所まで下げて、玄関を広くしました。
土間の両サイドのお部屋
一方は子ども部屋ですが、窓があるのでそこまでをギリギリに土間として広げました。こちらはもとの広さがあったため、狭めても気にならない広さが確保されていました。この部屋はほとんどを既存のものを活かしています。変えたのはアクセントクロス。子ども部屋なのでミントグリーンのような遊びゴコロのあるお色をチョイス。このクロスは黒板クロスといって、チョークでお絵かきもできる人気のクロスです。
もう片側は、寝室です。土間の靴棚の分、寝室側にせり出ていますが、もともと広かったため寝るための場所としては十分な広さが残っています。こちらも、変えたのはアクセントクロスのみ。寝室は落ち着くネイビーを施しています。
また、この寝室はキッチンの裏にあります。キッチンの後ろ側を広げたので、この寝室のクローゼットが狭められる形になりました。右下のクローゼットの奥行きがあるほうがもとのクロゼットのサイズで、奥行きが浅いほうが、キッチンを広げて狭くなった部分です。それでも小物や本などが置ける壁面収納として活躍する広さがあります。
made inにこだわった部材の数々
本物志向のご主人が選んだ、made inにこだわった部材の数々。アメリカやフランスなどのドアストッパーやドアの保護パネル、ブラケット、アメリカンスイッチから、ブリキのティッシュケース、ペーパーホルダーなど幅広く集めました。一つ一つへのこだわりと、愛情が感じられるお宅です。
玄関からのBEFORE/ AFTER
土間をつくったことで、開放感が広がる玄関になりました。床材の色と壁の白さもポイントになっています。各部屋の建具ドアはもとからあったものを活かしているのですが、一つ違うのは、リビングドア。こちらはオーダーメイドとのこと。廊下の先に見える明るいドアのお色も効いて全体を明るい印象にしています。
この、リビングまで続く廊下の床材は無垢のオーク。リビングと同じ材を使用しています。
新居に住んでからのこと
ご主人「まず、家にいるのが多くなりました。前の家は暗いし狭いしで家にいたいと思ったことがないのですが、今は家が心地良い。」
奥様「子どもも乾杯が大好きになって、飲み物を注いでくれたりするようになりました(笑)。みんなの時間が楽しいです。あとは、キレイに過ごすようになりました。気がついたら主人が床を磨いてくれていたりして、前の家では考えられなかったことなので、無垢材にしたらこんな素敵なことまで!とありがたく思っています。」
ご主人「前の家は床に何がこぼれても、全く気になりませんでしたが、今は僕のほうが厳しくなりましたね(笑)。床がササクレになったら何番のヤスリで、次に何番で…と、程度によって使い分けができるようになりました。放っておくとガサガサになるので、早めにやらないとなんですよ。」
■まとめ
今回は、このインタビューシリーズでも珍しい、リノベーション済の物件を再リノベーションしたストーリーをお伺いすることができました。
ライフスタイルに合わせて、間取りを再設定することで、広くする部分、狭めてもよい部分が見えてきます。もとがリノベーション済なので、既存のものをそのまま活かすこともできます。
今回、Oさんが大満足というリノベーションについて秘訣をお伺いしたところ、
「やりたいことを出して、予算を意識しながら、できることからやっていった」のだそう。
今後については、ペンダントライトも探しているとのこと、WICの壁も含めてセルフリノベーションも続きそうです。
担当者の声:リノベ不動産/BeatHOUSE 空間デザイナー 尾崎俊
O様邸は再販リノベーションされた物件で、既に住める状態ではありましたが、内装は一般的なものでどこか冷たい印象でした。 今回の取材で、家具が入った状態を初めて拝見しましたが、BEFOREから考えると感慨深いものがありました。
今回のリノベーションでは、既存の状態を活かせるところと予算のバランスを取るのがポイントでした。お好みのテイストを実現するにあたって、天然の木材、モルタル、アメリカンスイッチなど、 素材感が感じられるものを使用。大きく間取りを変えずに要所を抑え、再リノベしました。
このように、フルリノベーションではなくとも、ご自身の思い描いた生活をお伝えいただくことで、自分好みの住まいを実現することができます。O様の「毎日帰るのが楽しくなる」というお言葉を頂き、嬉しく思います。