リノベのハウツー
2021.12.25
リノベーションで失敗しないために!ありがちな失敗と回避策4選
理想の住まいを手軽に実現できる方法として人気のリノベーション。自身や家族が長く暮らす住まいのことですから、できれば失敗はしたくないものです。この記事では、リノベーションでよくある4つの失敗と回避策を中心に紹介していきます。リノベーションで失敗しないためにあらかじめ知っておきたいポイントも解説しますので、リノベーションを検討している方は必見です。
目次
失敗1. 選んだ物件がリノベーションに向いていなかった
物件選びは、リノベーションの成否を決めると言っても過言ではない大切な工程。リノベーションは既存の建物構造や設備をベースとするため、物件によっては希望する内容を実現できない場合があるので要注意です。また、築古物件では想定外に老朽化している箇所が後から見つかり、トータルコストがかさんでしまうことも。
リノベーションの第一歩である物件選びで失敗しないためのポイント、回避策を見ていきましょう。
建物構造や見えない設備に要注意
フルリノベーションなら、内装や設備など表面的な部分はほぼゼロベースで見直せますが、建物構造は変更できません。そのため、建物構造に起因する制約によって、希望していたリノベーションを実現できない場合があるのです。一例として中古マンションの建物構造は、大きく分けて次の2つがあります。
・壁式構造
耐力壁と呼ばれる壁で建物を支える構造。壁の多くが建物を支える役割を果たしているので、壁を取り払うような間取り変更は難しいでしょう。一方、部屋内に梁や柱が出てこないため、部屋が成形で開放的。家具のレイアウトも決めやすいのがメリットです。
例えば、隣接する部屋の壁を取り払って二間続きの開放的な空間を作りたかったのに、購入物件が壁式構造だったために諦めざるを得ない、というような失敗が起こり得るのです。
・ラーメン構造
柱や梁でできた枠組みで建物を支える構造。構造上取っても問題ない壁が多いので、間取り変更の自由度が高いのが特徴です。ただ、部屋内に梁や柱が出てくるため、デザインにセンスが必要な場合があります。
建物構造と合わせて気をつけたいのが、床下・天井裏といった見えない部分の配管や設備の老朽化や破損。工事を開始してから発覚すると、修復のために追加コストがかかる可能性があるので注意しましょう。他にも、物件によって水回りの移動が難しい場合もあります。
回避策:現地をしっかり確認、修繕履歴もチェック
建物構造による失敗を防ぐためには、まずリノベーションプランの方向性をしっかり決めておくのが大切。間取りをどうしたいのか、水回りはどのような空間にしたいのか、といった考えを明確にした上で、プランを実現できる物件を選ぶようにしましょう。
物件候補は現地で確認し、可能な限り床下や天井裏などの見えない部分もチェックしたいところ。管理会社やオーナーに修繕履歴を確認しておくとより安心です。素人では判断できない部分については、プロに物件や図面を一緒に見てもらい、アドバイスをもらうのがおすすめです。
失敗2. 資金計画を上手く立てられず予算オーバー
既に所有している家をリノベーションする場合はリノベーション費用だけを見込めばいいですが、新たに物件を購入してリノベーションするなら、物件購入費用とリノベーション費用を合わせて予算を考えなければなりません。物件購入+リノベーションにはまとまった金額が必要になるため、多くの方がローンの利用を検討することでしょう。
物件購入+リノベーションまで一貫した資金計画を立て、その計画に合ったローンを組めないと、予算オーバーで希望するリノベーションを実現できなくなる可能性が高いのです。
ローンと予算は常に全体像を意識して
資金計画やローン組成による失敗の原因として、物件購入費用、リノベーション費用、ローン借入といった金銭面の要素を別々に捉えてしまうことが挙げられます。最終的にかかる費用は全てをまとめたものであり、費用を賄うためにはローンが欠かせません。
なお、自己負担分とローンを組める金額の合計が予算上限となります。無理のない予算を設定しておくことはもちろん大切ですが、予算の前提として、自身の収入や経済状況でローンはいくらまで組めるのかを把握しておくのも大切なのです。
回避策:物件探し・プランニング・資金計画を一体で考える
予算オーバーによるリノベーションの失敗を回避するためには、物件探し・プランニング・資金計画の3要素を常に一体で考えるようにしましょう。物件探しとプランニングを別の会社で行う場合、それぞれの会社で予算を多く見積もるなどバランスが難しくなることもあります。ワンストップの会社に依頼する場合は、全体予算の中で物件探しとプランニングを行うため予算の取り合いになることがありません。別会社に依頼する場合の回避策は、まず大まかなリノベーションプランを持った上で物件探しを行い、良さそうな物件が見つかったら資金計画的に問題ないかをプロに相談しながら検討します。
この時に物件購入費用だけでなく、リノベーション費用もトータルで予算内に収まるかを検証するのです。
資金計画がよく練られたものであっても、元手となるローンを組めなければ意味がありません。物件購入の際にリノベーションまで含めて考えられれば、物件購入費用+リノベーション費用を賄える「一体型ローン」を組める可能性があります。一体型ローンはリフォームローンに比べて金利が低い傾向にあるので、コストカットにもつながるのです。
失敗3. リノベーション会社選びに失敗して希望を叶えられなかった
リノベーションは設計や工事をプロにお願いするため、どの会社に依頼するかが成否を大きく左右します。価格の安さやネームバリューだけで会社を選んでしまうと、自身の希望を叶えられる技術力や提案力がなかったり、設計やデザインのセンスが合わなかったりして、リノベーションが失敗に終わってしまう可能性があるのです。
関連記事:「リノベーション会社選びのポイント」についてはコチラ
会社によって特徴や強みは異なる
リノベーション会社と一口に言っても、実際には多くの種類があり、それぞれに特徴や強みが異なっています。
・不動産系のリノベーション会社:中古物件選びや不動産仲介業に強み
・設計事務所、建築家系のリノベーション会社:デザイン力や設計力に強み
・ワンストップリノベーションを手がける会社:物件探しからリノベーションまで一括に手がけられるのが強み
リノベーションで失敗しないためには、こうした会社の種類ごとの強みを理解した上で、自身の希望する内容にマッチしたリノベーション会社を選ぶ必要があります。
回避策:ワンストップリノベーションの会社に依頼する
リノベーションは物件購入〜プランニング〜設計・施工と、数多くのフェーズを経て完成します。物件購入は不動産会社、プランニングや設計はリノベーション会社、施工は建築会社といった具合にそれぞれのプロに依頼すると、その分だけ信頼できる会社を選ばなければいけません。
一方、ワンストップリノベーションを手がける会社であれば、物件購入+リノベーションを一気通貫で対応してくれます。認識違いやミスマッチが起こりにくいので、希望するリノベーションを叶えられる可能性が高まります。リノベーション会社選びによる失敗を防ぎたいのであれば、ワンストップリノベーションを検討するのがおすすめです。
失敗4. 完成してから使い勝手の悪い間取りだと気づいた
「理想の我が家を作る」と意気込んでリノベーションしたはずなのに、いざ完成してみてから使い勝手の悪い間取りだと気づいてしまう、というような失敗もリノベーションにありがちです。図面やパース上で希望を詰め込んでいくだけでは、生活しやすい理想的な住まいは実現できません。
箇所ごとに見る失敗事例
失敗を防ぐためにも、リノベーション後の間取りでよくある失敗事例を知っておきましょう。
<キッチンにおけるリノベーションの失敗事例>
・リノベーション後は大きな冷蔵庫を置きたいと思っていたのに、リノベーションで十分な通路幅を確保しなかったため、扉を開けると通路に引っかかることが判明して諦めざるを得なかった
・キッチンは明るく開放的なほうがいいと考えて大きな窓を設けたところ、夏は西日が強く、食材が腐りやすい空間になってしまった
・憧れの対面式キッチンにした結果、通路幅が狭くなってしまい、2人以上で同時に作業するのが難しくなってしまった
<リビングにおけるリノベーションの失敗事例>
・間取り変更でリビング階段を設けたものの、リビングが圧迫されてしまった
・開放的な空間に憧れて大きな窓を設けたが、周囲の視線や夏の暑さが気になってカーテンを閉めてばかりで、せっかくの窓が生かせていない
<寝室におけるリノベーションの失敗事例>
・夜勤があるのに、東向きの場所に寝室を配置してしまい、強い日差しで朝早くに目が覚めるようになってしまった
・リビングや子ども部屋の音が聞こえる場所に寝室を配置してしまい、生活音が気になるようになってしまった
・収納が不足していて、持っている衣類や雑貨が収まりきらない
回避策:実際に生活するイメージをしながらプランニングする
先ほど紹介した失敗事例はいずれも、リノベーションの理想形を机上で考えてしまい、実際に生活するイメージがついていなかったために生じたものです。キッチンの失敗事例を例に見ると、これから子どもが産まれる予定なら「大きな冷蔵庫が必要になるだろう」「子どもがお手伝いすることもあるだろう」といったイメージを膨らませることで失敗を防げるでしょう。
また、リノベーションした住まいでの生活は数十年と続いていきます。今のライフスタイルのみならず、将来的なライフステージの変化も考慮してプランニングしたいところです。
リノベーションにもデメリットがあることを理解しておく
ここまでリノベーションでありがちな失敗事例4つと回避策を紹介してきましたが、前提としてリノベーションにはデメリットもあるということを理解しておきましょう。
築古物件は思わぬ出費の可能性がある
一般的に築年数が経過するほど物件費用を抑えられますが、築古物件だと表面からは見えない設備や配管が老朽化している場合があります。建物の耐久性や耐震性に影響がある問題だと、追加で想定外の出費が発生することも。築古物件のリノベーションを検討する際には、こうした想定外の事態もプランや予算に織り込んでおくといいでしょう。
建物構造は変えられない
先ほどもお伝えした通り、壁式構造やラーメン構造といった建物構造によって、工事の制約を受ける可能性があります。フルリノベーションであっても建物構造は変えられないため、物件購入前にチェックしておくのが大切です。
住み始められるまでに時間がかかる
中古物件を購入してリノベーションをする場合、物件の引き渡しを受けてからでないと工事ができません。リノベーションの一般的な工事期間を踏まえると、物件購入からリノベーションが完成するまで約2〜3ヶ月程度はかかると考えておきましょう。
基本的に工事中の家には住めないため、前の家に住み続けるか仮住まいを探さなければなりません。旧居+新居両方の家賃やローンを支払わなければならない可能性もあるため、注意が必要です。
リノベーションで失敗しないために押さえておきたい3つのポイント
最後に、リノベーションで失敗しないためにあらかじめ押さえておきたい3つのポイントについて解説していきます。
物件の種類ごとにポイントとなる部分をしっかり確認しておく
中古物件をリノベーションすると言っても、中古マンションなのか中古戸建てなのかによって、気をつけるべきポイントが異なります。物件の種類ごとに次のような点をしっかり確認しておきましょう。
・中古マンション
管理規約で工事できる内容や範囲が定められている場合があるため、管理規約は事前にチェックしておくのがおすすめ。内見時には、共用廊下やエントランス、ゴミ置き場など共用部の管理状況が問題ないかも見ておきましょう。
・中古戸建て
建築基準法は随時改正されており、中古戸建ての中には建設当時の法令に合わせて建てられたものの、今の法律では基準を満たしていない既存不適格の物件が存在します。リノベーションするには問題ありませんが、将来的に建て替える際に制限を受ける可能性があるため要注意です。
築古戸建ての中には、建築基準法や都市計画法の制定以前に建てられた「再建築不可物件」もあります。再建築不可物件は原則建て替えが困難な上、建築確認を要する大規模なリノベーションも制約を受けます。物件購入の際には、こうした物件を選ばないよう注意しましょう。
先輩たちの経験や失敗談を参考にする
最近では中古物件のリノベーションにチャレンジする人が増加。Webサイトや雑誌など、リノベーションの先輩たちの経験談や失敗談が多く掲載されるようになりました。サクセスストーリーを読んで夢を膨らませるのもいいですが、後悔しているポイントや失敗談を参考にすることで、ありがちな失敗を事前に回避できるのです。
気になった会社があれば実際に相談してみる
リノベーションで失敗しないためには、自身にとってベストなリノベーション会社選びが欠かせません。Webページやパンフレットを見て気になったリノベーション会社があれば、実際に店舗を訪れて相談してみましょう。リノベーション会社が主催する初心者向けセミナーに参加して、プロの話を生で聞いてみるのもおすすめです。
リノベ不動産でも「初心者向けセミナー」を開催していますので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
・リノベ不動産「初心者向けセミナー」
まとめ
理想の住まいを実現するための方法として有効なリノベーション。リノベーションで失敗しないためには、よくある失敗事例や回避策を常に意識しながら、プランニングや資金計画を進める必要があります。そのためにも、まずは専門知識を有するプロのリノベーション会社に相談してみるのがおすすめです。