リノベのハウツー
2020.07.18
住宅エコポイントとは?新制度「次世代住宅ポイント」について徹底解説!
こんにちは。不動産ライターのchimonです。今回は、住宅エコポイントと次世代住宅ポイントについてのお話です。
住宅購入に際してはさまざまな制度がありますが、その一つが2009年に初めて導入された住宅エコポイントです。住宅エコポイントは名称や目的が変更されながら運用されてきており、2019年には新制度「次世代住宅ポイント」として復活しています。
そこで今回は、旧来の住宅エコポイントと新たな次世代住宅ポイントがどのような制度なのか、両者にはどのような違いがあるのか、ご紹介していきます。
住宅エコポイント制度ってどんな制度?
まずは、かつての住宅エコポイント制度について見ていきましょう。冒頭でもお話しした通り、時代背景によって名称や目的を変更しながら運用されてきた経緯があるため、時系列で解説していきます。
2009年導入の初代住宅エコポイント
2009年に初めて導入された住宅エコポイントは、2010年3月から申請を開始。その後、経済対策として1年延長が決定されたことから、2011年末までに着工した住宅が対象となりました。
環境に配慮したエコ住宅を取得した人に対する支援制度という意味合いがあり、次のような場合がポイントの発行対象とされていました。
●エコ住宅の新築
●省エネ法に基づくトップランナー基準相当の住宅
●省エネ基準を満たす木造住宅
●太陽熱利用システムの設置
●エコリフォーム
●窓、外壁、屋根・天井、床の断熱改修
●バリアフリー改修
●太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽の設置
「復興支援・住宅エコポイント」として復活
2009年に導入されて好評を博した住宅エコポイントでしたが、2011年3月の東日本大震災を受け、2011年に「復興支援・住宅エコポイント」として復活しました。震災からの復興支援という意味合いが強く、2012年10月までに着工した住宅を対象とするものでした。
基本は初代の住宅エコポイントと変わりませんが、耐震改修が新たなポイントの発行対象に加えられた点が特徴。また、ポイントによって交換できる商品として、被災地の商品が取り入れられた点もポイントと言えるでしょう。
経済対策で復活した「省エネ住宅ポイント」
経済情勢を踏まえ、2014年末から2016年3月にかけて「省エネ住宅ポイント」が登場。従来の住宅エコポイントと比較して、次のような点が変更されました。
●対象住宅に「完成済新築住宅の購入」を追加
●リフォームの対象要件として「設備エコ改修」を追加
環境に配慮した住宅を増やすということに加え、経済を活性化するという意味合いが重視されたと考えられます。
新制度「次世代住宅ポイント」ってどんな制度?
これまで名称や目的を変えながら、断続的に継続してきた住宅エコポイント。2019年10月には、消費増税による住宅購入の負担を少しでも減らすため、新制度「次世代住宅ポイント」として復活しました。
当初の期間は2020年3月31日までとされており、予算は「新築:1,032億円、リフォーム:268億円」と定められています。主な対象住宅の要件は次の通りです。
●新築住宅
・一定の性能を有する住宅
・耐震性を有しない住宅の建替
・家事負担軽減に資する設備を設置した住宅
●リフォーム(いずれか1つに該当すれば対象)
・開口部、外壁、屋根・天井、床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
・バリアフリー改修
・耐震改修
・家事負担軽減に資する設備の設置
・リフォーム瑕疵保険への加入
・インスペクション(住宅診断)の実施
・若者・子育て世帯が中古住宅を購入して行うリフォーム
上記に該当する住宅を取得する際、建築主が申請を行うことでポイントが発行されます。このポイントを使って、各種商品と交換することができるのです。
2つの制度はどう違う?
従来の住宅エコポイントと、新制度の次世代住宅ポイントにはどのような違いがあるのでしょうか。主な違いとしては、次のような点が挙げられます。
●「家事負担軽減に資する設備を設置すること」がポイント発行対象に加わった点
●リフォームにおいて、「インスペクションの実施」もポイント発行対象に加わった点
●リフォームにおいて、若者・子育て世帯に対する支援が手厚くなっている点
これまでの住宅エコポイントは、その名の通り、環境に配慮した住宅に対する支援制度という意味合いが強いものでした。一方の次世代住宅ポイントは、住宅の安心安全・若い世代の住宅購入や生活支援・バリアフリー対応といった、「住みよい住宅」の取得に対する支援制度という側面が強化されていると言えます。
新型コロナの影響
2019年にスタートした住宅エコポイントは、当初2020年3月末が期限とされていました。しかし、2020年初頭からの新型コロナ感染拡大により、住宅の着工遅れや契約解除などが多発しています。
これを踏まえ、2020年3月末までに契約ができないなどやむを得ない理由がある場合に限り、申請期限が2020年8月31日に延長されました。それに合わせ、商品の交換申込期間も2020年11月30日までに変更されています。
新型コロナの影響で住宅工事に影響が出ているという人は、期限を過ぎてしまったからと申請を諦めるのではなく、最新情報をチェックするようにしましょう。
・参考:次世代住宅ポイント「新型コロナウイルス感染症対応」
まとめ
今回は、これまで断続的に実施されてきた住宅エコポイント制度、および2019年からスタートした次世代住宅ポイント制度について解説してきました。
次世代住宅ポイントは、従来の制度よりも対象が幅広くなっているのが特徴です。新型コロナの影響により期間も延長されていますので、現在家を新築あるいはリフォームしているという人は、内容を確認した上で申請を忘れないようにしましょう。