リノベのハウツー
2020.07.15
住宅ローンの最新金利動向2020〜最低金利の推移をチェックしよう
住宅ローンを借り入れるにあたって、返済額に大きな影響を与える金利の動向は気になるところですよね。超低金利時代が続いていると言われますが、最低金利は実際どのような状況なのでしょうか。
そこで今回は、住宅ローン金利の最新動向についてご紹介していきます。
超低金利時代が続く住宅ローン
日本の住宅ローンは、ここ数年超低金利時代が続いています。
これは、リーマンショック後にゼロ金利政策が開始され、さらには2016年からはマイナス金利政策が採られていることが関係しているのです。マイナス金利政策の下では、金融機関は日本銀行にお金を預けると金利を支払わなくてはなりません。よって、金融機関はなるべく融資しようと考えます。
しかし、金融機関もできるだけリスクを減らしたいと考えますから、なるべく安全な資産に投資しようとするのです。そうした時、最も安全と考えられる資産が国債です。金融機関が国債へ積極的に投資すると、価格が上がる代わりに利回りが下がります。
ところで、住宅ローンのうち、固定金利型の金利は「10年物国債」の利回りに連動しています。10年物国債とは10年で償還される国債のこと。つまり、マイナス金利政策によって10年物国債の利回りが下がると、連動して住宅ローンの固定金利も下がるというわけなのです。
対する変動金利は、「短期プライムレート」と呼ばれる数値に連動しています。短期プライムレートとは、銀行が最優良企業に短期で融資する際に適用する金利のこと。銀行はなるべく企業に融資したいと考えているわけですから、短期プライムレートも低くなっていきます。
実際、日銀のデータによると、短期プライムレートは2009年1月以来10年以上、1.475%(最頻値)という低水準から変動していません。そのため、連動する住宅ローンの変動金利も低水準のまま推移しているのです。
2019年は過去最低金利を更新!
それでは、2019年の住宅ローン金利はどのような状況だったのでしょうか。変動・固定別に見ていきましょう。
実質の最低金利を更新したフラット35(固定金利)
まずは、固定金利の中でも、長期固定金利の代表格と言える「フラット35」の金利についてです。
住宅金融支援機構が公表しているデータによると、フラット35の貸出金利は、2019年7月〜9月にかけて実質的な過去最低金利を更新しました。
その後は年末にかけて若干の上昇が見られましたが、年間を通じて過去最低の水準で推移しました。
史上最低金利を記録した変動金利
一方の変動金利も、2019年は史上最低水準で推移しました。
その発端となったのが、7月のジャパンネット銀行による住宅ローン新規参入。ジャパンネット銀行は参入にあたり、過去最低となる変動金利年0.415%を掲げます。
・参考:ジャパンネット銀行「ジャパンネット銀行、住宅ローンの取り扱いを開始審査から契約までをオンライン化、どこからでも24時間申し込みを可能に」
これにより、他の銀行でも最低金利を引き下げる動きが加速。この後ご紹介する通り、各金融機関による金利引き下げ競争が勃発する事態となっています。
2020年の状況を見てみよう
固定・変動ともに金利が過去最低水準となった2019年でしたが、2020年に入ってからはどのような状況なのでしょうか。今後の見通しも含め、解説していきましょう。
2020年初頭のおさらい
まず、2020年5月までの状況をおさらいしておきます。
フラット35に関しては、先ほどご紹介した住宅金融支援機構のデータにもある通り、年明けも若干の上昇傾向が見られました。ただ、直近の4月・5月は足踏み状態となっており、6月以降は下降する可能性も見えてきている状況です。
変動金利については、2019年12月あたりから一部銀行で金利引き下げが行われ、2020年1月にはジャパンネット銀行が年0.399%に引き下げを実施。2019年に記録した史上最低金利を更新する形となっています。
・参考:MOGE CHECK MEDIA「【2020年6月最新】変動金利0.399%!ジャパンネット銀行の住宅ローンの特徴を解説」
新型コロナウイルスの影響がどうなるのか
2020年後半に向けて、住宅ローンの金利はどのようになっていくのでしょうか。
その鍵となるのが、2020年早々から世界経済に影を落とす新型コロナウイルスの影響でしょう。欧米や日本では、感染拡大の第一波は峠を越えたと見られるものの、本格的な経済活動の再開には程遠い状況です。
仮に急速に景気が回復するようであれば、金利が上昇する可能性もあります。ただ、現状では元の水準まで回復するには、相当な時間がかかると考えた方が自然でしょう。そうなると、しばらくは固定・変動金利ともに最低水準で推移するのではないかと考えられます。
まとめ
今回は、住宅ローンの最低金利に関する直近の推移と最新動向について解説してきました。
ただでさえ、景気悪化が指摘されていた中で、新型コロナウイルスという予想だにしなかったマイナス要因が訪れています。ますます金利の動向を予想しづらくなっていると言っていいでしょう。これから住宅ローンを借り入れる場合は、将来的な金利上昇リスクを十分考慮して、慎重に選ぶことをおすすめします。