リノベのハウツー
2020.07.14
フラット35ってどんな住宅ローン?長期固定金利のメリット・デメリットとは?
住宅ローンの借り入れを検討する際、必ずと言っていいほど耳にするのが「フラット35」。よく聞く名前ではありますが、どのような住宅ローンなのか、いまいち理解できていないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フラット35の特徴やメリット・デメリット、おすすめの人といった点について解説していきます。
フラット35は長期固定ローンの代表格
まずは、フラット35がどのようなローンなのかご紹介していきます。
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して扱っている住宅ローン商品。最長35年、固定金利で借りられる点が最大の特徴です。
固定金利とは、借入期間中の金利が変動しないタイプのこと。なるべく利息収入を多く得たい民間の金融機関からすれば、長期間の固定金利はリスクが大きいと言えます。こうしたリスクを住宅金融支援機関が肩代わりすることで、比較的低い金利で提供されるのがフラット35なのです。
その他、次のような点が特徴として挙げられます。
●経済面では年収基準さえ満たせば借り入れられるので、比較的審査が通りやすい。
●多くの民間ローンでかかる保証料がかからない。
●借入の条件として、住宅の技術基準が設けられている。
これらの特徴を踏まえると、他の民間住宅ローンに比べ、フラット35はより幅広い人が借りられる住宅ローンと言えるでしょう。
長期固定金利のメリット、デメリットとは?
フラット35最大の特徴は、「長期間の固定金利である」点だとお話ししました。これには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
長期固定金利のメリット
先に長期固定金利のメリットについてご紹介します。主なメリットは次の通りです。
●借入時に返済額が決定するので、長期間でも返済計画が立てやすい。
●借入期間中に金利が変動しても返済額に影響しないので、安心して借り入れ続けられる。
2つのメリットを総合すると、長期固定金利は将来に向けたリスクが低いと言えます。35年もの長期となると、その間に何が起こるか正確に予測するのは困難です。金利変動という不安材料を取り除き、リスクヘッジできるという点は大きな魅力と言えるでしょう。
長期固定金利のデメリット
長期固定金利はリスクヘッジできる反面、次のようなデメリットもあります。
●変動金利に比べて、金利が高めに設定されている。
●借入期間中に金利が低下しても返済額が減らない。
先ほどご紹介した通り、長期固定金利は金融機関にとってリスクが大きいため、変動金利に比べると金利は高めです。見方を変えれば、利息を多めに払うことでリスクを低減しているとも言えるでしょう。
フラット35の金利見通し
ここまで、フラット35の特徴およびメリット・デメリットを見てきました。フラット35は長期固定金利の住宅ローンであり、変動金利に比べて金利が高めであるというお話をしましたが、実際の金利見通しはどうなのでしょうか。
実質的な最低金利を記録した2019年
今後の金利見通しを見るにあたり、2019年のフラット35の金利動向をご紹介しておきましょう。
2019年の金利は年初から少しずつ下がり続け、7月〜9月にかけては実質的な過去最低金利を更新していました。金利は日本の景気動向だけでなく、世界情勢の影響も大きく受けます。フラット35の金利が最低値を記録したのは、2019年7月にアメリカが約10年ぶりに政策金利を引き下げた影響と考えられているのです。
2019年9月・10月に年1.110%(借入期間21年以上35年以下、融資率9割以下、新機構団信付きの場合)という最低金利を記録した後、11月・12月の金利は若干上昇しています。
・参考:フラット35「【フラット35】借り入れ金利の推移」
2020年も低水準で推移する?
2020年に入ってからも若干の上昇傾向は見られたものの、4月・5月は年1.300%と横ばいで推移。6月以降も急激な上下は考えにくいだろう、という見方が大半です。
先述の通り、金利は世界情勢の影響を大きく受けます。2020年は、新型コロナウイルスの影響により、世界経済がリーマンショック以上とも言われる打撃を受けている状況です。このような状況下で金利が大幅に上昇するとは考えにくく、2020年もフラット35の金利は低水準で推移すると見られます。
ただ、現状でも過去最低水準ですので、これ以上大幅に金利が下がるということも考えにくいのです。
フラット35はこんな人におすすめ!
フラット35がどんなローンかわかったところで、続いてはフラット35がおすすめの人について解説していきましょう。次に挙げる特徴がある人は、フラット35を検討するといいかもしれません。
●十分な収入はあるが、会社勤めではない自営業やフリーランスの人。
●金利動向や経済情報などを常にチェックするのが苦手な人。
●投資や資産運用に苦手意識のある人。
●将来に向けたリスクをなるべく減らして、安定的な暮らしがしたいと考えている人。
フラット35の大きなメリットは、長い間金利変動のリスクをヘッジできること。安定性を求める人は、特にフラット35が向いていると言えるのです。
まとめ
過去最低水準と言われるほど金利が低下している現代ですが、この先いつまで続くか予想するのは難しいのが実情です。ふとしたきっかけで金利が上昇するリスクも捨てきれません。多少金利は高くても、確実にリスクヘッジしたいのであれば長期固定金利のフラット35はおすすめです。
以上、今回はフラット35の特徴や、長期固定金利のメリット・デメリットなどについてご紹介しました。