リノベのハウツー
2020.05.21
住宅ローンの金利は上がるの?下がるの?結局どれを選べばいいの?
住宅ローンは新築購入に限らずリノベーションにおいてもお世話になることが多い金融商品です。
数百万、数千万という大金を準備するのはかなりハードルが高いもので、リノベーションにおいても住宅ローンを申し込む傾向です。そこで気になるのが、やはり住宅ローンの金利です。
金利は借入先に支払う利息分になりますから、できれば低いに越したことはありません。例えば1000万円を借入した場合、1%の金利差で年間10万円もの差が出てしまいます。
ただ、金利タイプを選ぶにも変動金利を選べばいいのか、はたまた固定金利を選べばいいのか初めて住宅ローンを組む場合には迷うものです。さらに、固定金利においても「全期間固定金利型」を選べばいいのか、それとも「固定金利期間選択型」を選べばいいのかでも迷います。そこでこの記事では、ここ最近の住宅ローン金利の傾向から、自分に合った住宅ローンの選び方を解説していきます。
市況に連動する変動金利&10年国債に連動する固定金利
住宅ローンの金利が低ければ、それだけ払う利息分が少なくなりますから、総返済額を節約できます。または浮いた分のお金をリノベーション用に回すこともできるなど、低金利であればあるほどメリットも大きいものです。
住宅ローンの金利は、市況に連動する変動金利と10年国債に連動する固定金利とに分かれますが、一般的に変動金利の方が固定金利よりも低い水準で提供されています。
これは固定金利の方が金融機関にとってはリスクが大きく、そのリスク分を加味した形で変動金利に上乗せして提供されるためです。
例えば、金融機関が1%の固定金利として新規貸出を行った場合、金利が上昇1.1%に上昇しても固定金利で提供しているため、0.1%を加味することができません。
0.1%分を加味するためには、あらかじめ1.1%の金利として貸し出す必要があります。これが固定金利が変動金利よりも利率が高い理由です。
借り方にとっては変動金利及び固定金利とも一長一短あります。変動金利は金利の優遇率が高い代わりに金利上昇のリスクがあり、一方、固定金利は当初借入金利は高いものの返済が終わるまで金利が変わらないという利点があります。
ただ、ここ数年は変動金利でも低水準を維持したままの場合が多く、そのことを反映してか約半数の人が変動金利型住宅ローンを選んでいます。
低金利がいい?それとも充実したサービスがいい?
バブル以降の住宅ローン金利は下落の一途をたどり、2020年現在においては変動金利が0.4%を下回るまでに低水準を更新していきました。例えば、ジャパネット銀行の新規借入住宅ローンにおける変動金利は0.399%~(2020年2月時点)と、業界最低水準を記録しています。
1000万円借りたとしても1年後の利息が39900円という驚きの低さです。もちろん、実際に借り入れる場合は金利以外の事務手数料なども考慮に入れて計算する必要がありますが、金利が低いということはそれだけ総返済額が減りますから、借入の決め手になり得ます。
しかしながら、実は固定金利型住宅ローンにも変動金利型より金利が高い分、金利が固定されているという安心感のほか、様々なメリットがあります。特に全期間固定金利型の代表的な商品である「フラット35」には、省エネ機能などが付随した高機能住宅やバリアフリー、子育て住宅といった特定目的住宅に対しては、一定期間(約10年)通常の固定金利よりも低い金利で貸出が提供されています。
さらに、これらの住宅は自治体からの補助金制度も充実しているため、これらの制度を活用すれば結果的に変動金利でローンを組むよりも安い金額になる可能性もあります。住宅ローンは目先の金利の低さだけで判断してはならない、と言えるでしょう。
金利の低さだけでなく住宅ローン控除も利用すること!
とかく住宅ローンの金利ばかりに目がいきがちですが、金利の低さだけでなく、住宅に係る様々な優遇制度も活用することで、総返済額を節約できます。その代表的な制度と言えば、住宅ローン控除です。住宅ローン控除とは、一定の条件を満たすことで借入後10年間に渡り毎年ローン残高の1%を所得税から控除できる制度です。
例えば、年末時点でのローン残高が3000万円であれば、その1%である30万円を上限として所得税から控除される仕組みです。1%の控除額は非常に大きいもので、場合によっては金利相当分が控除されることもあります。
このように住宅購入には、それに付随する様々な制度がありますから、住宅ローンを組む際には金利も含めて総合的に評価するように心がけるべきでしょう。
まとめ
住宅ローンの金利はここ数年下落基調であることが背景にあってか、変動金利型の住宅ローンを選ぶ人が約半数以上に上っています。
ただし、固定金利型にも変動金利にはないメリットがあります。また、住宅ローン控除など金利以外の制度も利用するなど、総合的に検討して、自分にあった住宅ローンを選ぶことが理想でしょう。