リノベのハウツー
2020.05.19
金利の変動は怖い?賢い住宅ローンの組み方
住宅ローンを組む際にどうしても気になるのが金利の変動。
高額な住宅ローンですから、わずか0.1%の金利差でも1年後には大きな差が生まれてしまいます。例えば、3000万円を借りた場合、0.1%分金利が低いだけで1年後には3万円分節約できることになります。
返済期間が長くなればなるほど、その差は大きくなります。したがって、住宅ローンを組む際には、金利と上手に付き合うことで費用を抑えることができるほか、余剰金を用いてワンランク上のリノベーションなどに適用もできます。
とは言え、金利の変動は簡単には予測しがたいもの。例えば、変動金利による住宅ローンを選択した場合、突然の金利上昇により、毎月の返済金額が高額になる場合も。また、固定金利を選択した場合でも、その後の金利が下がれば「変動金利にすればよかった!」などと後悔することもしばしば。そこで今回の記事では、住宅ローンにはどうしても付き物である金利変動との上手な付き合い方について解説していきます。
変動金利と固定金利のお話
住宅ローンの金利には大きく分けて2種類あり、返済期間内に金利の変動を反映させる変動金利型と金利を固定させた固定金利型です。いずれかを選ぶことによってその後の返済金額が変わっていきます。住宅ローンを組む際にいずれかを選ばなければならないため、大きな悩みどころの一つでもあります。
変動金利型は、お金を借りた当初から返済が完了するまでの間に金利が市場と連動する形で変動するのが特徴です。一般的に景気が良くなれば市場の金利は上昇し、悪くなれば下がりますから、市場の金利と連動する形で住宅ローンの金利も更新されます。変動金利型の場合、6か月ごとに金利の更新が行われるのが一般的のようです。
固定金利型は、お金を借りた当初から返済が完了するまでの間又は定められた期間内においては、金利は固定されて一律であることが特徴です。住宅ローンを組んだ当初から金利が変わらないため、返済の見通しが立てやすくなります。
一般的に変動金利型の方が固定金利型よりも、住宅ローンを組んだ際の当初の金利は低く設定されています。その分、変動金利型は金利が上昇した場合のリスクを受けやすいとも言えます。
近年の金利の水準
住宅ローンの金利は、近年稀に見る低水準で動いているようです。例えば、auじぶん銀行やジャパネット銀行の変動型金利はそれぞれ0.38%及び0.399%と、0.4%台を切る低水準で推移しています。ソニー銀行や楽天銀行、メガバンクなどのその他の金融機関の金利についても概ね0.4%~0.5%台で推移しており、低水準を維持しているようです。
10年固定金利については、変動金利より若干高くなるものの、それでもどの金融機関も概ね0.6%台から0.9%台と、1.0%を切っている状態であり、住宅ローンを組むなら今がチャンス!と言わんばかりの状況が続いています。
一般的に金利は返済期間が長ければ長くなるほど高くなる傾向にありますが、住宅支援機構と民間金融機関の提携により提供されている超長期固定ローン型(35年)の「フラット35」についても、みずほ銀行の0.99%を筆頭に、多くの金融機関において1.1%から1.5%台と、かなりの低水準で推移しているようです。バブル期の変動金利が8%を超えていましたから、最近の傾向がどれだけ低金利であるかが分かりますね。
これで金利変動も怖くない!
市況の影響を受けやすくリスクの高い変動金利ですが、住宅金融支援機構のデータによれば、日本の住宅ローン金利については、平成13年以降ほぼ横ばいに推移しています。特に2016年における日本銀行のマイナス金利政策の導入後、銀行は積極的な貸付を求められていることから金利を上げづらい状況です。
また、変動金利には概ね「125%ルール」が適用されており、金利が急上昇しても毎月の支払額が125%以上にはならないという決まり事を採用している金融機関が多いようです。これは急激な金利上昇による家計への圧迫を防ぐためのもので、例えば月々の返済額が10万円であれば、金利が上昇しても12万5000円以上は増えないことを意味します。
さらに、最近では借り換えによる金利の優遇を受けられることも多いことや、ソニー銀行のように当初は変動金利で設定しておき、途中から固定金利に切り替えられるサービスなども充実していますので、固定金利型よりも変動金利型を採用する方が増えています。変動金利を選ぶ際には、その利点とリスクを十分熟知した上で上手に運用することが大切でしょう。
まとめ
変動金利型の住宅ローンには金利の急上昇によるリスクがありますが、その分固定金利型よりも低い金利による融資を受けられます。
また、「125%ルール」など変動金利のリスクを緩和する仕組みを採用している金融機関も多いようです。金利を検討する際には、その利点とリスクを十分に理解した上で選ぶようにしましょう。