リノベのハウツー
2020.04.05
中古マンションをリノベーション!知っておきたい4つの注意点
新築マンションを購入するよりも、安価で理想の住まいを手に入れられると人気のリノベーション。一方で、中古マンションのリノベーションには、特有の注意点もあります。
そこで今回は、中古マンションをリノベーションする前に知っておきたい注意点を、4つご紹介していきましょう。
注意点1:耐震性
中古マンションのリノベーションにおける注意点の1つ目は、耐震性に関するもの。
築古物件だと、耐震性が問題ないかどうかというのは気になるところです。そこで確認しておきたいのが、1981年6月以降に建築確認を受けた建物かどうかという点。
耐震基準の根拠となっている建築基準法は、1981年6月に大幅な改正が行われています。そのため、これより前の耐震基準を「旧耐震基準」、以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼んで区別しているのです。
旧耐震基準では震度5強程度の揺れでも倒壊しない程度の強度が求められていましたが、新耐震基準では震度6強〜7程度の揺れにも耐えられる強度が求められるようになり、基準がより厳しくなっています。
・参考:R.E.words不動産用語集「耐震基準(建築物の〜)」
1981年6月よりも前に建てられた物件を検討する場合は、過去に耐震診断や耐震補強が行われているかどうかを確認しましょう。
注意点2:見えない設備
リノベーション用の中古マンションを内見する際には、床下・天井・配管など見えない部分の設備も、できる限り確認しておきたいところ。
内装や水回りの設備などはリノベーションすれば良い話ですが、建物の躯体に関わる設備は簡単に手を加えられません。表面上は問題ないように見えても、配管の老朽化が進んでいて、いざ住み始めてから漏水や悪臭といった問題が発生する危険性もあります。
また、配管の敷設方法によっては、水回りの設置場所が制限される場合もあるのです。パイプスペース(PS)と呼ばれる配管が通る空間は動かすことができないため、どの位置にあるのかも確認しておきましょう。
注意点3:建物構造
3つ目の注意点は、物件の建物構造です。前提として知っておかなければならないのは、リノベーションにおいて、建物構造は変更できないということ。つまり、建物構造によってはリノベーションの内容が制限される危険性がある、ということなのです。
マンションで多く用いられているのが、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類。それぞれメリット・デメリットがあるので、自身が考えるリノベーションプランに合うかどうかで判断すると良いでしょう。
ラーメン構造
「ラーメン」とは、ドイツ語で額縁や枠を意味する言葉。ラーメン構造とは、その名の通り柱と梁を組み合わせた枠で建物を支える構造のことを言います。この枠に、床や壁を張っていくように建物を仕上げていくのです。
ラーメン構造の場合、基本的に柱・梁以外の構造は建物の耐久性に影響しません。そのため、外壁や隣の住戸との仕切り壁以外は取り払うことも可能。比較的自由に間取りを変更することができます。
ただし、建物を支える柱や梁は太いため室内に突き出していることが多く、部屋の形が凸凹になりやすい点がデメリット。部屋によっては、家具などのレイアウトに制限が生じるかもしれません。
壁式構造
対する壁式構造は、柱や梁を用いずに壁で建物を支える構造のこと。建物を支えるために構造上必要な壁のことを、耐力壁と呼びます。
壁式構造の場合、室内の壁も含めて耐力壁がほとんどであるため、基本的に壁を取り除いての間取り変更ができません。
その一方で、ラーメン構造のように柱や梁が突き出すことはないので、室内を広く使えるという点がメリット。間取りの自由度は低いですが、レイアウトに関してはむしろ自由度が高いと言えるでしょう。
注意点4:管理規約
中古マンションのリノベーションにおいて、もう1つ確認しておきたいのがマンションの管理規約です。
マンションの専有部分は個人の所有物ですが、建物そのものは住民全員の共有物。専有部分をリノベーションするからと言って、すべて個人の自由というわけではありません。
管理規約によって管理組合への工事の届出義務・近隣住戸からの承諾・工事範囲の制限など、独自の規則が定められている場合があります。中には、リノベーションプランに大きく影響するものもありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
まとめ
最近ではリノベーションがだいぶ定着してきていますが、中古マンションを購入して、いざ工事という段階になって問題が発生するケースも多いのです。ぜひこの記事の内容を参考に、購入前にチェックして問題を潰しておきましょう。
以上、今回は中古マンションのリノベーションに関する注意点をご紹介してきました。