リノベのハウツー
2020.04.05
少しでもお得にしたい!リノベーション補助金の活用方法とは?
(事例:Brooklyn Style〜大好きな自転車と暮らす家)
新築購入ほどではないにせよ、リノベーションには高額な出費が伴うものです。特に自宅全体をリノベーションする「フルリノベーション」では、場合によっては1,000万円以上かかることも考えられます。また、居住用に限らずお店の改装でなど業務用の場合においても、リノベーションに伴う出費はかなり手痛いものとなりますから、できるだけ費用を抑えつつ、機能的で快適な空間に仕上げたいものです。
リノベーションの費用を抑える方法としては、もちろん見積もり比較をしながら機能性や利便性を最低限満たしたものの中から、価格の安いものを選ぶのが定石ですが、リノベーションの目的や施工箇所によっては国や自治体の補助金対象となっている場合がありますので、これを活用しない手はありません。
そこで今回の記事では、リノベーションをお得にできる上手な補助金の活用方法について紹介していきます。
リノベーションへの補助金とは?
リノベーションに対する補助金とは、リノベーションのうち国や自治体の補助金対象条件を満たしているものに対して国や自治体が全額あるいはその一部を負担する金額のことです。国や自治体の推進する重要施策に合致しているものに対して支払われる場合が多く、国としては補助金対象とすることで、施策を大きく推進させることができます。
たとえば、バリアフリー化や介護のためのリノベーションは、国が推進する重要施策の部類に入ります。これらのリノベーションを行う場合に、国がその費用の一部を補助金として負担することで、施策が広く推進されるということになります。
バリアフリーや介護用リノベーションだけでなく、耐震強化工事やスマートハウスによる省エネ設備の導入、環境配慮型住宅などは補助金の対象とされている場合が多いようです。例えば、太陽光パネルの導入や、節水トイレの設置、エコキュートやエネファームなどの高効率給湯器の設置、断熱材の使用などに対して補助金制度が適用されることがあります。また、最近話題となっている「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)へのリノベーションに対しても適用できる補助金制度があります。さらに、工事までとはいかなくても耐震強度の診断などに対しても補助金対象としている自治体もあります。
補助金を活用することで予算に余裕ができるため、節税によるものよりも効果の高いリノベーションを実施することができます。
リノベーション補助金の具体例【東京都】
ここでは実際に使われているリノベーション補助金の例として東京都の例を挙げていきます。東京都には「東京都住宅政策本部」が設置されており、東京都に所属する市区町村ごとにそれぞれの住宅助成制度が設けられています。
たとえば、東京都台東区ですと次のような制度があります。
耐震診断助成
建物が耐震基準を満たしているか否かを診断する費用に対する助成金で、台東区の場合の助成金割合は、木造住宅で10/10かつ上限15万円、非木造住宅で1/2かつ上限50万円、住宅以外で8/10かつ上限15万円となっています。
耐震改修工事助成(住宅)
住宅の耐震工事に対し、これにかかる費用の一部を台東区が負担する制度で、重点地域に該当する場合は総費用の2/3かつ上限200万円、それ以外では総費用の1/2かつ上限150万円もの金額が助成されます。
子育て世帯住宅リフォーム支援制度
子育て世帯を応援する住宅支援制度で、手すりの取付や段差の解消、滑り防止のための床材変更、進入防止フェンスの設置等の工事費用を対象として、その1/3かつ20万円を上限として助成されます。
再生可能エネルギー機器等助成金
太陽光発電システムや家庭用燃料電池、LED照明の設置などを対象に、その設置費用の一部を助成する仕組みで、太陽光発電システムの場合では1kWあたり5万円かつ上限20万円、家庭用燃料電池(エネファーム)では1台あたり14万円などとなっています。
窓、外壁等の遮熱・断熱改修
窓や外壁の断熱改修工事のための費用を一部助成する仕組みで、工事費用(税抜)の20%(上限15万円)が助成されます。
(参照:平成30年度 東京都区市町村 住宅助成(融資)制度の概要、東京都地方公共団体(区市町村)助成制度一覧)
リノベーション補助金を活用するコツ
東京都台東区の例からもわかるように、リノベーションに対する需要が増加していることが背景にあり、それぞれの場面に応じて活用できる補助金制度がかなり充実しています。それでも共用部のあるマンションや集合住宅では、マンション居住者の合意が必要な場合もありますが、戸建住宅の場合はその必要がないため、補助金制度をより柔軟に活用できます。
制度によっては、工事の全額を助成金によって賄えるものもあるため、補助金の率により実施したいリノベーションを選ぶことも、限られた予算を最大限に活かすための一つのコツです。ただし、補助金は基本的に予算枠が決められています。そのため、申請者が殺到して予算オーバーになると、助成金を受けられないこともあり得ますので、早めに申請することが大切です。
まとめ
リノベーションの補助金は、国や自治体の施策に沿った工事であれば、補助金対象となっている可能性が高い傾向にあります。補助率の高いリノベーションから選ぶことで、限られた予算を最大限活かすことができます。リノベーションを検討しているなら、補助金についても調べてみてはいかがでしょうか。