リノベのハウツー
2020.04.06
リノベーションやリフォームで使える一体型ローンとは?
以前は新築の一戸建てやマンションを購入するという考え方が主流でした。しかし、最近では中古の一戸建てやマンションを購入したあとに、リフォームやリノベーションを行ってから住むという人も増えています。
中古住宅の購入やリフォームを行う場合にも資金調達が必要となります。資金調達の方法はさまざまですが、金融機関の中には「一体型ローン」というお得なローンを取り扱っているところもあります。
そこで今回は、一体型ローンの魅力についてまとめました。一体型ローンのメリットやデメリット、おもな一体型ローンについて紹介します。リノベーションやリフォームを検討されている方は、この記事を参考にしてください。
一体型ローンとは?
一体型ローンとは、中古住宅の購入とリフォームを一体として融資するローンです。
通常、中古住宅を購入するときには住宅ローン、リフォームを行うときにはリフォームローンを利用します。しかし、融資を申請するときには、それぞれのローンを別に申し込む必要があります。そのため、融資を受けるために時間や手間がかかるという問題がありました。
一体型ローンを利用すると、1回の申し込みで両方の融資を受けることが可能です。
一体型ローンのメリットとデメリット
一体型ローンにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
おもなメリットとして以下の3つが挙げられます。
・毎月の返済金額を減らすことができる
2020年2月時点での伊予銀行の変動固定選択型のリフォームローンと住宅ローンで比較した場合、リフォームローンは3年固定で2.30%、10年固定で2.9%ですが、住宅ローンは3年固定で0.80%、10年固定で1.20%となっています。一体型ローンでは、住宅ローンと同じ低い金利が適用されるので、毎月の返済金額を減らすことが可能です。
・諸費用を抑えることができる
ローンの申し込みをすると、その後必ず審査があります。住宅ローンとリフォームローンを別々に申し込む場合、それぞれの手続きが必要となるので手数料がかかります。一本化ローンの場合、手続きが1回で済むので諸費用を半分に抑えることが可能です。
・住宅ローン減税を利用できる
住宅ローンを利用する場合、住宅ローン減税を利用できます。住宅ローン減税とは、毎年の所得税や住民税の一部を控除するという制度です。リフォームローンの借入では利用できませんが、一体型ローンを利用することで、リフォームの費用も住宅ローン減税の対象にできます。
デメリット
一体型ローンのデメリットは、審査が厳しくなることです。
住宅の購入資金とリフォーム工事の資金の融資を申請するので、通常よりも融資額が大きくなります。そのため、通常の審査よりも年収や年齢などの審査条件が厳しくなり、ケースによっては審査に落ちることもあるので注意が必要です。
(参照:伊予銀行 個人ローン金利一覧)
おもな一体型ローン
おもな一体型ローンとして以下の3つが挙げられます。ローンを検討するときの参考にしてください。
フラット35(リフォーム一体型)
フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して取り扱っている住宅ローンです。中古住宅の購入とリフォーム工事に必要な資金の借入が可能です。
フラット35の特色は、リフォーム工事の内容や工事費に関しての制限がないことです。床の張替えや老朽化した設備の交換に関しての費用もフラット35の金利を適用できます。加えて、最長で35年のローンを組むことができるので、毎月の返済額を抑えることも可能です。
注意点は、フラット35の基準を満たしている物件のみが対象となっていることです。築年数が古い物件に関しては、フラット35の基準を満たしていない可能性があるので注意が必要です。加えて、フラット35(リフォーム一体型)を取り扱っている金融機関が少ないというデメリットもあります。
フラット35リノベ
フラット35リノベは、省エネや耐震、バリアフリーなど、性能の向上を目的としたリノベーション工事を行うときに利用できる一体型ローンです。フラット35(リフォーム一体型)よりも低い金利で借入ができます。
民間の一体型ローン
民間の金融機関の中には、リフォーム費用を組み込んだ住宅ローンを販売しているところがあります。金融機関によって金利のタイプや融資の上限などが異なります。ネット銀行や都市銀行でも取り扱っているので、チェックしておきましょう。
まとめ
一体型ローンとは、中古住宅の購入のためのローンとリフォーム工事のローンが合わさったローンのことです。金利を低く抑えることができる、手続きが1回で済むといったメリットがあります。
ただし、借入金額が大きくなるので、審査が厳しくなるというデメリットもあります。そのため、ローンを申し込むときには、あらかじめ融資の条件をクリアしているか確認しておきましょう。
おもな一体型ローンとしては、フラット35(リフォーム一体型)が挙げられます。最近では、リフォーム費用を組み込んだ住宅ローンを販売している金融機関もあります。慎重に検討しながら、自分に合った一体型ローンを選びましょう。