リノベのハウツー
2020.04.14
戸建のリノベーションを検討しているなら要確認!戸建リノベーションのメリット・デメリット
住宅を購入するにあたり、中古戸建物件をリノベーションしたいと考える人もいるのではないでしょうか。ただ、中古だと安全性も気になるところです。
そこで今回は、戸建リノベーションのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
戸建リノベーションのメリット
まず、戸建をリノベーションするメリットについて見ていきましょう。
物件取得費用を抑えられる
中古戸建物件をリノベーションする最大のメリットは、新築物件に比べて購入費用が安いことです。
戸建はマンションに比べて、築年数による資産価値の減少ペースが早いと言われています。一般的には、建物価値が築10年で新築時の半額、築15年で新築時の約2割まで下落してしまいます。さらに木造住宅では、築20年で建物価値がほぼゼロになるとされます。
(参考:三菱UFJ不動産販売「知っておきたい売却・査定相場比較 築年数」)
これは、木造住宅の耐用年数が22年とされているためです。築22年を超えると、木造住宅は資産計上されないというわけなのです。裏を返せば、ある程度の築年数がたてば資産価値は安定するとも言えるでしょう。
(参考:国税庁「耐用年数(建物/建物附属)」)
資産価値のなくなった古い家が建つ土地のことを「古家付き土地」などと呼び、土地のみの価値に等しい価格で中古物件を手に入れられることもあります。
(参考:くらそうね解体「解体工事用語集 古家付土地」)
立地の良い物件が手に入りやすい
都心近郊や駅近くなど、立地の良い場所はすでに物件が建っており、新築戸建の分譲数は少なくなります。その点、中古物件は立地の良い場所にも存在するのが特徴。
この傾向は、東日本不動産流通機構が発表している「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」から読み取れます。
2019年の新規登録件数について、首都圏全体では新築戸建が中古戸建を上回っているのに対し、東京都区部に限ってみるとほぼ同数です。このことから、立地の良い都区部では新築供給が少なく、中古物件の割合が高いということが言えます。
過去からのストックもあるため、アクセスの良い都区部にはより多くの中古戸建物件が存在すると考えられるのです。
自由にデザインできる
建て売りの新築戸建の場合、画一的なデザインがほとんどです。注文住宅であれば自由に設計できますが、その分建設費が高くなります。
対する戸建リノベーションは、ライフスタイルに合った自由度の高い住まいを、比較的安価で手に入れられるのもメリットです。
戸建リノベーションのデメリット
ここまで戸建リノベーションのメリットをご紹介してきましたが、デメリットも見ていきましょう。
築古だと耐震・断熱補強の必要があることも
戸建リノベーションにおけるデメリットとして大きいのが、耐震性や断熱性に問題があるかもしれないという点。
耐震性については、1981年以降の新耐震基準に加え、2000年の建築基準法改正によって定められた「2000年基準」を満たしているかという点が重要です。
この2000年基準は、1995年の阪神・淡路大震災で木造住宅の倒壊が相次いだことに伴い設けられたもので、木造住宅の耐震性に関する基準が大きく見直されています。
(参考:ノムコム「一戸建ての耐震性能。知っておきたい4つのポイント」)
また、築古物件だと十分な断熱性が確保されていない場合があります。断熱性はエネルギー効率や住環境の快適性に直結する部分。
耐震性や断熱性を補強する必要があるとなれば、大工事が必要になってしまいます。
ローン金利が高くなりがち
戸建リノベーションでは、住宅ローンを組むのは難しいのが実情です。
「フラット35」を例にとると、貸し出し条件として技術基準が設けられており、耐震性や劣化状況に難がある中古戸建物件では借り入れが難しいと言えるでしょう。
(参考:フラット35「中古住宅の技術基準の概要」)
そのため「リフォームローン」を組むことになりますが、特に審査の通りやすい「無担保型リフォームローン」で資金調達する場合、住宅ローンに比べて金利が高いというデメリットがあります。
建て替えとリノベーションならどっち?
戸建リノベーションのメリット・デメリット両面を見てきましたが、建て替えとリノベーションではどちらを選ぶのが良いのでしょうか。
正直なところ、時と場合によってどちらが良いかは変わってきます。しかし、一つの基準として、耐震・断熱補強の工事が必要になってくると費用がかさむため、建て替えを検討してみると良いでしょう。
判断がつかない時には、プロによる「ホームインスペクション(住宅診断)」を依頼するというのも有効です。結果を参考にして、どちらにするか検討してみても良いでしょう。
まとめ
今回は、戸建リノベーションのメリット・デメリットをご紹介してきました。
安価で取得でき、自由度の高い戸建リノベーションですが、場合によっては建て替えを検討した方がいい場合もあります。どちらが良いのか検討した上で、後悔のない住まいづくりを目指していきたいですね。