リノベのハウツー
2020.01.29
東横線沿線の中古マンションは買いか?周辺路線と徹底比較
住宅ローン金利が下がっている昨今、マンションが買い時と言われています。マンション購入というと新築か中古で迷う人もいますが、価格面から中古を選ばれる方も多いでしょう。
では、首都圏で中古マンションの買い時となっているのは、どのエリアなのでしょうか。特に東急東横線沿線は、タワーマンション開発が盛んであった武蔵小杉をはじめとして、人気のエリアが複数あります。
そこで今回は、東急東横線・東急田園都市線・小田急小田原線の三路線に絞って比較してみます。
まず、東横線沿線の中古マンション平均価格を見てみましょう。
(※参照:LIFULL HOME’S 東急東横線の中古マンション価格相場情報 占有面積70m2の場合の中古マンション平均価格表)
一番高いのは代官山で、その次が渋谷・中目黒、3番手に学芸大学・新丸子・武蔵小杉といったあたりが続きます。田園調布は高級住宅街というイメージがありますが、中古マンションに関しては、沿線内で比較すると意外と高くないことがわかります。
むしろ、新丸子・武蔵小杉の方が高くなっています。これは、武蔵小杉でタワーマンションの建設が進んだことが原因でしょう。
逆に一番安いのは妙蓮寺で、その次に日吉・白楽・大倉山といったあたりが続きます。新丸子と武蔵小杉は別として、元住吉から横浜側は、都内と比較すると価格が数百万〜1,000万円程度下がる傾向です。
この比較から、東京都内で起きている不動産値上がりの波は、神奈川県に入ると弱くなっていると言えるでしょう。
東横線沿線の中古マンション価格
(※参照:TRAVEL TOWNS )
こちらのグラフは、渋谷から各駅の所要時間と横浜から各駅の所要時間を表しています。
東横線は、各駅停車に乗っても、横浜〜渋谷間を40分弱で行き来できる利便性の高い路線です。
元住吉から横浜方面は、都内と比較すると価格が高くありませんが、最大で35分程度あれば、渋谷にも横浜にも行くことができます。アクセスは比較的良好と言えるでしょう。
東横線と比較1:田園都市線沿線の中古マンション価格
続いて田園都市線沿線の中古マンション平均価格を見てみましょう。
※参照:LIFULL HOME’S 東急田園都市線の中古マンション価格相場情報
占有面積70m2の場合の中古マンション平均価格表
田園都市線では、東京都と神奈川県の県境は、二子玉川と二子新地との間にあります。
グラフを見ると、田園都市線沿線は東横線沿線よりも明確に神奈川県側の価格が低くなっていることがわかります。
所要時間は、渋谷からたまプラーザまでが約30分で、渋谷から中央林間までが約1時間です(どちらも各駅停車利用時)。
たまプラーザ〜青葉台・田奈〜中央林間で価格を区切ることができるような分布になっています。長津田やつくし野あたりは、東横線沿線よりもかなり価格が低いことがわかります。東横線の底値になる妙蓮寺(2,911万円)と比較しても1,000万円近い差が確認できます。
価格帯だけで見ると田園都市線沿線の方が東横線沿線よりも安く見えます。しかし、田園都市線は通勤ラッシュの混雑度がかなり高く、また、たびたび同時間帯に数十分単位で電車が遅れるなど通勤は東横線沿線よりも大変と言われます。
また、中央林間の方には米軍の座間基地があり、日中から航空機の騒音があるなど、生活環境の面で少々難がある点も考慮にいれるべきでしょう。
東横線と比較2:小田急線沿線の中古マンション価格
最後に小田急線沿線の中古マンション平均価格を見てみましょう。
(※参照:LIFULL HOME’S 小田急小田原線の中古マンション価格相場情報
占有面積70m2の場合の中古マンション平均価格表(一部駅については割愛))
神奈川県に入ると価格が下がるのは小田急線も同じ状況と言えます。特に小田急線沿線の神奈川県では、そのほとんどが3,000万円を下回っています。ただ、町田と海老名だけは例外で、県境の狛江とほぼ同じ水準であることがわかります。
また、新宿よりも参宮橋・代々木上原といったエリアの方が高くなっています。この辺りは、渋谷にも近くなる立地などが値上がりの要因と思われます。
向ヶ丘遊園や生田あたりは、新宿まで30分前後で価格帯も安いですが、生活利便性の面でみると、ランクが少し下がると言えるでしょう。
まとめ
比較してみると、平均的に最も価格が高いのは東急東横線沿線と言えそうです。
例えば、予算を5,000万円として比較してみると、東横線では都立大学・自由が丘、田園都市線では駒沢大学〜二子玉川、小田急線では経堂〜成城学園前あたりが該当します。
終点からの時間で測ると、渋谷〜都立大学は10分、渋谷〜駒沢大学は8分、新宿〜経堂は18分です。渋谷に近いエリアでは、東横線と田園都市線とは、都心からの距離と値段が概ね同じぐらいで反比例しています。
東横線と田園都市線とを比較した場合、以下のポイントを考えると、東横線の方が利便性は高く、価格に見合った立地と言えそうです。
・渋谷と横浜とを結ぶ路線
・各駅から渋谷と横浜までの所要時間
・電車の混雑具合
渋谷・新宿周辺から神奈川方面に向けた地域で、中古マンション購入をご検討の方は、参考にしてみてください。