リノベのハウツー
2020.01.24
最近よく見るリノベーション賃貸ってどうなの?
賃貸住宅を探していると「リノベーション済み」や「リフォーム済み」という物件を目にするようになりました。壁紙の貼り替え程度ではなく大改装をおこなったことを表しています。改装にコストはかかりますが見栄えがぐっと良くなるのがリノベーション賃貸、借り手もすぐにつくというメリットがあります。
借り手にとってもリノベーション賃貸は新築よりも安いなどのメリットがあるのですが、やはり落とし穴もあります。ここではまず、リノベーション賃貸のメリットについて見ていきましょう。次に落とし穴、デメリットについても見ていきます。
リノベーション賃貸、3つのメリット
リノベーション賃貸の3つのメリットを見ていきましょう。
それぞれが「感じる」「見える」と、今ひとつ割り切れない表現になっているのは意味があります。
■割安に感じる
新築の賃貸住宅と比べると割安なのがリノベーション賃貸です。しかし見た目が良いだけで、同じ築年数の賃貸住宅と比較すると割高というケースがほとんどです。リノベーション賃貸は割安ではなく、割安に「感じる」のです。
■新しく感じる
リノベーション賃貸は大改修をおこなわれていますから、壁紙やバス、トイレ、キッチンは新品同様かもしれません。しかし、住宅の骨組みや電気配線、上下水道の配管は古いままで新しくはないのです。新しく「感じる」ところがメリットです。
■おしゃれに見える
今風の見た目になっているのがリノベーション賃貸ではありますが、本当に自分好みになっているか?というと必ずしもそうではありません。おしゃれに「見える」のがメリットになるでしょう。
リノベーション賃貸のデメリット
住む人の好みに合わせて大規模な改修をするというのが、リノベーション本来の意味です。見た目やデザインだけでなく、使い勝手など目に見えない部分の改修も同じくらい力を入れるものなのです。しかし、よくあるのが「感じる」「見える」ばかりに力を入れたリノベーション賃貸、実際に借りてしまう前に以下のデメリットをチェックしましょう。
■間取りは本当に使いやすい?
細切れだった3LDKの部屋をつなげることでキッチンやリビングを広くする、これは良くあるリノベーションです。しかしその結果、使い勝手が悪くなることもよくあるのです。
必要なのは内覧で実際に使ってみることと、想像力を働かせてみること。たとえばキッチンに実際に立って使い勝手を確かめたり、ベッドを入れた後の通路幅などを想像してみたりしてください。エアコンはリノベーション前と同じではなく、充分な大きさのものが入っていますか?
■耐震性は大丈夫?
内装がいかに新しくても建物は古いままというのがリノベーション賃貸です。チェックすべきは築年、1983年がポイントになります。なぜなら1981年に法律が「新耐震基準」に改められたから。
鉄筋コンクリート建てのものについては、現在と同様の基準になったからです。1983年に建てられたものなら、1981年の改正に基づいていることでしょう。
■電気容量も要チェック
リノベーション賃貸では電気容量もチェックしましょう。電気容量とは家電製品を同時に使う場合に必要になるもの。「アンペア(A)」で表されるのですが、一人暮らしなら30A、カップルなら40Aは欲しいところです。
なぜなら1,200Wのドライヤーなら12A、1,000Wの電子レンジなら10A……と一度に使う家電が多くなると、電気容量の上限に達してブレーカーが落ちてしまうからです。古い賃貸住宅の電気容量が低いということはよくあります。必ずチェックしておきましょう。
■コンセントの位置
電気容量と同時にコンセントの位置もチェックしてください。間取りを変えたのにコンセントは移動していないということは、リノベーション賃貸ではよくあります。
キッチン周りや机を置きたいスペースにコンセントがあるか?掃除機をスムーズにかけられるか?がチェックポイントです。
避けられない?住んでみないと分からないリノベ賃貸のデメリット
今まであげてきたリノベーション賃貸のデメリットは、すべて内覧時にチェックできるものばかり。避けようと思えば避けられますから、本当のデメリットとはいえないのです。しかし、次にあげるのは実際に住んでみないとわからないデメリットです。
■排水管・防音が古い
排水管が古いままだとニオイの原因になりますし、防音性が低いままだとストレスになるのですが、これらの点が改善されていないケースはよくあります。リノベーション賃貸の見た目が新しくても、排水管や防音性は古いままだということは頭に入れておきましょう。
■オール電化も要注意!
ガス料金がかからないと聞くと、オール電化の賃貸は素晴らしく感じます。ただ注意しなくてはいけないのがIHヒーターの火力と温水の水圧、両方とも想像しているよりも弱くなるでしょう。シャワーヘッドを付け替えるなどの対策が必要です。
まとめ
見た目は最高!ですが、よく見ると色々とデメリットがあるのがリノベーション賃貸です。ただ、あらかじめデメリットを頭に入れておけば、避けることもできますし、直面したときもあわてずにすむものです。
また、これらのデメリットはリノベーション賃貸だけではなく、本格的なリノベーションをおこなった際にも起こりうることです。事前の打ち合わせで念を押すべきポイントでもありますから、リノベーションを検討している方も覚えておいて損はありませんね。