リノベのハウツー
2019.12.27
家を購入する前に知っておきたい、ローンの計算方法
夢のマイホームを購入したいと思った時に、まず気になるのが住宅ローンです。
ローンには金利があり、単純に借入額を返済すればよいというわけではありません。
ただ、将来の生活を考えると、大まかにでも返済額は把握しておきたいものです。
そこで今回は、家を購入する前にぜひ知っておきたい、ローンの簡単な計算方法をお伝えしていきます。
ぜひ、計画を立てる参考になさってください。
金利とは?
ローンの返済額を計算する上で、押さえておかなければいけないのが「金利」の存在です。
金利を簡単に定義すれば、借りる側が貸す側に対して、借入金に追加して払うお金(利子)の割合と言えるでしょう。
金利には、主に下記の3タイプがあります。
・変動金利型:市場金利の変動に合わせて、返済中でも定期的に金利が変動するタイプ。
・固定金利型:市場金利の変動に関係なく、借入当初の金利が完済時まで適用されるタイプ。
・固定金利期間選択型:借入当初から一定の特約期間内は、固定金利が適用されるタイプ。
「変動金利」と「固定金利」の違いを理解して、ご自分のライフプランに合った金利の種類を選択することが重要です。(三井住友銀行「金利とは?」)
つまり、借り入れる時点での市場金利が高いのか低いのか、将来的なトレンドがどうなのか、ということを理解した上で選択しましょう。
毎月の返済額を計算してみよう!
金利について理解できたところで、さっそく毎月の返済額を計算してみましょう。
元利均等返済と元金均等返済
毎月の返済額は、「元金の月ごと返済額+利子」なので、すぐに計算できそうですが、住宅ローンには主に2つの返済方法があり、どちらの方法をとるかで状況が異なります。
・元利均等返済:毎月お支払いいただく返済額が一定となる返済方法です。
・元金均等返済:毎月お支払いいただく返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法です。(フラット35「元利均等返済と元金均等返済とは?」)
元利均等返済は、毎月の返済額(元金返済+利子)が一定なので、返済計画が立てやすくなります。
一方で、元金均等返済は元金の返済額が一定なので、未返済分が大きい最初のうちは、利子の金額が多く全体の返済額も大きくなります。
いざ計算!
今回はもっとも計算しやすく、一般的な「固定金利型・元利均等返済」の場合を考えてみましょう。
毎月の返済額を計算するための公式はつぎの通りです。
・毎月の返済額 = 借入金額 ×{月利 × (1+月利)のα乗 / (1+月利)の(α-1)乗}
※月利=1ヶ月あたりの金利のこと。
※α=返済回数。
ただ、これを計算するのは、なかなか骨が折れます。
返済額早見表
そこで活用したいのが、返済額早見表です。
下記の表にある金額は、100万円当たりの月返済額を表しています。借入金額が2,000万円であれば、表の金額を20倍(2,000万÷100万)してください。
これを公式として表すなら、つぎのようになります。
・月返済額=早見表の金額 ×(借入金額 ÷ 100万円)
例えば「返済期間35年・固定金利1.50%・借入金額3,000万円」のローンを組むとします。
早見表では「期間35年・金利1.50%」の交点を見ると、3,061円です。実際に毎月の返済額を計算すると、3,061円×(3,000万円 ÷ 100万円)=9万1,830円となります。
ボーナス払いは考慮せずに計算していますが、かなり参考になる数値です。
逆算すれば借入可能額も計算できる!
ここまでは、借入金額から毎月の返済額を計算してきました。
次に、毎月の返済可能額から、どれだけ借入できるのか計算する方法を考えてみましょう。
賃貸マンションに住むAさんの例
Aさん(35歳女性)の住む賃貸マンションの家賃は月15万円なので、マイホームを購入しても月の返済を同額に抑えたいと考えています。
現在の銀行における実質金利が2.50%だと仮定し、60歳になるまでにはローンを完済したいとします。
Aさんは35歳ですから、60歳で完済する場合の借入期間は25年です。
先ほどの早見表で「期間25年・金利2.50%」の交点を見ると、100万円あたり4,486円の返済額と仮定できます。
15万円と4,486円を比較すると、15万円÷4,486円≒33.43倍です。
100万円×33.43=3,343万円が、早見表から算出されます。
一般的な考え方
Aさんの事例は、つぎのような計算式になります。
・借入可能額 =(月々の返済希望額 ÷ 早見表の金額)× 100万円
この計算は概算であり、実際には金融機関の審査基準などがあるため、資金計画の目安として活用してください。
シミュレーションサイトも有効
全体の返済金額から月々の返済額を求める方法、逆に月々の返済額から借入可能額を求める方法、それぞれについて簡単な計算方法をお伝えしてきました。
より具体的には、各金融機関が提供しているシミュレーションサイトを活用してもよいでしょう。
・住宅金融支援機構「住宅ローンシミュレーション」
・三菱UFJ銀行「新規お借入シミュレーション」
・みずほ銀行「住宅ローン返済額シミュレーション」
・三井住友銀行「住宅ローンシミュレーション」
・楽天銀行「住宅ローンシミュレーション」
・住信SBIネット銀行「住宅ローンシミュレーション」
まとめ
今回は、住宅ローンにおける計算方法についてご紹介してきました。早見表を使えば概算を把握できますので、住宅購入のイメージを膨らませるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
より具体化してくるようであれば、金融機関が提供するシミュレーションを用いて計算してみましょう。
マイホームの購入で人生を豊かにするためにも、事前にしっかり資金計画を立て、無理のない返済プランを組み立てましょう。