リノベのハウツー
2017.09.01
和風リノベーションで落ちつける空間を
和風住宅は様式ではなく、風土や庶民の生活から生み出された住まいです。つまりもっとも人間的な住まいで、時代を超えた親近感と生活実感があります。屋根の形や外壁も古くはその地方、風土の自然条件を克服するために独自の意匠を生み出し、身近にある材料を上手に利用した知恵がうかがえます。 現代住宅に和風住宅の良さを取り入れる場合、古来の形をそのまま再現する必要はありません。それは私たちの生活事情が、大きく変わってしまったからです。
“床の色には暗めのカラーを選ぼう”
リノベーションを行って和室を作る場合、すべてが畳張りとなります。ですから直に床が見える場所というのは、玄関ぐらいではないでしょうか。玄関は住まいの顔としての品格が大切になってきます。リノベーションを行って和風住宅を作るのなら、玄関の床もそれに合わせた雰囲気で作っていかなければなりません。 一般的にこれらの住宅の場合、玄関に土間があり和室とつながっている床があります。雰囲気を醸し出すためには木材や石、建具や照明器具などの素材の利用がありますが効果的な手法としては、視野に庭を取り入れる方法もあるのです。玄関に立って庭が見えるというのはゆとりでもあり、適度な豪華さがあります。土間から続く床には暗めのカラーを利用して、外の庭とのコントラストを出すようにしましょう。シックな暗めの色の床を通っていくと質素な和室がつながっています。リノベーションで雰囲気をうまく醸し出してみてください。View this post on Instagram
“木を取り入れて和風感を出そう”
たとえば、浴室などスペースの節約とか掃除の簡単さからいえば、洋式のほうが有利です。様式は浴槽の中で石鹸を使いシャワーで流すだけですから、洗い場スペースが狭くて済むからです。しかし入浴を楽しむためには、和式が向いており、アメリカではお湯に体ごとたっぷり入る日本式の木製浴槽に人気が出ています。 リノベーションで浴室を和式の雰囲気にするためには、石や木を使うのが早道で石を使って岩風呂風に、天然木を多用して檜づくりに演出ができるのです。楽しく入浴するためには、畳二枚分の広さが必要でこのスペースに浴槽と洗い場を上手に組み込みます。これ以下の浴室もたくさんありますが、子供連れで入ったりするとやはり広さはほしいところです。どうしても広さが不足するときは、出窓を設けると視覚的に広がりが得られ気分的に和風効果が相当上がります。ただあまり広すぎると夏は快適ですが、冬は寒くて困りますので注意しましょう。View this post on Instagram
“和風の設備を取り入れよう”
和風の美しさを表現してくれる設備はたくさんあります。中でも和室になくてはならない設備が、床の間や、畳、障子といった設備です。今日のような紙を使った障子は、すでに平安時代末期から貴族の住宅では用いられていたようです。リノベーションをするときにはこれらの設備も取り入れましょう。障子に紙を貼るのは採光が目的で、これを明かり障子と呼んでいました。紙を通して射す柔らかい光が部屋に適度の陰影を作り、深みを演出します。 和室、特に客間では床の間がないと中心が定まらずまた何かを飾って楽しむにも、その場所がありません。床の間は部屋のへそであり、日本人の精神のよりどころなのです。床の間は部屋の中心であり欠かせない装飾です。リノベーションを行って和風住宅を作るときには、ぜひとも作っておきたいものです。また畳は和室には欠かせないものですから、部屋に取り入れるようにしてください。 リノベーションで現代の住宅を和風住宅に変えるときには、全部が全部素材を変えていく必要はありません。素材や材料で、十分雰囲気を醸し出すことも可能です。 昔からあった大変に住みやすかったこれらの住宅を、リノベーションで再現することも可能です。現在の住環境に合わせた、とても住みやすい和風住宅を作ってみましょう。 "View this post on Instagram