リノベーションのアイテム
2020.11.26
素材から製法まで再現、まるで本物な「ネオインダストリアルランプ」【HAGS|アイテム】
今回、HAGSからご紹介するアイテムは、「Neo Industrial Lamp(ネオインダストリアル ランプ)」です。
実際に工場で使われているような無骨なスタイルに、リアルさを追求したデザインが魅力です。今回は、そんな「Neo Industrial Lamp」のこだわりや開発ストーリーについて、スワン電気の高見さんにお伺いしました。
ネオ・インダストリアルランプとは?
ネオ・インダストリアルランプは、かつて実際に工場などで使われていたインダストリアルランプのデザインをそのままに、現代の技術と融合したアイテムです。
インダストリアルの魅力
インダストリアルの力強さを出すにあたって、こだわったことなどはありますか?
「ヨーロッパでは1950年代頃から多くのインダストリアルな照明が作られました。当時の照明は、防爆・防塵・防水機能を兼ね備え、主に工場や発電所、公共の施設などで使われていました。
化学工場だったり実験しているようなところだったり、爆発の危険があるような危ない場所で、万が一爆発したときでも耐えられる、チリが入らない、防水機能がついているなどの機能を兼ね揃えるためのデザインがこの力強さに繋がっているのだと思います。それを忠実に再現することにこだわりました。」
本物のアンティーク品を分解されたそうですね。
「本物に寄せていくために実際にアンティーク品を購入しそれを分解して構造を理解し、再構築をしました。刻印もその特徴の一つです。
光の部分に関しては、安定した品質を担保するため、日本製のLED蛍光灯を使用しました。また、ソケットやフランジ、チェーンに至るまで、部材のほとんどは国内の熟練した職人さんによるものです。」
本物の質感を楽しむことができるそうですね。
「ユーザーさんからは、『まるで本物』という声が多いですね。」
アンティークのインダストリアルランプは「鋳物」といって、型をつくりそこに金属を流し込んで製造されていました。このネオ・インダストリアルランプも、同じく鋳物で再現されているため、フェイクのような軽さはありません。重厚感があり、本物さながらの質感を表現しています。
機能性に優れていた当時の照明デザインは、何十年かの時を経て現代の技術と融合し、その頃のロマンを彷彿とさせる武骨なスタイルのまま、息を吹き返しました。
ニーズの壁
このインダストリアルランプ自体は、作る場所があってそれを製造する人たちがいて、使う人たちがいたからこそできていたものだと語る高見さん。
インダストリアルランプも時代の変化とともに、シルエットがシンプルになり重量も軽くなって、あのごつごつした雰囲気のある武骨さからは離れていきました。ニーズが、近代化したシンプルな照明に移っていき、いつしか製造されることもなくなっていったのです。
その後、今度は欲しくても逆に入手困難になり、一点もののアンティーク品としてしか手にすることができませんでした。
開発のきっかけ
アンティーク品は当時のものなので趣があり、くすみや刻印一つ一つに重みがある、希少性があるというメリットがある一方で、その一点しかないというのはデメリットでもありました。
複数買うことができなかったり、あったものが欲しい時に無くなっていたりもするので、検討期間といった考える時間的な猶予が取りにくいものだったのです。そういった声を、しばしばアインティークショップから聞いており、どうしたらその声に応えられるか、考えていたそうです。
そんな時、出張で行った海外の工場付近に、アンティーク品を分解してそれをモチーフに金型を起こしている人に出会う事ができ、課題解決のための「量産」できる方法を発見。それで「作ってみよう」と始まったのがこの、「ネオ・インダストリアルランプ」ということです。
苦労した話
本物と同じデザインでありながら、一点ものではなく複数個揃えることができるようになったものの、その当時はまだまだ「シンプルで綺麗なモノ」が流行っていた頃で、ごつごつした趣のあるこのランプはなかなか受け入れられなかったそうです。
その流れがだんだん変わってきて、インダストリアルスタイルがブームになってきたこともあり、浸透していくことになりました。
インダストリアル風の照明は出回っているものもありますが、本物を再現したこのネオ・インダストリアルランプは、まさに本物志向の方からの支持が厚いアイテムとなっています。
まとめ
アンティークしかなかったものを量産するという企画から生まれたインダストリアルランプ。素材から製法まで、昔と同じように再現しているというこだわりが、重厚感に繋がっています。
また、量産品として作ることになったことで、私たちは「迷いながら」買うことができるようにもなりました。こういった存在感のある照明は、サイズ感などを確認したり、他のインテリアとのバランスも大切になってきます。
じっくり迷って検討して、インテリアに馴染む空間づくりをゆっくりと楽しんでみてはいかがでしょうか。